ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

マグロに含まれる栄養

マグロの栄養と効果効能

  1. 脳の健康に関わる「DHA・EPA」
  2. 体を構成する「たんぱく質」
  3. カルシウムの吸収に関わる「ビタミンD」
  4. 代謝に関わる「ビタミンB群」
  5. 貧血対策に欠かせない「鉄」

脳の健康に関わる「DHA・EPA」

マグロに含まれるDHAとEPAは不飽和脂肪酸の一種です。主に青魚に多く含まれる成分ですが、マグロにも含まれています。どちらも赤身よりも脂身に多く含まれます。

DHAは体の中でEPAからも作られ、脳に入れることから、脳の栄養素とも呼ばれる栄養素です。DHAとEPAは互いに補い合って脳の血管を健康に保っています。(※1,2,3,4)

体を構成する「たんぱく質」

たんぱく質は筋肉や臓器、髪の毛など体を構成する成分とホルモン、酵素、抗体などの体の機能を調整する成分として存在している栄養素です。人が体の中で作れない必須アミノ酸をバランスよく含むたんぱく質を良質なたんぱく質と呼びます。

マグロをはじめとした魚や肉など、動物性のたんぱく質はその多くが良質なたんぱく質です。不足すると成長障害のほかに体力や免疫機能の低下が起こるため、バランスよく摂りましょう。(※5,6,7,8)

カルシウムの吸収に関わる「ビタミンD」

マグロに豊富に含まれるビタミンDのはたらきは正常な骨と歯の発育を促す作用です。小腸でカルシウムとリンの吸収を促進します。ほかにも神経伝達や筋肉の収縮などを正常にする作用ももつ栄養素です。

ビタミンDが不足すると、小腸でのカルシウムの吸収と、腎臓でのカルシウムの再吸収が低下し、カルシウムの不足になるため、注意が必要です。小児の場合は骨の成長障害、高齢者は骨がもろくなります。(※5,6,9)

代謝に関わる「ビタミンB群」

マグロにはビタミンB群のうちナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12が多く含まれます。ナイアシンは体内で糖質や脂質、たんぱく質を代謝してエネルギーを作り出すのに必要となる成分です。

ビタミンB6はアミノ酸の代謝と免疫機能の維持に、ビタミンB12はたんぱく質や核酸の合成とアミノ酸と脂肪酸の代謝、赤血球の成熟に関係します。(※10,11)

貧血対策に欠かせない「鉄」

マグロに含まれる鉄は赤血球のヘモグロビンに多く存在する栄養素です。不足すると赤血球の数が減り、酸素を十分に行えなくなり、鉄欠乏性貧血が起こります。集中力の低下や頭痛、食欲不振などの症状が出るのが特徴です。

マグロに含まれるのは鉄のうち吸収のよいヘム鉄のため、鉄が不足気味の方はマグロを食べるとよいでしょう。(※12)
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