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開店2時間前から大行列!?
この記事は、豊かなフードライフを演出するWEBメディア「dressing」の提供でお送りします。
ハワイの人気パンケーキ店『Eggs ‘n Things(エッグスンシングス)』が原宿に上陸し人気を博したことがきっかけといわれる、パンケーキブーム。その人気は今もなお続き、とどまるところを知らない。
昨年2017年にオープンした、注目のパンケーキ店を紹介しよう。8月1日の開店以来、「目に見えない行列」を作り続ける喫茶店『紅鶴』である。
開店時間中に行列ができるのではない。12時オープンだというのに、店の前には2時間も前から人が並んでいる。聞けば、11時30分からの予約受付を待っているのだとか。あまりの人気ぶりと、1度にたくさんのパンケーキを焼くことができないという理由から、当日分のみ時間制で予約販売となったのだ。
老舗喫茶店をリニューアル! 和カフェ『紅鶴』の名物「トロふわパンケーキ」
実は、『紅鶴』の前身は浅草で50年以上も愛された喫茶店『フラミンゴ』。オーナー・蒔田昌二さんの引退後、息子の蒔田昌仁さんが受け継ぎ、店内を大胆に改装。カウンターのある板前スタイルな和カフェとして再オープンした。
パンケーキ専門店と紹介されることも多いが、『紅鶴』はあくまでも『フラミンゴ』同様、喫茶店であるということは変わらない。上質な珈琲に合う一品として、パンケーキを提供している。
行列は女性客ばかりだけど、実はおじさん向けパンケーキだった!?
蒔田昌仁さん自身、ハワイを訪ねた際は有名なパンケーキ店に足を運ぶなど、大のパンケーキ好き。日本国内でも趣味で食べ歩いていたが、「どうも、おじさんは入りづらいんですよ(笑)。内装が女性向けだったり、味もクリームが甘くて胸やけしたり」。
自分が食べておいしく、男性や年配の方でも気軽に楽しめるパンケーキを作りたいという思いから大人の“和パンケーキ”作りがスタート。一般的には小麦粉とグラニュー糖を使うところを、軽めの食感に仕上げるため米粉とさっぱりとしたきび砂糖を合わせた。トッピングはメープルシロップではなく、自然な甘みの蜂蜜を採用。パンケーキを食べている満足感がありつつも、胃が重たくならないパンケーキを追求した。米粉を利用したことでグルテンフリーになったこともあり、結局は、食にアンテナをはる女性から口コミが広がり、爆発的な人気となった。
『紅鶴』のパンケーキの人気の秘密は、フォトジェニックな“重なり”にある。厚みがあるパンケーキの3段重ねだ。試作段階では2段だったが、見た目の良さから3段に。
ふわふわととろけるような食感も、パンケーキの魅力のひとつだ。1人前につき卵を2個使用し、メレンゲをたっぷり立ててから黄身の濃い生地とさっくり混ぜ合わせる。
1度に焼けるのは2人分。計6枚分の生地を銅板にそっと置くように乗せて、じっくりと蒸し焼き。熱が均一に入り、徐々に生地がぷぅっと膨れてくる。パンケーキを目の前で焼くスタイルは珍しい。「お寿司や天ぷらのように、パンケーキも臨場感があったら面白いと思って。目で見て、香りをかぎながら、焼き上がるのを楽しんでほしくて」(昌仁さん)
王道メニューの「蜂蜜とバター」(写真上)に「季節の果物」を添えて。バニラがほんのり香り、塩味のきいたパンケーキに、有塩バターと蜂蜜をたっぷりまとわせる。できたてはとろけるようなやわらかさだ。写真を撮りたくなる気持ちはわかるが、立ち上がる湯気が消えないうちに食べよう。
たったひと口でも、これまでのパンケーキと一線を画すことは明白。日本人がDNAレベルで好む“甘じょっぱさ”をパンケーキで表現しているのだ。海を渡ってきたはずの料理が、昌仁さんの手によって、安堵感のある味に仕立てられている。最初は3枚の重なりに圧倒されるかもしれないが、その食べやすさからあっという間に完食だ。
卵好きにはたまらないお食事パンケーキ「ベーコンと目玉焼き」
ランチやディナー時に予約が取れたら、ガッツリ系のパンケーキをいただきたい。なんでも、「山形県から噂を聞きつけて食べに来た。待っている間に観光でもしようかな」という猛者まで現れた究極のお食事系パンケーキがあるという。
見よ、このシズル感満載の「ベーコンと目玉焼き」(写真上)を。エッグベネディクト風に作られたオリジナルパンケーキだ。たっぷりかかった黄色のソースは、オランデーズソースをアレンジした酸味のある特製ソース。目玉焼きはてっぺんとパンケーキの間に1枚挟まっているという、卵づくしの贅沢な逸品だ。
カリカリに焼いたベーコンの塩気に、マーマレードの甘酸っぱさが抜群のハーモニーを奏でる。甘さとしょっぱさの程よい組み合わせで、食べる手がとまらないおいしさだ。
終盤で黒コショウを振ると、風味も増してGOOD。
ドリンクは、目の前で果実を搾るフレッシュジュースやアルコール類も用意。なかでもこだわりのコーヒーは、『フラミンゴ』時代から取り寄せている『コクテール堂』のエイジングコーヒー。酸味と苦みのバランスが良く、パンケーキとの相性は言うまでもない。単品注文も可能なので、コーヒー好きも足を運ぶ価値のある一杯だ。
「今後は、せっかくカウンターがありますから、ジュー、パチパチといった音も楽しんでもらえるような、五感を使って味わうパンケーキを作りたいです」(昌仁さん)
現状、スタッフを増やすなど対応も検討しているが、予約方法はオープン30分前からの店頭受付のみ。平日は列も穏やかだが、休日は開店前に販売数が終了することがほとんど。しかし『紅鶴』は、行列の不便ささえも、うまさを助長させる最高のスパイスだと思わせる。洗練されたふわトロ感と、和の甘じょっぱさを兼ね備えた特別なパンケーキを食べられるのは、ここだけなのだから。
【メニュー】
パンケーキ:蜂蜜とバター 1,000円
パンケーキ:ベーコンと目玉焼き 1,300円
トッピング:季節の果物 500円
※価格はすべて税込
紅鶴(べにづる)
住所:〒111-0035 東京都台東区西浅草2-1-11
電話番号:03-3841-3910
営業時間:12時~21時(11時30分より、店頭にて当日分の予約受付)
定休日:水曜
ぐるなび:https://r.gnavi.co.jp/fx9xu1330000/
上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。
提供元:
▼パンケーキの進化が止まらない!
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