最新のファン式に搭載される「ハイブリッド冷却」とは

最近の中型以上の冷蔵庫には、ファン式に独自の技術を組み合わせた「ハイブリッド冷却」が続々と登場しています。

これはファンで全体をムラなく冷やしつつも、冷却パネルなどを活用し、直冷式のように食材をやさしく包み込むように冷やす仕組み。特に乾燥しやすいチルド室で食材の鮮度をキープするのに役立っています。

ハイブリッド冷却はファン式最大の弱点だった「乾燥」を克服し、さらに電気代を抑える高い省エネ性も実現。ファン式の利便性と直冷式の鮮度保持を両立させた、まさにいいとこ取りの技術といえるでしょう。

食材の保存期間を延ばしたい方や、より高い省エネ性を求める方は、各メーカーが打ち出す独自のハイブリッド技術を比較検討してみてくださいね。

ペルチェ式のメリット・デメリット

特徴詳細
メリット・振動や音がほとんどない(静音)
・コンパクトで狭い場所にも置ける
・フロンガスを使わず環境にやさしい
・霜取りが基本的に不要
デメリット・冷却パワーが弱い(外気温に左右される)
・大容量には向かない
・冷やす効率に対して電気代が割高になることも
ペルチェ式は、コンプレッサー式特有の作動音や振動がほとんどありません。そのため寝室や書斎に置くのに最適です。

ただし、冷却能力はあくまで「保冷」に近いレベル。外気温が高い夏場は、キンキンに冷やすのがむずかしい場合もあります。生鮮食品を長期保存するメインの冷蔵庫としてではなく、飲み物専用のサブとして使うのが一般的です。

どの冷却方式が向いている?ライフスタイル別に解説

ひとり暮らし・単身世帯の場合

おすすめ:ファン式

ひとり暮らし用に多い100〜150Lクラスには、直冷式とファン式両方の冷蔵庫があります。 「自炊はあまりしない」「とにかく安く済ませたい」という方は、安価な直冷式でも十分です。

ただし「少しでも自炊をする」または「霜取りは面倒」という方は、少し予算を上げてファン式を選ぶのがおすすめ。

霜取りの作業時間は霜の量や季節にもよりますが、数時間から半日程度かかることもあります。手間に感じるかもしれませんが、霜が薄いうちにヘラでこまめに取り除けば、大幅に作業時間を軽減できますよ。

ご自身のライフスタイルのなかで、この「ひと手間」を許容できるかどうかも検討のポイントにしてみてくださいね。

小〜中規模の世帯(2〜3人)/作り置き・料理頻度高めの場合

おすすめ:ファン式 一択

食材のストックが増えるご家庭では、庫内を均一に冷やし、頻繁な開け閉め後もすぐに温度が戻るファン式が必須です。

特に作り置きをする場合、直冷式だと場所によって冷えすぎて凍ってしまったり、逆に冷えが悪かったりすることがあります。

また、霜取りが不要で家事の時短につながるのもメリットといえるでしょう。

大家族・冷凍ストック重視の場合

おすすめ:高機能モデルのファン式

大型冷蔵庫は基本的にすべてファン式ですが、そのなかでも「冷却機能の質」に注目して選ぶのがおすすめ。

たとえば、冷蔵室と冷凍室で別の冷却器やファンをもつタイプなら、食材のにおい移りを防ぎ、冷凍効率もアップします。大量の食材を詰め込んでもしっかり冷やしてくれるパワフルなファン式が、大家族の食卓の強い味方になりますよ。

静音性や省スペースを重視する場合/2台目冷蔵庫

おすすめ:ペルチェ式・または小型の直冷式

「寝室で冷たい水を飲みたい」「テレワーク部屋に専用冷蔵庫がほしい」という場合は、音が気にならないペルチェ式がベストです。

ただし、冷凍保存もしたい場合は、ペルチェ式ではパワー不足。冷凍機能も重視したい方は、直冷式の小型冷蔵庫を選ぶと良いでしょう。

直冷式もファンがないため、コンプレッサーの作動音さえ気にならなければ比較的静かですよ。
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