ライター : 椛嶋 貴子

管理栄養士

監修者 : 鎌上織愛

幼児食アドバイザー、食生活アドバイザー2級、グルメライター

離乳食の完了期ってどんな時期?

赤ちゃんが朝昼夕の三食をしっかり食べ、バナナくらいの固さのものを歯ぐきでつぶして食べられるようになってきたら、そろそろ離乳食も完了期へステップアップの時期にさしかかります。

離乳食の完了期には、形のある食べ物をかみつぶすことができるようになります。食事からエネルギーや栄養素の大部分を摂れるようになるため、母乳または育児用ミルクは、離乳食の進行状況により補助的に摂取するようになってきますよ。離乳食の完了期は、生後12~18ヶ月頃と言われています。

完了期は、生活リズムを整えること、いろいろな食品の味や舌触りを楽しむことを大切に離乳食を進めていくといいですよ。楽しく食べる体験を増やしていくことも重要です。赤ちゃんのペースに合わせて進めながら、食べる意欲を育てていきましょう!(※1)

離乳食完了期の目安量

1回の食事の目安量
穀類軟飯90gまたはご飯80g
野菜・果物40〜50g
15〜20g
15〜20g
豆腐50〜55g
全卵1/2〜2/3個
乳製品100g
(※1)
※魚、肉、豆腐、全卵、乳製品はいずれかを与える場合の目安量です。
成長や発達は個人差が大きいため、画一的に進めていくのは好ましくありません。大人と同様に、赤ちゃんによってたくさん食べたい子もいれば、少しで満足する子もいます。あくまで目安として参考にしてくださいね。元気で体重も増えているなら、食べたい量が適量と考えましょう。

赤ちゃんが十分に食べているかどうかは、成長の様子をよく見ることが大切です。母子手帳にも記載されている「成長曲線」のグラフに沿っているかどうかを確認しましょう。体の大きさや発育には個人差があるので、小さいからダメ、大きいからダメなんていうことはありません。極端な成長曲線を描くことなく、その子のペースで順調に成長していれば特別不安になる必要はありませんよ!(※1)

離乳食完了期の進め方

完了期になると、赤ちゃんの口は大人と同じように動くようになってきますが、噛む力はまだ不十分。いろいろな食べ物を上手に食べられるように練習する時期です。

また、離乳食完了期を進めるにあたり、食事の内容はもちろん大切ですが、食べる環境を整えてあげることも重要な要素になります。ポイントを押さえておきましょう。

ポイント

  1. 3回食を基本にする
  2. 固さは「やわらかい肉団子」を目安にする
  3. 薄味を心がける
  4. 栄養バランスのよい献立にする
  5. 「手づかみ食べ」で食べる意欲を育てる

3回食を基本にする

食事の回数は朝、昼、夜と、一日3回を基本としましょう。一度にたくさん食べることのできない赤ちゃん。午前と午後のおやつ時間を活用して、エネルギーになるものを中心に食べさせてあげるといいですね。

規則正しい生活習慣を身につけるための大切な時期です。毎日決まった時間に食べることで、生活リズムを整えていきましょう。(※1,2)

固さは「やわらかい肉団子」を目安にする

歯ぐきで食べものをすりつぶしたり、前歯でひと口量を噛み切ったりする練習をする完了期。やわらかい肉団子くらいの固さが目安です。いろいろな食感、歯ごたえの食べ物を食べることで、舌や唇、あごを動かせるようになっていきます。たくさんの経験をさせてあげましょう。

大人と同じものを食べたがることもありますが、大人と同じ固さの食べ物をすりつぶすことは完了期の赤ちゃんにはむずかしいもの。口に入れても、実は丸飲みしていたということも少なくないので、赤ちゃんの食べる様子を見ながら固さを調整することが大切です。(※2)

薄味を心がける

完了期の赤ちゃんは大人と同じような食べ物が食べられるようになってきますが、まだまだ薄味を心がけたいところ。では、薄味とはどれくらいなのでしょうか?食事摂取基準によると、小児(1〜2歳男児・女児)の食塩相当量の目標量は、1日あたり3.0g未満です。

ちなみに、30~49歳の食塩相当量の目標量は男性で7.5g未満、女性で6.5g未満とされています。大人が食べている味付けの1/2以下でよいことがわかりますね。味付けは、だしをきかせたものを基本とし、ほんの少しの調味料を足してあげるだけで十分です。素材の味を活かした料理を心がけましょう。(※3)
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