ライター : dressing

スパゲッティは「白系」のみ!のいさぎよさ

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トマト系、クリーム系、オイル系などバラエティ豊かなパスタ料理の中で、特に男性に熱烈なファンが多いのが、クリーム系。そんななか、2020年7月7日、クリームソースに特化した専門店『白系スパゲッティ』が東北沢にオープンした。
『白系スパゲッティ』があるのは、東京大学駒場キャンパスの裏手の閑静な住宅街。小田急線「東北沢」駅と京王井の頭線「池ノ上」駅のちょうど中間で、どちらの駅からも徒歩数分のところ。 昼は、「白系」スパゲッティセット4種類のみで営業。夜は立ち飲み店になり、軽いおつまみとともに、ハーフサイズの「白系スパゲッティ」(900円~)も提供している。

全国のカルボナーラを食べ歩いたオーナーが惚れ込んだ、究極のカルボナーラ

メニュー数もミニマムだが、席もカウンター3席(最大6席)というミニマムさ。聞けば同店は、全国のカルポナーラを食べ歩いているカルボナーラ好きのオーナーが、名古屋のイタリアン『クォーコ・ディ・マーレ』の髙木雅規シェフの作るカルボナーラに惚れこんだのがきっかけで作った店だという。いわば『白系スパゲッティ』は、「名古屋だけでなく全国の人に食べてもらいたい」という想いから開発したパスタソースを実食してもらうためのアンテナショップなのだ。 じつは髙木シェフは当初、オーナーからのオファーを何年も断り続けていたという。「カルボナーラは材料も作り方もシンプルなので、差をつけるのは非常に難しい。私が何よりも重視しているのは全体のバランスですが、それは分量やレシピを伝えただけで再現できるものではないと考えていたからです」(髙木シェフ)。つまり髙木シェフ自身の味覚のバランス感から生み出されている、唯一無二の味なのだ。 『白系スパゲッティ』で提供しているパスタソースは、オーナーと髙木シェフが研究を重ねて完成させ、髙木シェフの監修のもとパッキングされた製品。「私が作っているソースのバランスをそのまま忠実に再現できています」と、高木シェフが太鼓判を押す出来栄えだという。

メニューはミニマムでも、トッピングはマックス!

さらにユニークなのは、メニューはミニマムなのに、トッピングが異常に豊富なこと。
トッピングはフライドオニオン、刻み海苔、フライドガーリック、スパイスは青唐辛子、スモークパウダー、カレー粉、ブラックペッパー(細挽き)、ナツメグ、カイエンペッパー。さらに粗挽きのブラックペッパー、唐辛子オイル、トリュフオイルと10種類以上。パスタメニューよりもトッピングのほうがはるかに多いのだ。
初めて利用する人のために、壁には注文と食べ方の手順が描かれている。麺は通常1人前100gだが120gまで無料で増量可能。まずソースの種類を選び、次に麺の量を決める。
「できればまずソースだけで味わい、次にトッピングやスパイス、オイルで味変を楽しんでいただきたいですね。最後にジャスミンライスで“追い飯”をし、残ったソースにからめて即席リゾットを楽しんでいただくのが、うちの店の“フルコース”です」(スタッフの茂木さん)。

オーナーが惚れ込んだ「カルボナーラ」が、「極上トリュフオイル」でさらに進化!

オーダーとほぼ同時に出てくるのが、「ふんわり生姜風味の無添加野菜スープ」、色とりどりの「ピクルス」。
看板商品の「カルボナーラ」(写真上)は、髙木シェフがバランスを追求して完成させた味を忠実に再現。クリームと卵のコク、ベーコンの塩味、黒コショウの刺激、それぞれの個性がくっきり際立っているのに強く主張しすぎず、完全に調和している。オーナーが惚れ込んだ理由がわかる気がする。 麺は茹で時間9分の乾麺を、あえて6分40秒と短めの時間で茹でてやや固めに仕上げている。コクとうまみがぎゅっと凝縮されたソースを受け止めるには、やや固めの歯ごたえが必要であることが、ひと口でわかる。
この絶品「カルボナーラ」を心ゆくまでじっくり味わった後、後半にトッピングするなら、貴重なサマートリュフから抽出した「極上トリュフオイル」(有料)がおすすめ。スプーン2杯ほどで、絶品カルボナーラがさらに進化し、贅沢なトリュフパスタに生まれかわる。

「チンクエフロマージュ」のおすすめトッピングは「ナツメグ」

「チンクエフロマージュ」(写真上)は、5種類のチーズをたっぷり使用している。「チーズは2~3種類合わせただけではそれぞれの味がバラバラに感じられますが、4種類だとまとまります。だから『クワトロフロマージュ』というソースがあるのですが、チンクエフロマージュはさらにその上。単に味がまとまるだけでなく、個々のチーズのうまみがブレンドされて膨らみ、爆発的においしくなるなるんです」(髙木シェフ)。 確かにチーズの官能的なうまみが最大に引き出され、複雑なコクが響き合うようなソースだ。
そんな「チンクエフロマージュ」に最もよく合うトッピングとしておすすめなのが、ナツメグ。チーズソースのコクを重く感じ始めた後半にひと振りすると、ナツメグのほのかな甘みと刺激が加わり、全く違うソースが誕生する。クリームソースとナツメグのマッチングがやみつきになりそうだ。

クリームソースにワサビと青唐辛子の刺激で、新しい世界が!

オーソドックスな上記2品は間違いない味だが、若いスタッフに人気が高いのが、ピリ辛系の「白系スパゲッティ」だという。
「おろしわさびのチンクエフロマージュ」(写真上)は、「チンクエフロマージュ」にワサビを混ぜた一品。
かなりの量のワサビを溶かしこんでいるが、食べてみるとチーズソースが濃厚なため辛みはほとんど感じられず、ワサビの清涼感のある爽やかな香りだけが鼻に抜ける。これは、ワサビの新しい味わい方かもしれない。辛みも味わいたい人は、添えられたワサビで「追いワサビ」を。 ワサビだけに、トッピングはやはり海苔が最高の相性。かなりの量が最初からかかっているが、半分ほど食べてから麺が見えなくなるくらいかけて混ぜ合わせると、「海苔わさびクリームパスタ」とも呼びたい新たな一皿になる。
若いスタッフの一番人気だというのが「青唐辛子のカルボナーラ」(写真上)。青唐辛子のパンチのきいた辛さとうまみがカルボナーラのソースに溶け込んで、確かにクセになりそう。辛い味が好みの人はブラックペッパーやカイエンペッパーをトッピングしてさらに辛さをプラスし、辛いのが苦手な人はフライドオニオンや海苔をトッピングするのがおすすめだ。
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