ライター : はちこ

料理研究家 / 元イタリアンコック

清酒とは

清酒とは、米、米こうじ及び水を主な原料として発酵させ、こして造る酒を指します。清酒の読み方は「セイシュ」。清い酒と書くように、濁っていない澄んだ酒です。米の産地や、酒の製造場所は問わず、海外産のものも清酒といいます。

本記事では清酒のくわしい定義や、日本酒との違いをわかりやすく解説します。

清酒の定義は国税庁に定められている

清酒の定義は国税庁により、酒税法で細かく定義されています。原材料で許可されているのは3つのパターン。「米、米こうじ及び水」「米、水及び清酒かす、米こうじ、その他政令で定める物品」「清酒、清酒かす」の組み合わせです。

この原材料を発酵させて、こしたものと定義されています。原材料は同じでも、こさずに作る「どぶろく」は清酒には含まれません。

これらのうち、アルコール分が22度未満のものが「清酒」と認められます。(※1)

清酒の定義

  1. 「米、米こうじ、水」を発酵させて、こしたもの
  2. 「米、水及び清酒かす、米こうじ、その他政令で定める物品」を発酵させて、こしたもの
  3. 「清酒に清酒かす」を加えて、こしたもの
  4. その他政令で定める物品とは、醸造アルコール、ぶどう糖、水あめ有機酸、アミノ酸塩など
  5. アルコール分が22度未満のもの

清酒と日本酒の違い

清酒と日本酒は基本的に同じものを指しますが、日本酒は清酒の一種で、厳密には違いがあります。

日本酒は、国内産米のみを使い、日本国内で製造された清酒と定義されています。つまり、外国産米を使ったものや、国外で造られたのもは「日本酒」と呼ぶことができません。(※2)

日本酒の地理的表示による定義

  1. 「日本酒」という呼称は地理的表示(GI)として、価値が守られている
  2. 原料の「米、米こうじ」は日本国内産米のみを使用し、日本国内で醸造したもの
  3. 海外産の米の使用や、日本以外で製造された清酒は除く

主な清酒の種類

清酒は原材料や精製歩合などによって、さまざまな種類に分けられます。なかでも特定の条件を満たしたものは「特定名称酒」と呼ばれ、その条件に当てはまらないものは「普通酒」と呼ばれていますよ。

特定名称酒は「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」の3つに大別され、これらも「大吟醸酒」や「純米吟醸酒」などと細かく分類されています。こういった分類方法も酒税法によって細かく定められていますよ。

ここでは、特定名称酒の主な種類とその特徴を紹介します。

吟醸酒

吟醸酒は醸造アルコールが添加されたお酒で、「吟醸造り」という製法で造られているのが特徴です。醸造アルコールとはサトウキビを原料にして発酵させた純度の高いアルコールのことで、日本酒にすっきりと軽快な味わいや、豊かな香りを加える役割を持っているものです。

吟醸造りとはよく磨いたお米を、低温でじっくり時間をかけて発酵させる方法のこと。この作り方によって吟醸酒にはフルーティーな吟醸香が生まれます

吟醸酒のなかでも精製歩合60%以下のものは「吟醸酒」と呼ばれ、精製歩合50%以下のものは「大吟醸酒」と呼ばれます。(※1,3)

純米酒

純米酒とは米と米麹、水のみを原料とし、醸造アルコールの添加がない清酒のこと。シンプルな材料で造られているため米本来の旨味や甘味、コク、香りが感じられるのが特徴です。

純米酒のなかでも精製歩合の規定がないものは「純米酒」精製歩合が60%以下または特別な製造方法のものは「特別純米酒」に分類されています。

また、純米酒と吟醸酒、どちらの要件も満たし、両方の性質を持ったものは「純米吟醸酒」や「純米大吟醸酒」と呼ばれます。純米吟醸酒は精製歩合が60%以下で、純米大吟醸酒は精製歩合が50%以下です。(※1,3)
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