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西荻窪の一軒家ビストロ「anicca(アニカ)」【シェフが通う店 #1】
敏腕シェフたちが普段通っているお店を、リレー形式でご紹介する連載「シェフが通う店」。記念すべき第1回目に登場するのは、ビストロ好きのmacaroni編集部員・道岡が推薦する「anicca(アニカ)」。
JR中央線「西荻窪」駅から5分ほど歩いた住宅街にある、2018年12月オープンの一軒家ビストロ。雑誌の表紙にもなった、おしゃれな佇まいが目を引きます。有機野菜など、厳選した旬の食材を使った美しい料理が評判のお店です。
築50年ほどの古民家をリノベーションした店内は、木の梁がむき出しになった天井が高く、落ち着いた空間が広がります。
1階はカウンター席とテーブル席、2階はテーブル席。それぞれ趣が異なる一枚板のテーブルやアンティークの椅子が並び、飾られた花にもセンスの良さが感じられます。
1階はカウンター席とテーブル席、2階はテーブル席。それぞれ趣が異なる一枚板のテーブルやアンティークの椅子が並び、飾られた花にもセンスの良さが感じられます。
フレンチをベースにした、ジャンルレスな料理が魅力
お店を切り盛りするのは、シェフの高須貴大さん(写真・左)と、サービス担当の太田佑也さん(同右)。ふたりは以前、都内で複数のカフェを運営する会社で働く同僚だったそう。
「ご飯をよく一緒に食べに行く仲だったのですが、料理や店の雰囲気などで“いいなあ”と思うものがとても似ていたんです。」と太田さん。
ふたりの世界観を実現できる店を作ろうと、「anicca」が誕生しました。料理だけでなく、店の内装も自分たちで手掛けるほど丁寧に作られた空間が、過ごす時間を豊かにしてくれます。
「ご飯をよく一緒に食べに行く仲だったのですが、料理や店の雰囲気などで“いいなあ”と思うものがとても似ていたんです。」と太田さん。
ふたりの世界観を実現できる店を作ろうと、「anicca」が誕生しました。料理だけでなく、店の内装も自分たちで手掛けるほど丁寧に作られた空間が、過ごす時間を豊かにしてくれます。
シェフの高須さんは、神奈川県や都内のイタリアンやフレンチ、カフェなどで腕を磨いた実力の持ち主。ジャンルにとらわれない引き出しの多さと、アート写真家を目指していたというのが納得できる、ビジュアル抜群のひと皿が魅力です。
オープン以来リピーターが絶えない「anicca」。その理由は、おしゃれな雰囲気だけではありません。フレンチをベースにしつつ、旬の素材をユニークに組み合わせた、創意工夫あふれる料理やドリンクも人気の秘密。
「奇をてらっているわけではないんです。新しい味の組み合わせを楽しんでいただけたらうれしいですね。」(太田さん)
「奇をてらっているわけではないんです。新しい味の組み合わせを楽しんでいただけたらうれしいですね。」(太田さん)
例えば、「海藻のブイヨンやアサリとお米のソース」というメニュー。どんな味か想像をかき立てられますが、ひとくち食べれば、「ん!おいしい!」という言葉が自然に出るんです。驚きとおいしさを兼ね備えた料理が、多くのファンを魅了しています。
初夏に食べたくなる、2つの逸品をご紹介
爽やかな前菜「白身魚のスライス、榛(はしばみ)のミルクとカブ」
まずは、薄くスライスした白身魚とカブが花びらのように重なる前菜。
塩漬けしたイサキを軽く燻製したものに、昆布でマリネしたカブを合わせ、自家製クレームフレッシュと、ハシバミのミルクをソースにしています。クレームフレッシュとは、少し酸味のあるサワークリームのようなクリーム。ハシバミは和製ヘーゼルナッツと呼ばれ、砕いた実から作られるミルクは、自然な香ばしさがあり、料理にコクを添えます。
「最初に素材ありきで、表現したい絵を描きます。そこに合わせて季節の食材を重ねていき、一枚の皿から季節が感じられるように塗っていく感じですね。」とシェフの高須さん。
甘酸っぱい味わいが、初夏の時期にさっぱりした前菜として楽しめます。
塩漬けしたイサキを軽く燻製したものに、昆布でマリネしたカブを合わせ、自家製クレームフレッシュと、ハシバミのミルクをソースにしています。クレームフレッシュとは、少し酸味のあるサワークリームのようなクリーム。ハシバミは和製ヘーゼルナッツと呼ばれ、砕いた実から作られるミルクは、自然な香ばしさがあり、料理にコクを添えます。
「最初に素材ありきで、表現したい絵を描きます。そこに合わせて季節の食材を重ねていき、一枚の皿から季節が感じられるように塗っていく感じですね。」とシェフの高須さん。
甘酸っぱい味わいが、初夏の時期にさっぱりした前菜として楽しめます。
華やかな香りとビジュアル「塩漬けした仔牛 南瓜とチーズ」
メインには「塩漬けした仔牛 南瓜とチーズ」を。
軽く塩漬けした仔牛を低温で火入れし、干し草で香りづけて休ませたあと、軽くロースト。カボチャは、杏仁やココナッツのような甘い香りがするトンカ豆や、ビネガー、砂糖でマリネされています。
添えられているのは、やさしい味わいのクルミソースと、自家製の発酵ブルーベリー。ブルーベリーは、少しプチプチした食感が楽しく、フルーティな甘酸っぱさが肉料理によく似合います。
トンカ豆の甘い香り、ローストした肉の香ばしさ、フルーティな酸味。さまざまな個性が合わさったひと皿。それでいて、ひとつのおいしいハーモニーを奏でるのは、シェフの緻密な計算のなせる技。
「甘い・辛い・酸い・苦い・塩味の五味を大事にしています。何かを突出させて表現したり、複雑な構成にしている場合は逆にバランスをとったりしています。」(高須さん)
軽く塩漬けした仔牛を低温で火入れし、干し草で香りづけて休ませたあと、軽くロースト。カボチャは、杏仁やココナッツのような甘い香りがするトンカ豆や、ビネガー、砂糖でマリネされています。
添えられているのは、やさしい味わいのクルミソースと、自家製の発酵ブルーベリー。ブルーベリーは、少しプチプチした食感が楽しく、フルーティな甘酸っぱさが肉料理によく似合います。
トンカ豆の甘い香り、ローストした肉の香ばしさ、フルーティな酸味。さまざまな個性が合わさったひと皿。それでいて、ひとつのおいしいハーモニーを奏でるのは、シェフの緻密な計算のなせる技。
「甘い・辛い・酸い・苦い・塩味の五味を大事にしています。何かを突出させて表現したり、複雑な構成にしている場合は逆にバランスをとったりしています。」(高須さん)
季節を感じるオリジナルドリンクも見逃せない
「anicca」を訪れたら、ぜひ楽しみたいのが、多彩なドリンクメニュー。
造り手や醸造方法にこだわって仕入れた自然派ワインは、高須シェフが作る素材を活かした料理にぴったり。オリジナルドリンクも「小夏柑とカモミールの白いサングリア」や、「山椒と檜のジントニック」などユニークなカクテルがそろっています。
季節を感じられるようなドリンクメニューを作っていきたいとのことなので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
造り手や醸造方法にこだわって仕入れた自然派ワインは、高須シェフが作る素材を活かした料理にぴったり。オリジナルドリンクも「小夏柑とカモミールの白いサングリア」や、「山椒と檜のジントニック」などユニークなカクテルがそろっています。
季節を感じられるようなドリンクメニューを作っていきたいとのことなので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
【次回】高須シェフが通う店:都立大学のビストロ「bistro nid(ニド)」
「anicca」は無常という意味。移り変わっていく季節の変化を楽しみ、常に旬を感じられるような店を目指しているそう。日々の生活のなかで、ホッと心和む時間が過ごせそうですね。
そんな高須シェフが通うお店は、東急東横線・都立大学駅近くの「bistro nid(ビストロニド)」。
「シェフとは前職で一緒に働いており、同い年なんです。店をオープンした時期も近く、いつも刺激を受けています。『スモーキージントニック』が好きでよく飲んでいますね。ロングペッパーを燻して、グラスに香りを付けているんですよ。さっぱりしていて飲みやすく、燻製香もクセになって、とても好きなドリンクです。料理メニューが季節ごとに変わっていくのですが、そこも『nid』さんのステキなところだと思います。」(高須さん)
「anicca」と同じように民家を改装した一軒家ビストロとして、オープン以来人気を博しているお店。都内フレンチの名店で修業したシェフが作る個性豊かなビストロ料理を、次回ご紹介しましょう。
そんな高須シェフが通うお店は、東急東横線・都立大学駅近くの「bistro nid(ビストロニド)」。
「シェフとは前職で一緒に働いており、同い年なんです。店をオープンした時期も近く、いつも刺激を受けています。『スモーキージントニック』が好きでよく飲んでいますね。ロングペッパーを燻して、グラスに香りを付けているんですよ。さっぱりしていて飲みやすく、燻製香もクセになって、とても好きなドリンクです。料理メニューが季節ごとに変わっていくのですが、そこも『nid』さんのステキなところだと思います。」(高須さん)
「anicca」と同じように民家を改装した一軒家ビストロとして、オープン以来人気を博しているお店。都内フレンチの名店で修業したシェフが作る個性豊かなビストロ料理を、次回ご紹介しましょう。
取材・文・一部撮影:OdanakaMasako
※ 記事の内容は、公開時点の情報です。記事公開後、メニュー内容や価格、店舗情報に変更がある場合があります。来店の際は、事前に店舗にご確認いただくようお願いします。
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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
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