ライター : macaroni 編集部

監修者 : 龍 慶介

てしま農園 代表

教えてくれた人

てしま農園代表/龍 慶介さん
自衛隊のパイロット、大手広告出版会社と異色の経歴を経て、10年前に農業の世界へ。“植物のプロとお客様をつなぐ”をコンセプトに『てしまの苗屋』を立ち上げる。初心者にも植物を育てることの楽しさを伝えたいと、購入者への説明や相談にも積極的に対応。失敗しにくい苗の販売と育成に力を注ぐ。

植物への愛情たっぷりの龍さんに、8月のベランダ菜園におすすめの野菜&ハーブと基本的な知識やアドバイスをいただきました。

てしまの苗屋は夏休み真只中!

Photo by てしまの苗屋

ーー梅雨も明けて本格的に暑くなってきましたね!最近のてしま農園の様子はいかがですか?

龍 慶介さん(以下、龍) 本当に急に暑くなりましたね~。てしま農園は現在夏休み真只中です!先日は家族で登山に行きました。星空がとてもきれいで、温泉が湧いているんですよ。もともと登山が趣味ではあるんですが、妻にプロポーズした大切な思い出の場所なので、何度でも行きたくなるんです。

ーー素敵なお話!よいリフレッシュ方法ですね。

 このご時世なので、観光地には行けませんしね。年に一度の長いバカンスなので、思いきり弾けてますよ(笑)。

8月におすすめの野菜は「みょうが」

ーー8月におすすめの野菜を教えてください!

 今月はみょうがを植えましょう!繁殖力と自生する生命力が強く群生するみょうがは、基本的にいつ植えても育ちます。旬が春から初夏にかけてなので、今植えるなら種イモのように根を植えて越冬させる感じですね。

みょうがは日陰でも十分に育つため、夏の間はずっと日陰に置いておいて大丈夫です。北向きのベランダでも育ちますよ。

ーー8月のベランダ菜園で、注意すべき点はありますか?

龍 最近は30度を下回ることが珍しいくらい連日猛暑が続くので、遮光を意識しましょう。サンシェードやすだれなどを使って日を遮るよう工夫すると、植物は休むことができますよ。

みょうがを上手に育てるには?

最適な環境と植え付け方法

Photo by okamagami

ーーみょうがはどんな形のプランターに植えるとよいでしょうか。

龍 みょうがは根がよく伸びますし、一度植えると何年も育つので、土が多く入る深型のプランターを選びましょう。みょうがの根は地中で横に広がり繫殖していくので、苗の間隔は30cmほどあけます。なので、横長のプランターがおすすめですね。

ーーかなり立派に根が張るんですね。

龍 はい、畑などに直植えすると、こんなところに植えたっけ?というような場所からにょきっと生えてくることもあるんです。それくらいみょうがは生命力が強いですね。株分けするとどんどん増えていきますよ。

水と肥料のやり方

Photo by okamagami

ーー水やりの頻度を教えてください。

 みょうがは湿度が高い環境を好みますから、水はたっぷり多めに与えて大丈夫です。ただ、みょうがに限らずこの時期は1回の水やりの量を減らして1日にあげる水やりの回数を増やすのが上手に育てるコツ。1回でたくさん水をあげても植物が吸いきれず土中に残ってしまい、残った水分が日中の暑さで熱湯になり根腐れを起こしてしまうんです。

連日猛暑が続くとついつい頻繁に水やりをする方が多いと思いますが、朝の水やりを少なめにして夕方もう1回水やりをするのがベストです!

ーー水をあげてもあげても元気にならないのは、そういう理由だったんですね。肥料はどれくらいあげたらよいですか?

 肥料は固形の化成肥料を月に1回、およそ20gほど与えましょう。

想定されるトラブルと対処法

Photo by okamagami

ーー気を付けたい病害虫などはありますか?

 害虫に関しては特に心配いりませんが、やはり根腐れは気を付けたいです。みょうがは水分を好む分、気温が高い状態で下から熱せられてしまうと菌が入ることがあるんです。なので、炎天下で育てるよりも日陰でじめっと育ててあげるといいですよ。

ーーとなると、プランターの底上げはしたほうがいいですよね?

 そうですね。ただ、みょうがに限らず、植物全般プランターの底上げは大事です。トラブルを回避しやすくなります。

ーー間引きの必要性はありますか?

 プランターの場合は根が伸びる範囲に制限があるので、特に気にしなくて大丈夫!地植えの場合は、地下で横に根が伸びていくので場合によっては間引きが必要です。嘘のような話ですが、コンクリートの塀を倒すこともあるくらいですから(笑)。

ーーえーっ、そんなに!たけのこみたいですね(笑)。
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