ほうれん草の「シュウ酸」をプロが解説。アク抜きの方法や安全な食べ方とは

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ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

野菜ソムリエ解説。ほうれん草の「シュウ酸」とは

Photo by 稲吉永恵

ほうれん草には、「シュウ酸」というアク成分が含まれています。シュウ酸とは、植物が成長する過程で生成される物質のひとつ。シュウ酸は針状の結晶でできていて、植物を食害する昆虫や動物に対する防御機構としての役割を持っています。

本記事では、ほうれん草に含まれるシュウ酸がどのようなものかを詳しく解説。シュウ酸を減らすアク抜き方法も見ていきましょう！（※1）

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

稲吉永恵

野菜や果物の持ち味を生かす食べ方を提案する野菜ソムリエ。鮮度の見極め方や無駄にしない保存術、トライしやすい簡単レシピの紹介をしています！

ほうれん草に含まれるシュウ酸の健康リスクやデメリット

結石を作り出すおそれがある

ほうれん草は、シュウ酸を多く含む野菜です。生のほうれん草を食べると、消化吸収されたシュウ酸は体内でカルシウムと結合して結石を作り出すおそれがあります。またカルシウムや鉄分の吸収を阻害することもありますよ。（※2）

えぐみにより料理の仕上がりが悪くなる

シュウ酸はアクの一種です。アク抜きをしないまま調理すると、えぐみや苦味が残り料理の仕上がりが悪くなってしまいます。またきれいな緑色に仕上がらず、褐色に変色して料理の見た目が悪くなってしまうこともありますよ。

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

稲吉永恵

ほうれん草をおいしく安全にいただくためにはアク抜きは必須です。

かつおぶしやちりめんじゃこ、チーズなどカルシウムを含む食材と組み合わせるとシュウ酸の吸収を抑制できますよ。

シュウ酸を減らす！2種類のアクぬき方法

ゆでる

Photo by 稲吉永恵

ほうれん草は、ゆでることでアク抜きが可能です。塩を加えてゆでることで、色鮮やかに仕上がりますよ。ほうれん草は特に根元に砂や汚れが入り込んでいるため、しっかり洗うことがポイントです。

【手順】
1. ほうれん草の根元に十字に切り込みを入れよく洗う

2. 鍋に湯を沸かし、沸騰したら塩を入れてほうれん草の根元から先にゆでる

3. 20秒経ったら葉の部分まで入れて20〜30秒ほどゆでる

4. ゆであがったらすぐに冷水にさらす

5. 冷めたら水からあげて、水気をしっかり絞る

詳しい手順はこちら▼

ほうれん草のゆで方・湯がき方【野菜ソムリエ解説】 - macaroni

この記事では、野菜ソムリエがほうれん草の下ゆで方法を詳しく解説します。葉物野菜のなかでも、ほうれん草はしおれやすく鮮度が命です。新鮮なうちに調理するのがおすすめですよ。下ゆでは手早くおこなうのがポイント。ほうれん草をおいしくいただくためにも、手順をきちんと確認しておきましょう。

電子レンジで加熱する

Photo by 稲吉永恵

アク抜きには電子レンジで加熱する方法もあります。火を使わず手軽ですが、シュウ酸の除去率はゆでる方法と比べると低いというデメリットも。

あらかじめ小さくカットして加熱時間を2分ほどに増やすと、アクが抜けやすくなります。手間をかける時間がないときに活用できるアク抜き方法です。（※3）

【手順】
1. ほうれん草の根元に十字に切り込みを入れよく洗う

2. ほうれん草を1束ずつ葉と根元を交互においてからラップで包む

3. ほうれん草4束程度であれば、電子レンジ600Wで1分ほど加熱する

4. レンジから取り出してすぐに冷水にさらす

5. 冷めたら水からあげて、水気をしっかり絞る

詳しい手順はこちら▼