覚えておこう!スリランカカレーの食べ方レクチャー

スリランカでは、手で食べるのが一般的なんですよね?

Photo by MIYUKI.Y

ジャナカさん:そうですね。ただし、使っていいのは右手の指の第二関節あたりまで。スリランカでは、それ以上手を汚すのはダメなんです。指の腹を使ってご飯とおかずやカレーを混ぜて、四本の指ですくって、親指をうまく動かして口の中に送り込みます。

小さい頃はうまく食べられないので、指をたくさん汚して食べると、よく祖父母や両親に注意されたもんですよ(笑)

手で食べるのと、スプーンで食べるのとで、味は変わるんですか?

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ジャナカさん:全然違います!手で食べたほうが絶対においしくなりますよ。スプーンより、指のほうがよく混ざるんです。

スリランカカカレーは、ひとつのお皿にいろいろなおかずやカレーをのせて、それを自分の混ぜたいように混ぜて食べていきます。混ぜるものの種類はもちろん、分量、混ぜ具合で毎回違った味を楽しめるのがいいところなんです。

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しっかり混ぜて食べてみると、ジャナカさんの言葉に納得。辛さや甘さ、スパイスの香り、すべてが複雑に混ざり合って、単体で食べるよりもどれもおいしさが引き立っています。そしてひと口運ぶごとに違う味わいなので、次はどうなるのかという期待とワクワク感が本当に楽しい料理です。

添え付けの豆のお煎餅「パパダン」を崩し入れると、食感が変わり、さらにおいしくなりますよ!日本のお店ではスプーンが一般的ですが、ぜひ手食にも挑戦してみてください。

これも必食、絶品スリランカ料理の数々

カレー以外に、コレは絶対に食べて欲しい!というメニューを教えてください。

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ジャナカさん:「カトレット」という魚のコロッケですね。スリランカの家庭料理でも定番です。ちょっとスパイスが効いていておいしいんですよ!

日本のコロッケとほとんど同じ作り方で、ジャガイモ・タマネギに鯖やツナなどの魚を入れて、そこにスリランカのスパイスを加えて丸めるだけです。

スリランカ人は、ティータイムのお菓子としても、ごはんのおかずとしても食べていますよ。

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まわりはサクサク、中はごろごろ、タマネギと魚の風味がやさしい味わい。そこにスパイスがアクセントになっています。コロッケに魚というのが、日本人の好みに馴染むひと品です。

おうちでも、コロッケのタネに缶詰の魚とスパイスを入れれば、簡単に再現できるそうですよ!

Photo by macaroni

ジャナカさん:デザートで食べてもらいたいのが、この「ワタラッパン」。ココナッツミルクとハクルというヤシの蜜(黒蜜のようなもの)で作っている、スリランカ風プリンです。濃厚な甘さで、スリランカでも人気のデザートなんですよ。

Photo by macaroni

濃厚ですがまったくしつこさはなく、黒糖のような奥深い甘さのなかにほんのりスパイスの香りが漂って、食後でもペロっと食べられます。これはクセになってしまいそう……!

「アプサラ」のおいしさの秘密とは?

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スリランカ料理は、使うスパイスの調合や、入れるタイミング・量によって料理の味が変わるので、奥深く複雑なるんです。そのため、お店によっても、各家庭によってもまったく違った味わいになるのだそう。

写真はモルディブフィッシュという魚を乾燥させたもので、日本でいえば鰹。製法は違いますが、香りも味も鰹節とほぼ同じで、スリランカ料理のダシ要素として欠かせない食材なんです。

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「最近はスリランカ料理好きな日本人も増えてますね。ヘルシーだし、鰹節のような日本にちょっと近い食材も使っているし、ただ辛いだけの料理ではないので口に合うのだと思います。さまざまなスパイスを使うので、体にもいいですからね。」とジャナカさん。

本場の味を活かしながら、日本人の口に合うスリランカ料理を提供できるのは、世界中の料理を知り尽くしているジャナカさんだからこそ。これが「アプサラ」の人気の秘訣ではないでしょうか。

今日から実践!おうちカレーをもっとおいしくするコツ

Photo by Apsara Restaurant&Bar

最後に、スリランカカレーを知り尽くしたジャナカさんに、おうちのカレーをおいしくするひと手間を聞いちゃいました!

「スリランカのスパイスをちょっと入れてみるといいですよ。オンラインで手軽に買えるので。お肉にそのスパイスを揉みこんでからいつも通りに作って、最後に市販の固形ルーをいれてみてください。いつもより風味が立って、おいしくなっているはずです!」(ジャナカさん)

Photo by Apsara Restaurant&Bar

実はジャナカさん、スパイスを使ったオリジナルのメニューもいろいろと試作しているのだとか。おにぎりにスパイスで炒めた肉を入れたり、しょうゆとショウガにスパイスを加えてマグロを漬けにしてみたり、聞くだけでお腹が鳴るようなアレンジメニューを教えてくれました。

遠いように見えて、実は近い存在のスリランカ料理。一度食べるとクセになる味わいは、人気なのも納得ですね。

初心者の方は、ぜひ「アプサラ」でデビューしてみましょう。そのうち気が付いたら、食卓にバナナリーフを並べているかも……!?
取材撮影・執筆:Miyuki Yajima
紹介メニュー
・スリランカカレーのバナナリーフ包み 1,600円
・カトレット 400円
・ワタラッパン 600円
※いずれも税込
店舗情報
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