ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

苦いさつまいもは食べてはいけない?

さつまいもは甘さが特徴の食材です。しかし、さつまいもに含まれる成分によって苦みが感じられることもあります。

もともと含まれている成分による苦みの場合は食べられますが、なかには腐敗やカビのように状態が悪いことで苦みを感じることもあるため、きちんと見極めが必要です。(※1)

さつまいもを苦く感じる原因

さつまいもの苦みのもと

  1. ヤラピン
  2. タンニン・クロロゲン酸
  3. 腐敗
  4. 害虫

ヤラピン

ヤラピンはさつまいもを切ったときに皮の近くから出てくる、白っぽい液体に含まれる成分です。苦みを感じる原因のひとつですが、体に悪い影響はなく、腸の動きを活性化させる作用を持つとされています。

そのためヤラピンは昔から便秘薬としても使われ、さつまいもに豊富な食物繊維との相乗作用で、便秘対策に向いている成分です。(※1)

タンニン・クロロゲン酸

さつまいもに含まれるタンニンクロロゲン酸はポリフェノールの一種です。いずれも渋みや苦みを感じる成分で、さつまいもの「あく」として知られ、変色する原因とも言われます。

タンニンもクロロゲン酸も強い抗酸化作用を持ち、クロロゲン酸は脂肪の蓄積を抑える作用も期待できる成分です。体にうれしい作用を持つため、食べても問題ないと言えるでしょう。(※2,3,4)

腐敗

さつまいもが腐敗している場合は表面のハリがなくなり、すかすかしている、ぶよぶよしているなどの変化が見られます。また、悪臭がする場合も。

クロロゲン酸の変色で黒や緑になっている状態や、ヤラピンが黒くかさぶたのように固まっている状態ではないものには注意が必要です。ふわふわとした白かび、濃い青のような青かび、斑点のようなものや綿のようなものがついている黒かびなどがついている場合は食べられません。(※1,5)

害虫

さつまいもの苦みの原因として、イモゾウムシと呼ばれる害虫がついてしまっている場合もあります。この害虫がついてしまうと苦みと臭いで食用できなくなるだけでなく、家畜の飼料にすらならないようです。

表面に穴が開き、内部は食べられたあとが孔道となって、そのまわりが黒く変色します。このようなさつまいもを見つけた場合は食べないようにしましょう。(※6)
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