ライター : macaroni編集部

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ネクストブレイク!2019年下半期のパントレンドは?

平成が終わり、令和がはじまった2019年。気づけばすでに半分が過ぎ、下半期へ突入します。ここ数年盛り上がりを見せているパン業界は、2019年の残り半年でどんな動きを見せるのでしょう。日本全国でパン屋のプロデュース・セミナーをしているJBM(ジャパンベーカリーマーケティング)代表・岸本拓也さんが語る、2019年下半期のパントレンド予想…………、要チェックです!

お話をきかせてくれた人

Photo by macaroni

岸本 拓也 (きしもと・たくや) 関西外国語大学卒業後、外資系ホテルの横浜ベイシェラトンホテルに入社。20代後半、ベーカリー開業に伴い退社し、有限会社わらうかど設立。横浜・大倉山にて「TOTSZENBAKER’SKITCHEN(トツゼンベーカーズキッチン)」を開業する。2013年にジャパンベーカリーマーケティング株式会社として法人設立。「パン屋で街を元気にする」をモットーに、国内外問わず現在進行中案件も含めて100店舗以上のベーカリーをプロデュース。

食パン専門店が目立った2019年上半期

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——まずは2019年上半期を振り返っていただけますか? 「とにかく専門店の勢いがすごかったですね。食パン専門店の人気ぶりはもちろん目立っていましたが、そればかりでなく新たな専門店が次々生まれ、業態として確立されてきた。メロンパン、コッペパン、クリームパン……いずれの専門店にも猛烈な勢いで人気店の仲間入りをするお店がありました。2019年の上半期で飛び抜けて目立っていたのは、業界の誰から見てもこの動き」
——岸本さんが携わったお店にもそうした専門店は多かったんですか? 「2019年の上半期はコッペパンの専門店2軒にかかわりました。昨年はクリームパンのお店を手がけましたし、実はメロンパンのお店をこれから……というところです」

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——専門店がトレンドになった背景にはどんな理由があったのでしょう。 「手土産需要の高まりも関係しているように思います。今、ケーキ屋さんの市場規模が小さくなり続けているんですけど、理由のひとつが、手土産にケーキではなくパンを選ぶ人が増えているという状況。ちょっと前じゃ考えられないことですが、実際にそれが起きています。 パンってちょっと高いものでも1コインで買えるでしょ?ふだん口にしているものより贅沢なものが、手土産としては安価で買えてしまう。しかも、それでいてすごく喜ばれる。土産物としてのコストパフォーマンスが高いんです。 パンを手土産として渡したときの相手の反応を意識する消費者が増えた結果として、品質と話題性をより高い次元で兼ね備えている専門店の需要が高まったとも考えられます」

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——そういえば、テイクアウト時の見栄えまで意識していると感じるパン屋さん、増えていますね。 「これ、ウチの食パン専門店が使っているショッパー(上画像)です。どうです?」 ——……奇抜というか、異様というか、目を引く紙袋ですね。人に見せたくなりますし、ネタになりそう。 「ただパンを持って帰ってもらうだけならビニール袋だっていいはずなんです。にもかかわらず見栄えの良い紙袋を用意するところが増えている。これもちょっと前までは考えられなかったことですよ」

2019年下半期も専門店が続々増える!

岸本さんが手がけた専門店の外観
——多くの専門店に注目が集まり、毎日のように長い行列ができた2019年上半期を経て、下半期はどうなっていくのでしょうか。 「パン屋の専門店化に拍車がかかるでしょう。たとえば食パン専門店は今後も増えていきますし、ほかのパンの専門店も同様です。今、パンづくりの技術も機械もどんどん進歩していて、食パンなら耳までやわらかかったり口どけが抜群に良かったり、わずか3・4年前のものと比べてもまったくの別モノになっています。そういう品質のパン、もしくはそれをしのぐようなパンを扱う専門店が増えていくはず」
——それは楽しみですね。 「ただ、いろいろなパンを扱う従来型のパン屋は大変ですよ。そういう専門店に対抗しなければいけませんから。パンのクオリティを上げて、戦っていかなければ残っていけない。ウチでも既存のスタイルのパン屋はやっているんですけど、店長にはきつい発破をかけていますよ」
——そのほかでは、何か気になる動きはありますか? 「ちょっとビジネス寄りの話ですが、異業種からの業界参入が増えていきそうな気配があります。飲食店を展開している会社がパン屋を開店する動きが目立ってきているんですよ。そういうお店はお客さまのさばき方とか喜ばせ方とか抜群に上手い。元気よく『いらっしゃいませ!』とお迎えするとかね。パン屋さんってそういう部分遅れているので、強みが発揮されると伸びてくるんじゃないかな」

ネクストトレンドは「カレーパン」!

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——そうした流れをふまえて……、2019年下半期のパントレンドを教えてください。ズバリ、ネクスト食パンとなる可能性のあるパンは? 「ズバリ、カレーパンです。2019年が終わる頃には注目を集めるカレーパン専門店がいくつもできていると思いますよ」 ——どういうカレーパンが話題になりそうですか? 「極度に具材の品質が高かったり、スパイスの利かせ方が巧みでほかより際立っていたり、あと、揚げたてを追求するお店も出てくるんじゃないかな。従来のカレーパンとはまるでスケールの違うもの、進化系カレーパンが現れると思います」
——注目しているお店はありますか? 「カレーパンの販売数でギネス世界記録をもっている『パンパティ』。神奈川県横浜市にある二俣川店の限定メニュー『ステーキカレーパン』が絶品なんです。カレーパンの常識を見事に覆している」 ——どういうカレーパンなんでしょう。 「カレーパンってふつうはお肉を煮込むんですけど、ステーキカレーパンは読んで字のごとくパンのなかにステーキが入っている。別途焼き上げたステーキ肉を、しっかり煮込んだカレーと一緒にパンで包んで揚げているんです。かなりスパイスを利かせた大人向けの味わいで……あれはうまいですよ。衝撃を受けましたね」 ——従来のカレーパンとはやはり違っているんですね。ちなみに、岸本さんならどんなカレーパンを仕掛けます? 「いろいろ考えています。ちょっとしたイベントを仕掛けるつもりですし、カレーパンそのものでいえば、ホルモン系とか合うと思うんですよ。煮るとコクとトロミが出るのがおもしろいし、原価が安いところもいい。ただかなりに煮込まなければいけないので、専門店でなければ実現がむずかしいアプローチでしょうね」

もうひとつのネクストトレンド「あん食パン」

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——カレーパン以外で人気を集めそうなものはありますか? 「上半期から続く食パンブームの流れのなかにあるパンですが……あん食パンです」 ——食パンの生地にあんを巻き込んで成形したパンですね。あんぱんを例にするまでもなくパンとあんは相性いいですし、おいしいですよね。 「ええ。バターを練り込んだパンにあんを入れるとやっぱり合うんですよ。バターとあんとパンを1枚で手軽にまとめて食べられる……ちょっとしたおめざにいいし、手土産にもいいでしょう?あん食パンはここ2・3年くらいでだいぶ知られるようになってきていて、ウチも、このパンをメインにしたお店の開店準備を進めています」
——おすすめのあん食パンはありますか? 「神戸にある『トミーズ』の『あん食』がすごくおいしいですよ。かなり特別感のあるパンで、生地がしっかりしていてサイズは小さい。食事というよりおやつに食べるパンという感じ。軽く焼いて食べるのがおすすめです」 ——スイーツみたいな楽しみ方に向いているパンなんですね。岸本さんが開店準備を進めているというパン屋のあん食パンはどんなパンなんですか? 「トミーズのあん食に比べると生地が軽く、大きめ。日常使いできるあん食パンとして打ち出していきたいと考えています。おやつではなく毎日の朝食として楽しむような。肩の力はだいぶ抜けています(笑)」 ——JBMさんのパン屋というと特徴的な店名のお店が多いですが……、そのお店の名前は? 「『ねえぇほっとけないよ』です」 ——それはまた……、ほっとけなさそうで肩の力が抜けたネーミングですね(笑)。
Photos:7枚
岸本 拓也 さんの近影。JRM社屋にて。
インタビューを受ける岸本さん
インタビューを受ける岸本さん
さまざまな食パン専門店の紙袋
岸本さんが手がけた専門店の外観
カレーパンのイメージ
兵庫県神戸市にあるパン屋「トミーズ」の人気商品「あん食」
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