
ライター : kamomm
定番よりも、つい珍しいものを選んでしまうのは ひねくれ者でしょうか……。 モノも食も、ちょっと癖のある方へ近寄りたがり。
漢字でズワイガニ書けますか?
冬はカニのおいしい季節。カニは、茹でたりお鍋にしたりお刺身で食べたりと、ちょっと高価ですが、多くの人から人気の食材。食べ始めるとつい無口になって、ひたすら身を食べることに集中している様子を目にしたり……。お料理によって、使われる蟹もいろいろですよね。
ところで、「楚蟹」は、どんな蟹かご存知でしょうか。ソガニ?いいえ、違うんです。
正解はズワイガニ。片仮名でズワイガニと書く印象が強い方も多いかもしれませんが、漢字で書くとこのように書きます。蟹の前についている「楚」とは、また、なぜ「楚蟹」と書くようになったのか、詳しく調べてみましたよ。
「楚蟹」のはじまり
「楚」の漢字について大辞林で調べてみると、「木の枝や幹からまっすぐ伸び出た、若く細い小枝。」と記載があり、また、楚の読み方は、現在のズワイではなく、すわえ、またはずわえや、すばえと読むとありました。
ズワイガニの脚が、細い木の枝のようであることから、当初スワエカニと呼ばれていたのが、いつのまにかなまって、現在のズワイガニになったと言われています。
「顰蹙」もズワイガニ?
ところで、「顰蹙」は何と読みますか?
正解は、ヒンシュクです。知ってるよと思われたかもしれませんが、実はこの「顰蹙」もズワイガニと読むという説があるんです。そんな話を聞いたことありますか?
顰蹙をズワイガニと読むなんて、ズワイガニが顰蹙を買うほど高価だったからか、それとも、ズワイガニの顔が顰蹙を買うほどひどかったからでしょうか?
結論から言うと、「顰蹙」はズワイガニとは読みません。この誤った情報は、あるネットの掲示板で、「顰蹙」の読み方を尋ねた質問者に、ズワイガニですよ!と答えた人がいたためだと言われています。このことがあってから、ネットの掲示板で難しい漢字が登場すると、全て蟹に置き換えて読む風潮が今でもあるみたいですよ。
くれぐれも、メールや手紙に「先日、顰蹙を買いました」と書かないようにしてくださいね。
楚蟹の足はそんなに細いのか?
枝のように細い足の様子から楚蟹と表記されるようになったいうズワイガニ。日本でよく食べられている毛ガニやタラバガニの脚と比較して、その細さを確かめてみました。
ズワイガニ
ズワイガニの甲羅は平均10〜15cm、脚を全て伸ばしても70cm程度といいます。全体的にツルツルとした光沢があり、根元から先までまっすぐ伸びる脚は、確かに木の枝のように見えます。
ちなみに余談ですが、京都の「松葉ガニ」もズワイガニの一種。松葉というと、針のような細い状態を思い出し、ズワイガニの特徴とも一致します。しかし、松葉ガニの名前の由来は、ズワイガニの細く伸びる脚の特徴だけが理由という説と、漁師が調理をする際に、燃料に松の葉を使ったからという説もあるんですよ。
毛ガニ
甲羅の大きさは、ズワイガニとほとんど変わらない毛ガニですが、ズワイガニの根元から先まですらりと伸びた脚とは異なり、ずんぐりとした見た目と合わせて、脚も太めです。
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※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出は控えましょう。食料品等の買い物の際は、人との距離を十分に空け、感染予防を心がけてください。
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