ライター : ayuren

ママライター / 主婦 / OL

「甘茶(アマチャ)」ってどんなもの?

甘茶とは、ユキノシタ科の落葉低木ガクアジサイの変種である「アマチャ」の葉を乾燥させて煎じ出した飲み物のことです。 ウリ科のつる性多年草である「アマチャヅル」の葉を使ったお茶も甘茶と呼ばれることがありますが、本来の甘茶は「アマチャ」の葉を使ったお茶のことなのですよ。黄褐色で甘みが強く、食品の甘味料とされることもあるのです。 また、甘茶は花祭りの際に仏像に注ぎかけるものとして古くから用いられていますよ。

甜茶との違い

甜茶とは、中国茶の中でお茶としての植物とは違った植物の木の葉などから抽出した甘いお茶の総称のことです。甜茶は中国茶の一種でもあり、薬草茶のひとつでもあるのですよ。最近ではバラ科の甜茶が店頭に並んでいるのをよく見かけるのではないでしょうか。 甘茶も甜茶も甘みがあるお茶ではありますが、そもそも原料が違いますね。甜茶が中国古来の飲み物であるのに対して、甘茶は日本古来から飲まれているお茶なのです。

花祭りに欠かせない!

花祭りとは

花祭りとは、毎年4月8日に行われる仏教の開祖であるお釈迦様の誕生を祝う行事のことです。 お釈迦様が生まれた場所は、たくさんの花に囲まれていたそうで、誕生日の4月8日にはたくさんのお花を供えるようになり、このことから「花祭り」と呼ばれるようになったと言われています。「灌仏会(かんぶつえ)」、「仏生会(ぶっしょうえ)」などと呼ばれることもありますよ。 日本には7世紀ごろに中国から伝わり、お寺の行事としておこなわれてきたのです。花祭りでは、花御堂の中で誕生仏像に柄杓で甘茶を掛けてお祝いするのですよ。

なぜ甘茶をかける?

お釈迦様が生まれたとき、九頭の竜が天から芳しい甘露を吐いて産湯を満たしたと言い伝えられています。江戸時代までは、花祭りには五色水と呼ばれる香水が使われていたそうですが、しだいに甘茶を甘露に見立てて用いるようになったと言われているのですよ。 花祭りは赤ちゃんの健康を願うお祭りでもあり、甘茶で赤ちゃんの頭をこすると丈夫な子に育つとされているのです。

発酵が要!甘茶の作り方

アジサイの花が咲くのは5~6月ですが、茶葉の収獲は8月のお盆の頃~9月初頭の頃におこないます。収獲した茶葉はきれいに水洗いしましょう。この段階のアジサイの葉は実はとっても苦いのですよ。発酵させることで、砂糖よりも100倍甘いと言われるお茶になるのです。 きれいに洗ったあとは、茶葉を湿らせた状態でむしろをかけて発酵させます。湿らせた茶葉を積み重ねて容器に詰めても発酵させることができますよ。あとはひと昼夜放置すれば、発酵が進みます。 蒸れて熱くなった茶葉をむしろに広げてよく揉みましょう。あとは、日に干して乾燥させれば甘茶のできあがりです。

甘茶の飲み方と味わい

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ