カジュアルな茶器

中国茶にはもっとカジュアルにお茶を楽しめる茶器があります。それは、蓋の付いた茶碗「蓋椀(ガイワン)」と呼ばれるもの。日本茶用で見られる上から被せるタイプの蓋付き茶碗とは異なり、蓋がお椀の中に位置する形になっています。直接茶葉を入れて抽出し、蓋をずらして飲んだり、茶杯に注ぎ分けて使うのが一般的です。

中国茶器と台湾茶器

中国茶の中でも、島国ゆえに独自の発展をしてきた台湾茶。中国茶と同じように茶壺(チャフー)や茶杯(チャハイ)を使った飲み方もされるのですが、茶葉の種類を選ばず気軽に楽しめる「蓋椀(ガイワン)」がよく使われているようです。磁器に釉薬(うわぐすり)がかけられているので、茶器が茶葉の香りを吸うという事がないのも使いやすいですね。

茶器の選び方

素材

もっとも一般的な磁器製をはじめ、陶器製や鉄製、ガラス製、手軽なプラスチック製のものなど茶器の素材は種類もたくさん。中国茶器の中にもガラス製のものが出てきていますよ。鉄器は味を引き立てるなど、素材によっても味が変わると言われています。ただし素材によってはお茶の色移りにも注意が必要ですよ。

ブランド

茶器にはそれぞれ名産地があります。日本茶の陶磁器では焼き物としてもよく知られるブランド、美濃焼・信楽焼・備前焼などがあります。鉄器では南部鉄器や加賀鉄瓶が有名ですね。 中国茶器も産地によってブランド化されており、磁器の景徳鎮(けいとくちん)や潮州(ちょうしゅうし)、陶器の宜興(ぎこう)などがあります。特に景徳鎮(けいとくちん)は、世界的にも有名な磁器の産地であり、高価なものが多いのが特徴です。

見た目

日本茶器も中国茶器も色や形・絵柄はさまざまありますが、使い勝手や好みで選ぶのがいちばんいいですよ。 中国茶器の茶壺(チャフウ)には、「朱泥」と呼ばれるくすんだ朱色で、きめ細かく柔らかい質感が特徴的なものがあります。朱泥茶器に合う茶葉は緑茶・ウーロン茶・プーアル茶とされており、好きな茶葉によって決めるのもいいかもしれません。他には、特殊な2重の気孔構造を持つ土色の「段泥」と呼ばれるものもあり、こちらは紅茶にもおすすめのようです。
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