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柚餅子(ゆべし)とは?
柚餅子(ゆべし)には名前に柚が入っているので、必ずゆずが使われているかと思いきや、地域によっては入らないものもある様子。もっとくわしく柚餅子について調べてみましょう。
源平時代に生まれた柚餅子
まずは、柚餅子の歴史からみてみましょう。柚餅子が生まれたのは、11世紀末から12世紀ごろの源平時代といわれています。もともとは保存食や携帯食として親しまれてきました。どのようなものだったかというと、ゆずの実の中身をくりぬいた中に、米粉やお味噌・木の実などを詰めて蒸し、それを干して乾燥させたものでした。
ゆずの香りがたち、甘さとほろ苦さが混ざった何ともいえない奥深い味わいの柚餅子。現在でも、珍味としてお酒のつまみに重用されています。また、それとは区別してお菓子としても変化していったものもあり、地域ごとでさまざまなタイプの柚餅子が生まれていきました。
柚餅子の名前の由来
柚餅子という名前は、一説によると農家で子どものおやつとして食べられていたものに由来しているようです。そのおやつとは、お米の収穫時にできる壊れたお米を米粉にして、お醤油やお砂糖と合わせたものを丸めて蒸したもの。蒸す前に上から2本の指でぎゅっと押して飾りをつけていたそうです。”指で押した”というところから、”ゆべし”と名づけられました。
柚餅子の種類
和菓子としての柚餅子は、東日本・東北と西日本とでは味も見た目もまったく異なります。地域ごとで違う味わいの柚餅子をもっとくわしくみてみます。
くるみ柚餅子
和菓子としての柚餅子の中でポピュラーなのが、くるみ柚餅子ではないでしょうか。ゆずは使われておらず、くるみの餅菓子を指します。東の地域では新鮮なゆずを入手できなかったために、くるみで代用したのがはじまりとされているとか。くるみの歯ごたえと素朴な味わいが魅力です。
丸柚餅子
丸柚餅子は、ゆずの中身をくりぬき、そこにもち米粉と柚皮や砂糖を混ぜたものを蒸して半年ほど乾燥させたもの。手間と時間のかかる貴重なお菓子です。代表的な産地は石川県輪島市。ほかにも丸柚餅子を作る地域はありますが、それは輪島塗の行商人がお土産として方々に広めていったためといわれています。薄くスライスして皮ごと食べられるほか、お料理の風味づけとして使うのもおすすめの食べ方です。
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