ライター : 塚本 晴香

管理栄養士 / webライター

きくらげの栄養と効果効能

栄養と効果効能

  1. 骨の健康を保つ「ビタミンD」
  2. 赤血球の材料「鉄」
  3. 便秘対策に役立つ「食物繊維」

骨の健康を保つ「ビタミンD」

きくらげ(ゆで)には、100gあたり8.8μgのビタミンDが含まれています。

ビタミンDの主な作用が、カルシウムの吸収促進です。そのため、骨や歯の健康を保つのに役立ちます。また、脂溶性ビタミンなので、炒め物や揚げ物などにして油と一緒に摂取すると吸収率が上がりますよ。(※1,2)

赤血球の材料「鉄」

きくらげ(ゆで)には、100gあたり0.7mgの鉄が含まれています。

鉄は、赤血球を作る際に必要な栄養素です。赤血球は、全身に酸素を運ぶ重要なはたらきがあります。そのため、鉄が不足し貧血になると、頭痛や無力感だけでなく思考力が低下するおそれも。

また、鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。植物性であるきくらげに含まれているのは、吸収率が低い非ヘム鉄。非ヘム鉄はビタミンCと組み合わせることで吸収が促進されますよ。(※1,3)

便秘対策に役立つ「食物繊維」

きくらげ(ゆで)には、100gあたり5.2gの不溶性食物繊維が含まれています。

食物繊維とは、人の消化酵素では分解できない食物中の成分のこと。水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があり、きくらげの食物繊維はすべて不溶性です。

不溶性食物繊維には、便のカサを増やす作用があり便通を促進します。また、腸内細菌のエサとなり善玉菌が増えるため、腸内環境を整えるはたらきもありますよ。(※4,5)

きくらげと白きくらげの栄養の違い

カロリー糖質ビタミンD食物繊維
きくらげ(乾燥)216kcal13.7g85.0μg35.0mg57.4g
きくらげ(ゆで)14kcal0.0g8.8μg0.7mg5.2g
白きくらげ(乾燥)170kcal5.8g15.0μg4.4mg68.7g
白きくらげ(ゆで)15kcal0.3g1.2μg0.2mg6.4g
(※1,6,7,8)
きくらげには大きく分けて、黒い「きくらげ」と白い「白きくらげ」の2種類あります。それぞれの栄養に違いがあるのか、100gあたりで比較してみましょう。

まず、ゆでより乾燥のほうが各栄養素が多いのは、水分が少ない分栄養素がぎゅっと凝縮されているため。また、ビタミンDと鉄は白きくらげよりきくらげのほうが圧倒的に多いことがわかります。食物繊維に関しては、白きくらげのほうがやや多いですね。

【Q&A】きくらげは食べ過ぎるとどうなる?

A:便秘が悪化するおそれがあります。

きくらげに豊富な食物繊維は、適量であれば便秘対策に役立ちます。しかし、あまりに摂り過ぎるとガスがたまったりお腹がはったりして、便秘の種類によっては悪化させてしまうおそれも。食感が楽しくておいしいきくらげですが、あまりに過剰に食べるのはやめましょう。(※9)
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