ライター : 紫原もこ

Webライター

清酒とは

「清い酒」と書いて清酒。かつては、どぶろくのようなにごり酒に対して、色が澄んだ透明度の高いお酒を清酒と呼んでいましたが、現在の酒税法上の規定では、アルコール度数22度未満の日本酒を「清酒」と呼び、にごり酒も清酒に分類されます。

澄んだ清酒が登場したのは、江戸時代のことです。明治時代以降にはビールやワインなどの洋酒も広まり、お酒のカテゴリーのひとつに日本酒があり、そのなかで色の澄んだものを清酒と呼んでいました。(※1)

清酒は日本酒の一種

  1. 「清酒」とは原材料に米と米こうじを使い、清酒酵母で発酵させて作られるお酒です。一方で、「日本酒」は日本産の米を原材料とし、国内で醸造される清酒を指します。その製造過程が日本の四季と深く結びついている側面から、国税庁より特定の産地名を名乗ることができる地理的表示としての認可を受けています。清酒のなかでも、原材料と醸造地が日本であるものを「日本酒」と呼ぶことが可能です。

清酒の原料

清酒の原材料は、酒税法で以下のように定められています。

「米、米こうじ、水及び、清酒かすそのほか政令で定める物品を原料として発酵させてこしたもの(アルコール分22度未満)」

必ず原料に米を使い、「こす」工程が必須です。どぶろくのように「こす」工程がない場合は清酒ではなく、「そのほか醸造酒」になります。

清酒酵母とは

清酒酵母(せいしゅこうぼ)とは、日本酒の醸造に用いられる酵母の総称です。国立醸造研究所を中心に開発され、日本醸造協会が配布している「きょうかい酵母®」と、地方自治体の試験研究機関や大学で開発された酵母、企業・民間機関開発の酵母があります。保存性に優れた乾燥酵母もあります。

また、2014年に「日本酒に含まれる清酒酵母には、睡眠の質を高める効果がある」という驚きの研究結果が発表され、話題になりました。

清酒と日本酒の違い

清酒と日本酒の最大の違いは、原材料です。清酒が、海外産も含めた米・米こうじ及び水を主な原料としているのに対し、日本酒は原料に日本産米を用います。

また、醸造地にも違いが。清酒は海外でも醸造できますが、日本酒は日本国内で醸造したもののみを指すと定義されています。

つまり、海外産の米で造られた清酒や海外で醸造した清酒を日本酒と呼ぶことはできないのです。

いろんな種類のお酒との比較

純米酒

純米酒は、米及び米こうじ、水だけを原料として造った清酒を指します。また、防腐効果や味の調整を目的に使われる醸造アルコールを加えないという点も特徴的です。

日本酒本来のどっしりとしたボディの飲み口で、コクや甘みを強く感じられます。

吟醸酒

吟醸酒は、精米歩合60%以下の米が原料。「吟醸造り」と呼ばれる低温発酵させる方法で造られ、華やかでフルーツのような香りが特徴です。

特に精米歩合60%以下のものを吟醸酒、50%以下を大吟醸酒と分類します。(※2)
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