ライター : 堀田 らいむ

webライター

コーヒー通なあなたに

「コーヒーをいれる」ちょっと不思議なタイトルのこの記事をご覧いただいたあなたはきっとコーヒーが好きなのではないでしょうか。今日はそんなコーヒー通のあなたに、コーヒーを「いれる」お話をご紹介したいと思います。コーヒーあんまり飲まないけど……っていう方も雑学として使える日があるかも?日本語の奥深さを知ってコーヒーをもっとおいしく楽しめるようになるでしょう。

コーヒーをいれるって何?

一般的にコーヒーって「つくる」とは言いませんよね。コーヒーは「いれる」が正しい日本語の使い方となっています。では、コーヒーを「いれる」という表現は、どこからきているのでしょうか……。実は、日本のお茶文化からきているんです。
日本にコーヒーが入ってきたのは、足利時代にキリスト教を伝えたポルトガル人やスペイン人が始まりといわれています。諸説ある中でも江戸時代、長崎の出島にオランダの商人が持ち込んだのが有力な説と言わ、明治時代には、文明開化の流れの中でコーヒーも次第に洋食料理屋などで提供されるようになっていきました。
とはいえ、新しい飲み物をつくることをなんと言うのか、昔の人たちは困ったことでしょう。茶の葉からお茶をつくる歴史は長いですが、豆から飲み物をつくるとは……。葉と豆という点は違いますが、どちらもお湯を注いで抽出するのは一緒です。そこで日本に元々あるお茶の言い方がコーヒーにも合うということから、コーヒーの作り方をイメージしやすい言葉として「コーヒーをいれる」というように言われるようになったようです。

コーヒーを入れる、淹れる、煎れる??

それでは、今回の本題であるコーヒーをいれるの「いれる」とはどんな漢字を書くのでしょうか。よくメールで打つときに予測変換に出てくる漢字はどれが正しいのでしょうか。実は、「いれる」の漢字によって意味が少しずつ違っているため、使い分けが必要だったんです。

入れる

一番簡単な漢字である「入れる」は、「淹れる」「煎れる」両方の意味を持ち合わせた言葉です。「入れる」と言う場合には抽出過程だけではなく、カップに注ぐという意味合いでも使われているので、漢字に迷った時には一番無難でしょう。

淹れる

「淹れる」は、急須にお湯を注いでお茶を出す時の「淹れる」の使い方です。「淹」の字は火から降ろしたお湯を急須に入れた茶葉に注ぎ、お湯に葉を浸してお茶を作ることを意味しています。この「淹れる」の使い方は、金属製のフィルターでコーヒーをいれる「フレンチプレス」によるコーヒーのいれ方に近いでしょう。

煎れる

「煎れる」の「煎」の字は、お茶の葉を「煎じる(せんじる)」と言う意味で、沸騰したお湯で煮出すことを指しています。コーヒーでは、アウトドアでコーヒーを飲む時によく使われるパーコレーターでの抽出や、鍋でコーヒーからそのまま煮出す手法であるターキッシュコーヒーの抽出過程が似ていますね。
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