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みんな大好き!「おでん」
日本のソウルフードのひとつである「おでん」。出汁がしっかり染み込んだ食材は味わい深く、家庭によって、また人によって好みで具材を変えられる楽しいメニューです。
誰もが慣れ親しんだおでんですが、じつは全国各地で出汁のとり方や具材が異なり、地域色が豊かな食べ物でもあるんです。そこで、練り物で有名な株式会社紀文食品のホームページに掲載されている「日本のおでんいろいろ」を参考に、札幌風、名古屋風、福岡風のおでんを作ってご紹介します。「こんな食べ方があったの?」ときっと驚くと思いますよ。
誰もが慣れ親しんだおでんですが、じつは全国各地で出汁のとり方や具材が異なり、地域色が豊かな食べ物でもあるんです。そこで、練り物で有名な株式会社紀文食品のホームページに掲載されている「日本のおでんいろいろ」を参考に、札幌風、名古屋風、福岡風のおでんを作ってご紹介します。「こんな食べ方があったの?」ときっと驚くと思いますよ。
おでんのはじまり
まずはちょっとした豆知識から。おでんという名前の由来は諸説あるようですが、豆腐を竹串に刺して味噌を塗って焼いた田楽にあるという説が有力です。
江戸時代は味噌田楽や具材をゆでて味噌だれを付けたファストフードのようなものが、おでんとしてで親しまれていたそうで、現在の出汁が味わえるスタイルは明治時代以降に生まれたみたいですよ。
今では出汁を丁寧にひき、具材ごとに煮るような懐石風のおでん専門店もありますが、家庭から名店まで楽しみ方、味わい方の幅を広げながらおでんは進化してきたようです。
それでは、全国のおでんの特徴と味をご紹介します。
江戸時代は味噌田楽や具材をゆでて味噌だれを付けたファストフードのようなものが、おでんとしてで親しまれていたそうで、現在の出汁が味わえるスタイルは明治時代以降に生まれたみたいですよ。
今では出汁を丁寧にひき、具材ごとに煮るような懐石風のおでん専門店もありますが、家庭から名店まで楽しみ方、味わい方の幅を広げながらおでんは進化してきたようです。
それでは、全国のおでんの特徴と味をご紹介します。
豪華な見た目!札幌風おでん
最初にご紹介する札幌風おでんのベースの出汁は昆布。利尻昆布、日高昆布、真昆布……何種類ものブランド昆布がある北海道らしいです。具材は白子、帆立貝、ふき、マフラー(長方形のさつま揚げ)など海の幸、山の幸が入るのが特徴のよう。東京生まれ東京育ちの私にとっては、初おでんのものが多くとても楽しみです。
昆布出汁の魅力は、植物性の上品でやさしい味わい。シンプルな出汁だからこそ、それぞれの具材の味が引き立ちます。
なかでも際立っていたのが、ふきの存在感。ふきの名産地といえば愛知県が有名ですが、北海道のふきは太くて大きいなどの特徴があり、人間の背丈以上に伸びる「ラワンブキ」という種類が存在するそうです。地元ならではの食材をおでんに入れて楽しむのでしょうね。
なかでも際立っていたのが、ふきの存在感。ふきの名産地といえば愛知県が有名ですが、北海道のふきは太くて大きいなどの特徴があり、人間の背丈以上に伸びる「ラワンブキ」という種類が存在するそうです。地元ならではの食材をおでんに入れて楽しむのでしょうね。
そして、冬が旬の白子はインパクトがありました。酢の物、天ぷらでは食べますが、おでんとして味わうのははじめて。まろやかな甘さとコクが昆布出汁に合っていて感動しました。
北海道風は、昆布出汁がそのままでも美味な天然素材たちを引き立てていて、じっくり丁寧に味わえる贅沢なおでんでした。
北海道風は、昆布出汁がそのままでも美味な天然素材たちを引き立てていて、じっくり丁寧に味わえる贅沢なおでんでした。
とろりと濃厚な名古屋風おでん
次にご紹介するのは名古屋風おでんです。見慣れない具材として、関東ではなかなか手に入らない角麩(表面が波を打つ凹凸のある生麩で、愛知県・岐阜県のローカルフード)や豚モツが挙げられます。
そして、何よりもインパクトがあるのが八丁味噌を使った甘辛くて赤褐色の汁。八丁味噌とは愛知県の2社(まるや八丁味噌とカクキュー)でしか製造されていない豆味噌で、徳川家康の健康と長寿を支えたといわれる逸品です。その文化が愛知県に深く根付いていることが感じられます。
そして、何よりもインパクトがあるのが八丁味噌を使った甘辛くて赤褐色の汁。八丁味噌とは愛知県の2社(まるや八丁味噌とカクキュー)でしか製造されていない豆味噌で、徳川家康の健康と長寿を支えたといわれる逸品です。その文化が愛知県に深く根付いていることが感じられます。
大豆が発酵した旨味、渋み、香りを凝縮した八丁味噌と砂糖の甘味が混ざり合った非常に濃厚な味わいです。2年以上熟成した大豆の深い味がスープ全体に行き渡っているので、出汁を取らずとも絶品でした。
また、濃い見た目とは裏腹にしつこくはないため、たくさん食べられます。具材にとろりとたれが絡む様子は、おでんの原点でもある田楽を連想させます。
また、濃い見た目とは裏腹にしつこくはないため、たくさん食べられます。具材にとろりとたれが絡む様子は、おでんの原点でもある田楽を連想させます。
「おでんはご飯に合うのか、合わないのか」という議論をたまに見かけますが、名古屋風おでんはご飯にバッチリ合いました。理由のひとつは汁ではなくたれに近いため。もうひとつは八丁味噌の旨味と砂糖の甘味のバランスだと思います。
次の日の朝、ご飯に焼き豆腐、卵、牛すじをのっけて食したのですが、おいしすぎていつもの倍量のお米を食べてしまいました。名古屋風はとろりと濃厚。大豆が長時間熟成・発酵された旨味が素材に絡み、ご飯が進むおでんでした。
次の日の朝、ご飯に焼き豆腐、卵、牛すじをのっけて食したのですが、おいしすぎていつもの倍量のお米を食べてしまいました。名古屋風はとろりと濃厚。大豆が長時間熟成・発酵された旨味が素材に絡み、ご飯が進むおでんでした。
個性豊かな具材がそろう福岡風おでん
最後は九州から福岡風おでんです。驚いたのは、魚のすり身で餃子を包んで揚げた「餃子巻き」が入ること。福岡の屋台では大人気の具材なのだそうですよ。
さらにごぼう巻き、ロールキャベツ、餅入り巾着、牛すじといった手間ひまかける具材が多いことが福岡風の特徴。餃子巻きとごぼう巻きは手に入らなかったので、今回はタラと海老でさつま揚げから手作りしました。餅巾着は、お正月に冷凍しておいた残りのお餅で……。普通のさつま揚げや市販の巾着でも代用できます。
さらにごぼう巻き、ロールキャベツ、餅入り巾着、牛すじといった手間ひまかける具材が多いことが福岡風の特徴。餃子巻きとごぼう巻きは手に入らなかったので、今回はタラと海老でさつま揚げから手作りしました。餅巾着は、お正月に冷凍しておいた残りのお餅で……。普通のさつま揚げや市販の巾着でも代用できます。
濃口醤油、酒、砂糖などが入る出汁は、馴染み深いおでんの見た目と香りです。ベースは王道であっても、具材が個性的なためワクワク感があります。食べると一緒に煮た具材の味が複雑に絡み合うのがおもしろいですね。
こちらは餃子巻きの断面です。皮ごとさつま揚げに入れるという斬新さ。食べる前は「お肉を魚のすり身で包んで揚げるのであれば、餃子の皮はいらないのでは?」と思いましたが、皮のモッチリとした感と、肉と魚をつをつなげる「つなぎ」としての存在感がたまりませんでした。
福岡風おでんの出汁は、鰹節と昆布の混合出汁や鶏出汁などお店によって違うようですが、動物性の出汁を入れることが多いようです。福岡風は見た目も味わいも屋台の味を連想させる、お酒が飲みたくなるおでんでした。いつか福岡のおでん屋台で一杯引っかけながら、これらの具材を味わってみたいものです。
福岡風おでんの出汁は、鰹節と昆布の混合出汁や鶏出汁などお店によって違うようですが、動物性の出汁を入れることが多いようです。福岡風は見た目も味わいも屋台の味を連想させる、お酒が飲みたくなるおでんでした。いつか福岡のおでん屋台で一杯引っかけながら、これらの具材を味わってみたいものです。
知るほどにおもしろい全国のおでん
今回は特徴が分かりやすい札幌、名古屋、福岡のおでんをご紹介しました。このほかにも、ツブ貝や車麩が入る金沢風、だし粉(いわしやかつおの粉と青のり)をかけて食べる静岡風、生姜しょうゆを付けて食す姫路風など、全国には興味深いおでんがたくさんあります。
ここまでおでんに地域性が出るのは、土地によって収穫できる農産物や海産物が異なり、文化に特徴があるからこそ。家庭料理の代表格おでんは知れば知るほどおもしろい食べ物でした。
ここまでおでんに地域性が出るのは、土地によって収穫できる農産物や海産物が異なり、文化に特徴があるからこそ。家庭料理の代表格おでんは知れば知るほどおもしろい食べ物でした。
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