ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

カレーの保存方法、間違ってない?

子供から大人まで大好きなカレー。市販のカレールーを使えば簡単にできるうえ、一度にたくさん作れることから家族が多い方や忙しい方には助かるメニューですよね。カレーを多めに作ったあと、みなさんはどのように保存していますか?実は、カレーは日持ちしません。鍋のまま常温保存する方はちょっと危険ですよ。

この記事では、カレーの賞味期限や正しい保存法、余ったカレーの活用レシピまで詳しくご紹介します。カレーを適切に保存して、安全においしくいただきましょう。

冬でも1日!? カレーの賞味期限

カレーは、スパイスを使うことや「寝かせたほうがおいしい」と言われることから、日持ちする印象がありますよね。しかし、実際はそうではありません。常温保存と冷蔵保存、それぞれの賞味期限を見ていきましょう。

常温保存の賞味期限

カレーを作ってから、朝と晩に火を入れ直せば大丈夫だろうと、鍋を出しっぱなしにしている方も多いのではないでしょうか。

常温保存の場合、冬場でも賞味期限は1日程度夏場や湿度が高い時期であれば、常温で保存するのは危険です。雑菌が繁殖しやすい梅雨時期は、食中毒の発生リスクも高まるため、冷蔵もしくは冷凍での保存がベスト。

冬場であっても常温保存する場合は、最低でも1日1、2回、できれば3回、全体にしっかりと火を通すことをおすすめします。そして、できる限り早めに食べるようにしましょう。

また、温め直したカレーは、すぐに蓋をせずに、粗熱を取ってから保存しましょう。すぐに蓋をすると、中心部分が温かいまま保存することになり、菌が繁殖しやすい環境を作ります。粗熱を取るために放置し、そのまま忘れないように気をつけてくださいね。

冷蔵保存の賞味期限

すぐに食べきれない場合やしばらく保存したい場合は、冷蔵保存がおすすめ。2〜3日保存可能です。ただし、冷蔵庫でカレーを保存する際は、鍋のままでの保存はやめましょう。鍋は密閉度が低く、細菌が繁殖しやすくなります。

放置したカレーは熱を通してもダメ?

カレーは放置することで、『ウェルシュ菌』という菌が発生するおそれがあります。ウェルシュ菌は、土や水の中、人や動物の腸内などに幅広く生息。至適発育温度は、43~45度と、ほかの細菌より高く増殖速度も速い菌で、食中毒を引き起こすことが分かっています。

厄介なのは、ウェルシュ菌は耐熱性があり、高温でも生き残ること。100度で加熱しても6時間は耐えると言われています。食べる前に熱を通しても、完全に菌は死なないわけですね。とろみのあるカレーは、ウェルシュ菌が増えやすい環境。繁殖させないため、適切な保存をおこなうことが重要です。(※1)

カレーの冷蔵保存方法

カレーを冷蔵保存する際は、小分けにできる保存容器やジッパー付き保存袋を用意します。容器は、比較的底の浅いもので密閉度の高いほうがおすすめ。しっかり蓋をし、冷蔵庫内のほかの食材に臭いが移らないようにしましょう。菌の増殖を防ぐためには、急速に冷やして保存することがポイントです。
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