ライター : macaroni 編集部

老舗フルーツ専門店直伝。おいしいぶどうの選び方

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9~10月ごろ、秋のはじめに旬を迎えるぶどう。この季節になるとスーパーでもよく見かけるようになり、購入する機会も多くなってきたはず。旬といえども、ひと房の値段もそう安くはありませんから、選ぶときは真剣勝負ですよね。

旬のくだものの見極め方をお届けする本連載、4回目のテーマはぶどう。創業136年目の歴史を持つ老舗フルーツ専門店「新宿高野」の広報担当・フルーツコーディネーターである久保直子さんにおいしいぶどうを見極めるポイントをお伺いしました。

1. 軸が青くしっかりしている

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ーー今回は、おいしいぶどうの選び方を教えていただきたいと思います!さっそくですが、鮮度がよくおいしいものを見極めるポイントはどこにありますか。

久保直子さん(以下、久保) ぶどうの場合は、まず軸をよく見てください。写真のように軸が青いものほど鮮度が高いといえます。品種にもよるので一概には言えませんが、茶色になってしまっているものは、収穫してから多少時間が経っています。形としては、りんごや梨と同様になるべく太くてしっかりしているものがいいですね。

2. 果皮のブルームがとれていない

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ブルームがついている状態
ーーなるほど、軸は青くてしっかりしているものですね。実の部分で注目すべきポイントはありますか。

久保 ぶどうの表面を見ると、白い粉のようなものがついています。これはブルーム(果粉)といって、果実から自然に分泌されている天然物質なんです。ブルームはくだものの水分蒸発を防いだり、病気などから守ります。果粉がまんべんなくついていると鮮度のよさを判断できるんですよ。

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ブルームがとれている状態
久保 時間が経っていたり、こすれてブルームがとれると、写真のように粒が光った状態になります。このような光った粒が多い房よりは、より白っぽくなっている房を選ぶのがおすすめ。

ちなみにいま人気のシャインマスカットは見えづらいのですが、じつはブルームがありますよ。なかなか判断するのはむずかしいかもしれませんが、ぜひ注目してみてください。

上のほうが甘い!? おいしく食べる方法

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ーー選び方のポイントは2つ、すぐに覚えられそうですね。買ったぶどうをさらにおいしく食べる方法はありますか。

久保 おいしい食べ方といいますか、これはみなさんご存知でしょうか。ぶどうは場所によって粒の甘さが変わってくるんですよ。軸のほう、つまり木になっていたときに幹に近い上の部分が甘いんです。下の実になるにつれて、比較的甘みが少なくなります。ですから、上の実と下の実を交互に食べると甘さのバランスがとれるはず。最後に甘い部分を残したい!なんて方は、先に下のほうから食べるといいかもしれません。

長時間冷やすのはNG。ぶどうの保存方法

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ーーぶどうの保存方法や長くおいしさを保つポイントなどはありますか。

久保 ぶどうは基本的に保存せずに、購入したら早めに食べていただきたいです。メロンのように追熟でやわらかくすることで、よりおいしく食べられる果物もありますが……。ぶどうの場合は収穫したその瞬間から食べごろなんです。

あとは、あまり長い時間冷蔵庫に入れないほうがいいですね。冷えすぎるとぶどうの甘みや香りが消えてしまい、おいしく味わえなくなってしまいます。食べる2、3時間前に冷やすのがベター。

品種の多いぶどうも見極め方はだいたい同じ!

ここ数年シャインマスカットの人気が高まっていることもあり、秋のくだもののなかでも存在感を増すぶどう。赤色や緑色、小さな粒から大粒のものまで種類豊富なぶどうも、基本的な見極め方に大差はないそうです。

本記事でご紹介した2つのポイントを覚えておけば、いつもより鮮度の高いぶどうを選ぶことができそうですね。これからのお買いものにぜひ役立ててください。

※品種、時期、天候などによって違う場合もあるため、本記事で紹介した内容は絶対的なものではありません
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取材・文/岩田知夏
撮影/實重かおり(macaroni 編集部)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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