万能な真菰茸をホイル焼きで堪能

Photo by Asuna Igari

「緑色の皮をむき、さらにピーラーで内側の皮をむくと真っ白に。その白い部分を食べることができます。真菰茸は本当に万能な食材なので、煮るのも焼くのも良し、天ぷらにするのも良いですね!

おすすめはそうですね……、ホイル焼きなんてどうでしょうか。バターしょうゆで味付けをして、パプリカやかぼちゃなどで彩り豊かにすれば立派なおかずになりますよ」

4. コロンとしたフォルムがかわいい『ローゼル』

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「ルビーレッドの色合いが美しいハイビスカスの実、ローゼル。気温の高いアジア圏内で栽培されることが多く、日本では富士山よりも南の地域で生産されています。今回の仕入れ先は愛知県です。

ローゼルは、ハイビスカスティーの原料で爽やかな酸味が特徴。フレッシュのままサラダにしたり、料理に使ったりもします」

ソーダで割って味わいや香りを楽しむ

Photo by Asuna Igari

「外側の赤い部分は果実で、中に種が入っています。基本的には果実部分のみを使うことが多いです。ローゼルの簡単な処理方法は、下部を5mmほどカットし、その部分を菜箸で先端に向けてぐっと押すやり方。ポロッと種が取れますよ。

料理に使うのもいいですが、初めてローゼルを手に取る方は、ソーダ割りがおすすめ。ローゼルの果実を好みでカットし、シロップ漬けにしたら炭酸水で割ります。色合いもきれいですし、お花が咲いたようでとてもかわいい仕上がりに♪ ローゼルの味わいや香りがダイレクトに楽しめます」

5. 江戸東京野菜の重鎮『内藤かぼちゃ』

Photo by Asuna Igari

「大きくゴツゴツした見た目の内藤かぼちゃ。東京で栽培をおこなう江戸東京野菜(※)独自のかぼちゃです。内藤かぼちゃの歴史は江戸時代まで遡ります。

信州の高遠藩主である内藤家の屋敷が現在の新宿御苑辺りにあり、そこで生産されていたことから内藤かぼちゃと呼ばれています。交配させていない在来種は、守り続けていくのも大変なんですよ。

本来なら、東京オリンピック開催と並行して、海外の方にも江戸東京野菜を広めたかったので残念でした。10月までが旬なので、この機会にぜひ食べてみてほしいです!」

(※)江戸東京野菜は、種苗が自家採種、もしくは近隣の種苗商で確保された江戸から昭和中期までのいわゆる固定種の野菜、または在来の栽培法等に由来する野菜のこと。

煮物にしやすい日本かぼちゃ

「西洋かぼちゃと比べると、ほくほくとした甘味はなく、ねっとりとした味わいです。皮が薄くて出汁をよく吸収し、煮崩れしにくいので、煮物にぴったりなんですよ。

ねっとり感があるので、ペーストにしてスープにしたり、お菓子やパンに使ったりもできます。見た目のインパクトで使いにくそう……と思われるんですが、じつはとても万能な食材なんです」

いろいろな旬食材を知って、秋の味覚を存分に楽しむ

「築地米金では、国産食材のみを取り扱い、通販ではなく対面販売にこだわっています。購入者の方(エンドユーザー)に直接レシピを伝え、農家の方の熱い想いを伝えることを大切に考えていますよ。

ご紹介した食材はどこででも手に入るものではありませんが、見つけたときのうれしさも旬食材の楽しみ方のひとつ。道の駅や直売所で購入できる場合もありますし、タイミングよく八百屋やスーパーで発見できることもあると思います」と芹田さん。

たまに冒険してみると、意外な発見があったり、毎年の楽しみが増えたりすることも。この記事でご紹介したものは、どれもちょっと珍しい品種ばかりです。プロが太鼓判を押す、秋の旬食材。見つけた際は、ぜひ手に取ってみてください。
取材・文・撮影/猪狩明日奈
取材協力

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築地米金は国産有機野菜や農家直送ハーブをはじめ、多種多様の野菜を販売している青果店。ここでしか取り扱っていない野菜も多く、一般消費者だけでなくプロの料理人も支持する。豊洲と築地に2店舗を展開
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