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歴史
味の素の主成分であるグルタミン酸ナトリウムは、化学者であった池田菊苗教授によって発見、創業者の二代目鈴木三郎助によって商品化されたと言われています。
「すっぱい」「甘い」「しょっぱい」「辛い」の4つの味覚しかなかった戦前、それ以外の味を「うま味」と名付け、昆布のうま味成分がグルタミン酸ナトリウムであることを発見したのがはじまりだそうです。
その後1907年、研究に研究を重ねた結果、昆布からうま味成分だけを抽出することに成功させ、同時にこのグルタミン酸ナトリウムがアミノ酸の一種であることも分かったのだそうです。翌年の1908年にグルタミン酸ナトリウムを主成分とする調味料の製造方法を発明し、特許を取得したことで今日の「味の素」が生まれたのだそうです。
現在では、この「うま味」は「UMAMI」という呼称で世界中に親しまれています。
グルタミン酸ナトリウムは体に悪い?
昆布由来のうま味成分、グルタミン酸ナトリウム。耳慣れない言葉なので「体に悪いんじゃないの?」「病気の発症リスクは?」などと気にされる方も多いかと思いますが、実際のところはどうなのでしょうか。
結論から言うと、グルタミン酸ナトリウムが体に直接悪影響を与えることはありません。ですが、味がしっかりとつくため、子供に与えすぎると濃い味のものしか受け付けなくなって味音痴になる可能性があります。大人でも、過剰摂取しすぎると塩分過多になる場合があるため注意が必要です。
グルタミン酸ナトリウムは、昆布やかつお節、干ししいたけなどいろいろな食品に含まれている成分と同じ「うま味」として蓄積されるので、体に悪影響を与えるということはありません。過剰摂取は良くありませんが、常識の範囲内で継続的に使用する分には問題ないと言えるでしょう。
過去にはこんな事件もあった!
2000年(平成12年)、インドネシアで「味の素」の原料にイスラームでは禁忌されている豚肉が使用されている噂が流れたことがありました。
結果的には材料に豚肉や豚肉由来の成分は使用されていませんでしたが、発酵菌の栄養源を作る過程で豚肉由来の酵素が使用されていたため、現地法人の社長が逮捕され、味の素製品はインドネシアの食料品店から一斉に姿を消したことがあったのです。
その後、翌年の2001年(平成13年)2月に商品の回収がすべて終了し、使用する酵素を変更したことによって再び販売許可が下り、現地の社長も釈放され、製造販売を再開したのだそう。
日本ではあまり、牛や豚かなど気にしなくてもお国柄や宗教的な違いによってこのような大きな問題に発展するのですね。
昔は石油由来の成分を使っていた?
インターネットで「味の素」と検索すると、「石油」や「害」などのネガティブなキーワードが並んで出てくるのが気になります。でも、現在の「味の素」はさとうきびから作られているグルタミン酸ナトリウムが主成分となっているため心配はいりません。
しかし、確かにネットで書かれている通り、過去には石油由来の成分を使っていた時代もあったのだそうです。1950年代には石油由来の成分を使って味の素は作られていました。1960年代に入るとその影響で健康被害を訴える人が続々と増え、その有害性が社会的に問われたのです。
そのため当時の「味の素」の成分を調査したところ、微量ながらもタール由来の不純物が残留していることが発覚し、一時期「味の素」のイメージはガタ落ちだったそうです。確かに、タールを摂取していたなんてことが発覚したら、なかなかそこの商品を継続的に使用しようとは思いませんよね。
その後はさとうきびを原材料とするグルタミン酸ナトリウムから生産する手法に切り替え、現在もその製法で作られているので安心してくださいね。
「味の素」で調理時間を賢く時短しよう
日本人なら誰もが知っている万能調味料「味の素」の成分と歴史、いかがでしたか。色々な歴史を経て、今では体に安心な原材料から作られている日本のみならず、世界的にも有名になっているうま味調味料です。
さっとかけるだけで料理の風味やコクが深まり、調理時間の短縮にもつながる「味の素」。働く女性が増えてきた昨今、このような時短アイテムは本当に助かりますよね。
毎日の食卓に味の素を上手に取り入れて、時間と心に少しゆとりが持てる、豊かな生活を送ってみませんか。
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