ライター : 松本侑子

企業広報・インタビューライター

東京から家族で沖縄移住し、フリーライターとして活動を開始。沖縄の食を愛する1児の母。身も心も”かふぅ”(沖縄の方言で幸せ)な気分になる沖縄グルメをご紹介します。

沖縄「土〜夢ごはんカフェ」【やちむんで楽しむ、うちなーグルメ #1】

Photo by 松本侑子

沖縄で「焼き物」を意味する「やちむん」。かつての琉球時代から、独自の陶芸文化を発展させてできたやちむんは、器好きの旅行客や、日常使いする地元の方々に親しまれています。

やちむんでいただく食事から感じるのは、まるで沖縄の人や風土を反映したような、ホッとする温かさ。本連載「やちむんで楽しむ、うちなーグルメ」では、やちむんの楽しみ方を伝える飲食店を紹介しながら、器の魅力を探っていきます。

オーナー厳選のやちむんで、やさしい沖縄家庭料理を

第1回目に訪れたのは、オーナーによって選び抜かれたやちむんで、体にやさしくボリューミーな家庭料理を楽しめる「土〜夢(どーむ)ごはんカフェ」。沖縄南部の糸満市で、地元客から観光客までに長年愛される魅力について迫りました。

Photo by 松本侑子

住宅街に構える赤い瓦屋根の古民家。外から見ると普通のお家のようですが、いつも多くの人で賑わう予約必須の人気店です。木々を抜け、お店のドアを開き、玄関で靴を脱いで入店するまで、隠れ家にお邪魔するかのようなドキドキ感。

Photo by 松本侑子

「土〜夢ごはんカフェ」のルーツは、1992年やちむんに魅せられたオーナー喜瀬文子さんが、県内作家の作品をセレクトして始めたショップに遡ります。

沖縄の北から南、離島に至るまで直接足を運び、窯元で仕入れた商品を展示販売する、自宅兼セレクトショップとして開店されました。

やちむんを見て、触れて、楽しめる空間を作りたい

喜瀬さんは、長年セレクトショップを経営されるなかで強まった想いから、食を通してやちむんを楽しめるお店づくりを決意。自宅のリノベーションを経て2010年にご長男と同店をオープンしました。

一軒家の温かみを感じられる店内では、飲食を楽しめるだけでなく、展示された個性豊かなやちむんを購入できます。

Photo by 松本侑子

窓際や壁には、やちむんに限らず、県内アーティストの作品が展示販売されています。

木彫のテーブルや椅子も、沖縄の職人さんによって作られたもの。オーナーがこだわる家具のひとつひとつから、やちむんと調和するような落ち着いた雰囲気を感じます。

お気に入りのやちむんを楽しめる「ドリンクバー」

Photo by 松本侑子

同店のメニューでハズせないのが、好みのやちむんで飲み物を楽しめる「ドリンクバー」。100名以上の作家によって作られたカップを選ぶことができるんです。ここにも、セレクトショップ時代からの「多くの人にやちむんに触れて欲しい」という想いが込められています。

ホットコーヒーや紅茶から、冷たいジュースまで、その日の飲みたいものに合わせてカップを選ぶのもおすすめです。

やちむんで味わう沖縄食材の温もり「土〜夢ハンバーグプレート」

土〜夢ハンバーグプレート 和風だしきのこ餡掛け

Photo by 松本侑子

980円(税抜)
「土〜夢ハンバーグプレート」 は、お店の看板メニュー。ハンバーグソースは5種類、自家製デミグラスソース・さっぱり和風しそおろし・デミグラスチーズ・ネバネバ和風おろし・和風だしのきのこ餡掛けから選ぶことができます。今回は、秋らしい「和風だしのきのこ餡かけ」を選びました。

土〜夢のメニューに使われる平皿やお茶碗は、注文後スタッフがお客さんごとにひとつひとつセレクト。同じプレートメニューでも、訪れるたびに違った雰囲気を楽しむことができるんです。

Photo by 松本侑子

ハンバーグの中が白っぽいのは、タネに海洋深層水を使用した島豆腐を混ぜているから。独自ブレンドされた挽き肉と融合した島豆腐ハンバーグは、肉々しさを残しながらもやさしい味わいです。島豆腐のほんのりした塩味と食感もぴったり。きのこの旨味がギュッとつまったソースが、土〜夢ハンバーグのやさしさを引き立てています。

「最初は島豆腐を潰して混ぜていたんです。地元の方からの『どこに島豆腐が入っているのか分かりづらい』という声をきっかけに改良を重ね、割ったときに島豆腐がちゃんと見える、どこにもないようなハンバーグができました」と、メニューの開発秘話を話してくださるのは、娘の弥由さん。

Photo by 松本侑子

野菜はすべて糸満産のものを使用。サラダにかかっているキャロットドレッシングも、「美ら(ちゅら)キャロット」という人参を使用した自家製です。

筆者がひと際心惹かれたのは、小皿のジーマミー豆腐。弾力のあるもちもち食感と、スイーツのようなピーナッツの甘みがたまらないおいしさです。口に運ぶと感じる粒々食感は、潰して練り込まれた落花生。こちらも、お客さんからの声を参考に完成したのだそう。

「土〜夢のメニューは、地元のお客様の温かい想いから作られています。開業当時、より良いお店づくりのためにと、各テーブルにアンケートを置いたんです。すると、温かい言葉から厳しいお言葉まで沢山の意見をいただくことができました。

アンケートからお客様のお店を好きでいてくれる気持ちがひしひしと伝わって、私たちもしっかり意見に応えようと改良を重ねていき、今の土〜夢ごはんカフェがあります」(弥由さん)

やさしさ溢れるやちむんでいただく「デザートセット」

デザートセット ドリンクバー付

Photo by 松本侑子

850円(税抜)
デザートセットは6種と充実。「土〜夢チーズケーキ」は、シークワーサーを使用した爽やかなひと品です。きなこがチーズケーキのやさしい口溶けを引き立てています。

デザートセットのほかにパフェセットやトーストセットなど、カフェ利用にぴったりなメニューが豊富です。 各メニューを豊かに彩るやちむんと、お気に入りのカップで過ごすブレイクタイムは、落ち着いた時間になること間違いなし。

※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出は控えましょう。店舗によっては、休業や営業時間を変更している場合があります。
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