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魚に痛覚はある?記事のまとめ
- 魚に痛覚はないと言われていたが、近年の研究によってさまざまな議論がされている
- 魚に痛みを感じる能力があるとされているが、それが人間のような苦痛を感じるような痛みかはわかっていない
魚に痛覚はあるの?ないの?
釣りをするときや生きた魚を捌くとき、また踊り食いをするときなど、魚に痛覚があるのかどうか気になったことはありませんか?
結論からご紹介すると、魚には痛覚があるとされていますが、それが人間のような苦痛を伴う痛みかどうかは分かっていません。以下では詳細をご紹介します。
結論からご紹介すると、魚には痛覚があるとされていますが、それが人間のような苦痛を伴う痛みかどうかは分かっていません。以下では詳細をご紹介します。
魚に痛覚はないといわれていた。その理由とは
魚の痛みを否定する論文いくつかあります。
2016年にBrian Key氏によって発表された論文では、魚に人間と同じような痛みを感じる機能があるかを検証。結果、そのような機能は魚類の脳には欠けていると結論付けています。また行動研究では、手術、釣りなどの処置で、魚は痛みを感じているかのように行動しないことが明らかになっています。(※1)
2016年にBrian Key氏によって発表された論文では、魚に人間と同じような痛みを感じる機能があるかを検証。結果、そのような機能は魚類の脳には欠けていると結論付けています。また行動研究では、手術、釣りなどの処置で、魚は痛みを感じているかのように行動しないことが明らかになっています。(※1)
実験の結果、痛みはあるとする論文も
魚に痛みはあるとする論文のひとつは、2003年にLynne U. Sneddon氏によって発表されています。研究では、ニジマスに酸や蜂毒を注射すると行動が抑制され、モルヒネを投与すると行動が回復。これは魚が痛みを感じ、それに対して行動を変化する能力があることを示しているとしています。(※2)
釣りや捌かれるとき痛い?魚の調理方法にも物議
魚は痛みを感じることができる、できない両方の意見がありますが、いずれにしても分かっていないのが「苦痛を伴う痛みはあるかどうか」。つまり痛みを感じ取ることはできても、それを人間のように苦痛に感じているかどうかは不明というわけです。
痛がっているように見える行動は単なる「反射」という意見、痛みによって苦しんでいるという意見の両方があります。
痛がっているように見える行動は単なる「反射」という意見、痛みによって苦しんでいるという意見の両方があります。
日本に根付いた踊り食い文化
日本国内はもちろん、海外でも物議があるのが踊り食いの文化。白魚の踊り食いや活き造りなどの調理法は、「残酷な食べ方だからやめるべきだ」と批判的な声も上がっていました。しかし踊り食いは日本の文化である、魚には痛覚がないから問題ない、ということを理由に肯定する意見も。
今後魚に苦痛を伴うような痛覚があることがわかった場合は、踊り食いのような調理法は少しむずかしくなってくるのかもしれません。
今後魚に苦痛を伴うような痛覚があることがわかった場合は、踊り食いのような調理法は少しむずかしくなってくるのかもしれません。
魚の痛覚についてはさまざまな意見がある
ご紹介したように、魚の痛覚についてはまだまだ分かっていないことも多く、さまざまな意見があります。近年は「痛覚はあるが、それが苦痛を伴うような痛みかは不明」という答えが主流。今後さらに研究が進めば、痛覚についてより詳細な情報がわかるかもしれません。
【参考文献】
(2025/05/26参照)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
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