ライター : dressing

浅草橋の名店『柳ばし鳥茂』裏に「サンドイッチ専門店」がオープン

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問屋が軒を連ね、下町情緒が感じられる街・浅草橋。そんな浅草橋で駅近ながら裏路地でひっそりと営業するのは、2017年11月11日にオープンしたサンドイッチ専門店『SHIGERU KITCHEN』 (シゲルキッチン)だ。 同店があるのは浅草橋の中でも「柳橋」という、江戸時代には繁華街として栄えていた地域。そんな柳橋で創業50年以上の歴史を誇る焼鳥店『柳ばし鳥茂』(以下、鳥茂)を継ぐ、原田久美子さんがオープンさせた一軒。そのためフィリングに『鳥茂』の名物のつくねを使用するなど、老舗の味をサンドイッチという洋のスタイルに落とし込んでいる。 サンドイッチには昭和17年創業の老舗ベーカリー・浅草の『ペリカン』の食パンを使用。地元の名店揃い踏みのサンドイッチで、地元住民だけでなく、食への感度が高い人々の興味を強く惹いている。

柳橋で生まれ育った店主だからこそできた一軒

店主の原田さん(写真上)の祖父は、戦後間もなく東京・新宿で『鳥茂』を開業。その味を原田さんの父が受け継ぎ、柳橋に『鳥茂』をオープンさせ、昔ながらの常連客や遠方からのお客を掴んでいる。 現在も『鳥茂』の店舗に出る原田さんだが、並行してサンドイッチ店をオープンさせた理由を「昔からサンドイッチが好きだったから」と笑って話す。一方で「サンドイッチは小さなお子さんから女性、男性まで、幅広い方々に気軽に楽しんでもらえます。サンドイッチを足がかりに『鳥茂』に足を運んでいただけるきっかけにもなれば」と続ける。 また『ペリカン』のパンを使用するのは「子供の頃から浅草でパンと言えば『ペリカン』だった」(原田さん)ため。昔からなじみ深く、食べ慣れていたパンでサンドイッチを作りたいと考えたという。

伝統の味『鳥茂』秘伝のタレで、つくねを仕上げていく

サンドイッチに使用するつくねは、『鳥茂』と同じものを使用。鶏、豚、牛のミンチ肉とタマネギを加え、つなぎを一切入れない肉々しさが特徴だ。『鳥茂』では炭火で焼くが、同店ではスチームオーブンで焼成。肉々しさはありつつも、ふっくらとした食感に仕上げている。
つくねはタレと塩があり、タレももちろん『鳥茂』秘伝のタレを用いる。甘すぎず、後味がさっぱりとしているため、食べ進めても重たくならないのがうれしい。焼き上がったつくねをフライパンでタレを絡めながら再度焼くことで、香ばしさが増し、食欲を刺激する。

タルタルソースにぬか漬け!? 老舗の“隠れた名作”を活かす

パンの表面に塗るタルタルソースにも、ちょっとした工夫が。ピクルスの代わりに、『鳥茂』で漬けている「きゅうりのぬか漬け」を使用しているのだ。 「ぬか漬けは、『鳥茂』の“隠れた名作”と呼ばれていて、常連のお客さまから好評をいただいています。こうした隠し味で『鳥茂』の味をつなげました」と原田さんは話す。

大きく口を開けてかぶりつきたい! とびきりの「つくねサンド」

「鳥茂のつくね たれ」(写真上)は売り切れ必至の看板メニュー。『ペリカン』のパンは弾力のある食感で、食べごたえも十分だ。サンドするのはきゅうりとたっぷりのレタスに、『鳥茂』のレシピで作られたつくね。1つ150gのボリュームは、男性でも満腹になるほどだ。
断面でわかるこのボリューム感! つくねは食感こそふわっと優しいが、肉のうまみがぎゅっと詰まっている。香ばしさ漂うタレの風味も相まって、夢中でほおばってしまう。またシャキシャキとしたレタスの食感もアクセント。時折り感じるぬか漬けのほどよい酸味が絶妙だ。 気取らずに、大口を開けてすべての素材を一緒に味わいたい。

付け合わせのペンネサラダも入った、満足度の高いワンボックス

サンドイッチにはペンネときゅうり、しめじ、ベーコンを独自にブレンドしたソースで和えたシンプルなペンネサラダ付き。ペンネの上には特製のラタトゥイユがのっているのも珍しい。 サンドイッチのボリュームと合わせ、こんもりと盛られたデリ付なのも人気の理由となっている。
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