ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

ラムネやタブレットが熱中症対策に向いている理由

糖質やミネラルが含まれるラムネ菓子や塩分タブレットは、熱中症対策に役立つ食品のひとつ。スポーツドリンクや経口補水液とは違って量を持ち歩いても重くならず、おいしく飲むために温度管理をする必要もないため外出時にも便利です。

大人はもちろんのこと、子どもでも食べやすいため、幅広い世代への熱中症対策として用意しておくと良いでしょう。(※1,2,3)

熱中症対策に。ラムネやタブレットで摂取できる成分

ラムネ菓子と塩分タブレットはどちらも清涼菓子で見た目がよく似ていますが、含まれる成分が異なります。違いやそれぞれの作用を詳しくみていきましょう。
ラムネ菓子に含まれる成分塩分タブレットに含まれる成分
糖質、カリウム、塩分糖質、カリウム、塩分、クエン酸
(※2,3)

糖質

ラムネ菓子や塩分タブレットは糖質の補給に適しています。熱中症対策をしたい場合は、水分だけでなく糖質と塩分も一緒に摂取するのが推奨されています。

その理由は、腸管の中で糖質が塩分と一緒に存在すると吸収が速やかになり、それにより水分の吸収が促されるためです。(※1,2,3)

塩分

熱中症対策のためには、一般的なラムネ菓子よりも塩分量が多い「塩分タブレット」を選ぶのがおすすめ

汗には塩分が含まれているため、水だけを飲むと体内の塩分濃度が薄まることで水を飲みたくなくなり、本来体が必要としている水分量を補いきれなくなる場合があります。

特に高温多湿の場所で大量に汗をかいたような場合には、水だけを補給することでかえって熱中症が起こりやすくなったり、悪化したりするおそれも。食事を通してほどよく塩分を摂るようにし、汗をかいた場合は特に塩分補給もしっかりしましょう。(※1,2,3,4,5)

クエン酸

クエン酸は酸味成分のひとつで、梅干しやレモン、オレンジなど柑橘系の果物に多く含まれます。汗をかいたときに失われるミネラルの吸収をサポートする作用があるため、熱中症対策に役立つ成分です。

クエン酸は時間の経過で体外に排出されるため、何回かに分けて摂るほうが良いとされています。塩分タブレットでこまめに補給するのに適した栄養素と言えるでしょう。(※3,6)

カリウム

汗をかくとカリウムが失われるため、熱中症対策のためにはカリウムも一緒に摂取することが大切です。

カリウムが不足すると細胞の脱水症状や内臓機能の低下、熱けいれん、こむら返りなどが起こりやすくなります。これらの症状が起こってしまったら、カリウムの不足のおそれが。ラムネ菓子や塩分タブレットを活用して上手にカリウムを補いましょう。(※2,3,7)
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