ライター : ☆ゴン

季節のセコガニを楽しもう

ズワイガニは、水揚げされる地域や漁港によって、越前ガニや松葉ガニ、間人ガニなどのブランド名がついています。しかしこれらはすべて、オスを指す名前。メスはオスと区別され、違う名前で呼ばれています。それがセコガニです。

どうしてセコガニと呼ばれるようになったのか、理由や名前の由来は定かではありません。このセコガニも地域によって、セイコガニや親ガニ、コッペガニ、香箱ガニなど、呼び方が変わります。

セコガニとコッペガニ

地方で呼び名が変わるセコガニは、間人ガニで有名な京丹後地域では、コッペガニまたはコッペと呼ばれます。こちらもネーミングの由来はわかりません。京都市内には、丹後から取り寄せたコッペガニを、名物にしている食事処がたくさんあるそうです。

セコガニの解禁日

ズワイガニは大きいもので、脚を左右に広げると70cm以上あり、重さは1kg以上もあるケセンガニ科のカニです。一方のセコガニは、150~200gが通常サイズで大きくても300gまで。オスとメスでこれほどの差があるため、まるで別の種類のカニのように見えます。

ズワイガニ漁の解禁日は地域によって違い、富山県から西では11月6日です。オスは翌年の3月20日までが漁期ながら、メスは資源保護のため12月31日までと、2ヶ月間しか獲ることができません。

冷凍物を除くと、活けや生のセコガニは、わずか2ヶ月しか味わえない贅沢な冬の味覚といえます。

セコガニでしか味わえない「内子」と「外子」

内子

セコガニは体内と外側の2箇所に卵があります。外側の赤黒い色の卵が「外子」、中の鮮やかなオレンジ色の卵巣が「内子」です。

内子は成熟していない卵で、コクがあってまろやか、濃厚な味わいが特徴。ゆでると、ほどよく歯ごたえのある食感を楽しめます。この内子こそが、セコガニの醍醐味だという人が多いです。

外子

セコガニの腹の中央下、ふんどし(前かけ)からあふれるように詰まっているのが外子です。とくに味はないものの、プチプチした歯ざわりが特徴。しょうゆをつけて食べたり、しょうゆ漬けにしたりすると、お酒によく合います。

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