シードルの主な産地とその特徴

フランス

フランスでは「Cidre(シードル)」と呼びます。シードルの2大産地として知られるのがノルマンディ地方とブルターニュ地方。とくにノルマンディ地方には「シードル街道」と呼ばれるエリアがあり、醸造所のほかガレットと一緒にシードルを楽しめるお店が点在していますよ。

フランスのシードルは伝統的な製法である「デフェカシオン」が用いられます。ゆっくりと発酵をすすめるため、適度に渋みがあるのが特徴。アルコール度数は4~6%で、甘口から辛口まで幅広いタイプがそろっています。

イギリス

ヨーロッパでシードルの生産量・消費量が1位なのがイギリス。イギリスではシードルのことを「Cider(サイダー)」と呼び、ビールと同じく、街の至るところで目にすることができます。

主要産地はサマセット州やウェールズ、ヘレフォードシャー州など。イギリスのシードルは辛口が主流で、アルコール度数は5~8%と少し高めです。しっかりとした酸味・苦味が楽しめるシードルが多いですよ。

アメリカ

アメリカではシードルのことを「Hard Cider(ハードサイダー)」と呼びます。ちなみに「サイダー」といったときは、ノンアルコールのアップルジュースのことを指しますよ。

生食用のりんごを使うので、フレッシュで喉越しがよいのが特徴。アルコール度数は4~8%で、辛口タイプが主流です。

ドイツ

ドイツではシードルを「Apfelwein(アプフェルヴァイン)」と呼んでいます。主な産地はりんごの栽培が盛んなヘッセン州。

微炭酸で酸味が強いものが多く、甘口から辛口までさまざまなタイプがあります。アルコール度数は3~5%で、現地では伝統的に切子細工が施されたグラスで楽しまれていますよ。

スペイン

スペインでは「Sidra(シードラ)」という呼び名で親しまれています。バスク州やアストゥリアス州、ガリシア州など北部が主な産地です。

スペインのシードルは産地ごとに特徴が異なりバラエティが豊かですが、全体的な傾向として酵母の香りが強く、無発砲・微炭酸なものが多いですよ。アルコール度数は4~6%。現地では、ボトルを高く掲げてグラスに勢いよく注ぐ「エスカンシアール」というスタイルが定着しています。

日本

日本ではフランスにならい「シードル」と呼ぶのが一般的ですが、まれに「サイダー」と表記されることもあります。主な産地はりんごの産地としても有名な青森県や長野県など。

前述の通り、「王林」や「ふじ」、「紅玉」など糖度が高い生食用りんごをそのまま使っていて、すっきりと繊細な味わいが特徴。アルコール度数は4~6%です。近年ではシードル専用の醸造所もでき、日本のシードルは海外でも高く評価されていますよ。
シードルの読み方特徴
フランスCidre(シードル)・伝統的な製法「デフェカシオン」
・適度な渋みがある
イギリスCider(サイダー)・辛口が主流
・酸味・苦味がしっかりしている
アメリカHard Cider(ハードサイダー)・生食用りんご使用
・フレッシュで喉越しがよい
ドイツApfelwein(アプフェルヴァイン)・微炭酸・酸味が強い
・甘口から辛口までバラエティ豊か
スペインSidra(シードラ)・酵母の香りが強い
・無発砲・微炭酸なものが多い
日本Cidre(シードル)・糖度が高い生食用りんご使用
・すっきりと繊細な味わい
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