ライター : macaroni 編集部

監修者 : 龍 慶介

てしま農園 代表

教えてくれた人

てしま農園 代表 / 龍 慶介さん 10年前に農業の世界へ。“植物のプロとお客様をつなぐ”をコンセプトとした『てしまの苗屋』を立ち上げる。初心者の方に植物を育てることの楽しさを伝えたいと、苗の丁寧な育成はもちろん、購入される方への説明や相談にも積極的に対応。失敗しにくい苗の販売と育成に力を注いでいる
植物への愛情たっぷりの龍さんに、4月のベランダ菜園におすすめの野菜&ハーブと基本的な知識やアドバイスをいただきました。

春は植物も虫も人も心地良い季節

Photo by てしまの苗屋

編集部「春だな〜と実感できる暖かい日が続いてますね。てしま農園さんはいかがですか?」

龍さん「本当、温かくなって一気に虫が増えましたね。僕は全般的に虫は大丈夫なんですが、カメムシだけはどうも苦手で……。思い出しただけで、ちょっと寒気がしますよね(笑)

でも虫が過ごしやすいというのは、植物にとっても過ごしやすい気温なんです。植物が発芽しやすいので、今はさまざまな苗を育てていますよ」

4月におすすめのハーブは「バジル」

Photo by okamagami

編集部「4月におすすめのハーブはなんですか?」

龍さん「前回紹介したトマトと相性の良いバジルです!トマトとバジルは一緒のプランターで育てることができます。

違う種類の植物を混植すると、虫がつきにくくなったり風味が良くなったりするんです。コンパニオンプランツというのですが、一緒に植えて育てると互いに良い作用を発揮して生育を助け合う効果があります

編集部「一緒に育てられる上に、良いことだらけなんてすごいですね!バジル以外にもトマトと相性の良いものってあるんですか?」

龍さん「基本的にトマトは葉物と相性が良いです。例えば、ネギやニラ、パクチーとか。トマトの根は深く張るのに対して、葉物は浅く根が張るので土を共有しないんです。だから相性が良いんですね。

特にバジルは適当な水やりでも十分育ってくれるので、初心者の方でも簡単にコンパニオンプランツにチャレンジできる組み合わせです」

バジルを上手に育てるには?

最適な環境と植え付け方法

Photo by okamagami

編集部「トマトと一緒に育てるということは、最適な環境もトマトと同じということですか?」

龍さん「お、察しがいいですね!日差しが十分に当たって風通しの良い、ベランダ菜園の基本的な生育環境であれば使い道に困るくらい育ちますよ。バジルは本当に失敗知らずで育てやすいんです。

ただ、1点気を付けて欲しいのは、バジルは育ってくると白い花芽を付けるんです。しかし花が付くと葉が硬くなってしまうので、そのときは必ず摘芯してあげてください。

摘芯すると脇芽が出てきますが、これは芽が伸びて育つので切らずに育てていきましょう。ちなみに、この花を最後まで切らずに放置しておくと、枯れてタネができるんです。
このタネが地面に落ちると、翌年またバジルが発芽しますよ


編集部「まさに無限増殖ですね!」

水と肥料のやり方

バジルに水やりまたは肥料を与えている画像

Photo by okamagami

編集部「アバウトな水やりでも育つとおっしゃっていましたが、注意点などはありますか?」

龍さん「特にないです!トマトと一緒に育てるなら、トマトを育てるための水やりや肥料でバジルも勝手に育ってくれます。それでいて、水嫌いなトマトの余分な水分をバジルが吸収してくれるという。めちゃくちゃ良い奴なんですよ、バジル(笑)」

編集部「えーっ!なんか健気ですね。一気にバジルが好きになりました(笑)」

想定されるトラブルと対処法

編集部「ハーブは基本的に虫に強いイメージがありますが、どうでしょうか?」

龍さん「そうですね。バジルもそこまで虫の被害に注意する必要はありませんが、蛾の幼虫やヨトウムシには注意しましょう。ヨトウムシは日中は地面に潜り、夜になると活動をはじめてかなりの量を食い荒らすんです。活発になるのは秋なので、時期は違いますが注意が必要です」

編集部「虫に食われたら、どうすればよいですか?」

龍さん「ヨトウムシの場合は広範囲なので、食い荒らされたら処分を検討するしかないかもしれません。そのほかの虫食いに関しては深刻化しないので、あまり気にせずそのままで大丈夫ですよ」
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