ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

食物繊維が豊富!寒天の栄養に期待できる健康効果

寒天の効果効能

  1. 便秘の対策に役立つ
  2. 余分なコレステロールの吸収を抑える
  3. 血糖値の上昇をゆるやかにする
  4. ダイエットに役立つ

便秘の対策に役立つ

寒天に含まれる炭水化物はそのほとんどが食物繊維です。食物繊維は水に溶ける水溶性の食物繊維と水に溶けにくい不溶性の食物繊維に分かれますが、海藻類にあたる寒天には水溶性の食物繊維が豊富だと言われています。

水溶性の食物繊維は腸内の善玉菌を増やしたり、便をやわらかくしたりする作用をもつ成分です。便秘が気になる方は寒天を摂り入れて食物繊維を補い、便秘対策をするとよいでしょう。(※1,2,3,4)

余分なコレステロールの吸収を抑える

寒天に含まれる食物繊維は余分なコレステロールの吸収を抑え、血液中のコレステロールを下げるはたらきをもちます。

コレステロールは、悪玉と呼ばれるLDL-コレステロールと善玉と呼ばれるHDL-コレステロールが代表的です。動物実験において、寒天を摂取すると悪玉コレステロールの血中濃度は下がり、善玉コレステロールの値は上がることが確認されています。(※4,5)

血糖値の上昇をゆるやかにする

寒天に含まれる食物繊維は、血糖値の上昇をゆるやかにするはたらきももつのが特徴です。食物繊維を多く摂ると、胃に入った食べ物が腸に送られるスピードが遅くなり、腸壁から糖が吸収されるのもゆるやかになります。

時間をかけて糖質が吸収されると、血糖値が急に上がるのも抑えられるため、血糖値が気になる方におすすめです。食物繊維を摂り続けることでブドウ糖の代謝も高まるとも言われています。(※5)

ダイエットに役立つ

食物繊維を多く含む寒天を摂取することで、ダイエットにも役立ちます。食物繊維は多く食べても太り過ぎる心配がない栄養素です。食べると水分を吸収してかさが増え、少ない量でも満腹感を得られます

また糖質の吸収をゆるやかにすることで、満腹感が長く続きやすく、ダイエット中の空腹対策にもなるため、積極的に摂るとよいでしょう。(※5)

寒天に含まれる食物繊維の量

100gあたりに含まれる食物繊維の量は粉寒天が79.0g、角寒天が74.1gです。ほかに食物繊維が多いとされる食品は切り干し大根が21.3g、乾燥おからが43.6g、乾燥きくらげが57.4gですが、いずれも寒天には及びません。生の野菜と比較するとごぼうが5.7g、キャベツが1.8gで寒天に含まれる食物繊維の多さがわかります。

ただし、寒天や乾物の場合は乾燥した状態の100gあたりの量で、一度にたくさん食べられないため、こまめに食事に摂り入れることが必要です。(※1,2,6,7,8,9,10)
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