ライター : macaroni_repro

はまぐりとホンビノス貝の違いと見分け方

この記事は、三越伊勢丹が運営する、食メディア「FOODIE」の提供でお送りします。
本格的な春を迎え、はまぐりが美味しい季節です。お吸い物に酒蒸し、バター焼き……皆さんはどんな食べ方がお好みですか? ところで、近ごろ、スーパーなどで目にするはまぐりそっくりの貝、「ホンビノス」をご存じでしょうか。大きさも形もよく似ていますが、実ははまぐりとホンビノスは、異なる種類の貝なんです。 そこで今回は、伊勢丹新宿店・東信水産の土方晃さんに、はまぐりとホンビノスの違いや見分け方を教えてもらいました。

はまぐりとホンビノスはどこが違うの?

1.故郷(原産地)が違う 2.貝殻、むき身の色、形 3.味わい、香り

はまぐりは在来種、ホンビノスは外来種

「もともとホンビノスは北米原産の外来種。1998年頃から日本でも確認されるようになりました。最近では、潮干狩りでも獲れますよ。一方、国産はまぐりは今や高級食材。以前は各地で獲れていましたが、今では伊勢湾や柏灘など、限られた地域でしか獲れなくなってしまいました」(土方さん) ちなみにアメリカでは、クラムチャウダーにはホンビノスを使うのが一般的だそう。生態系に影響を与えるなどの理由から、駆除の対象とされることが多い外来種ですが、このホンビノスはほかの貝類とは生育環境が異なるためこうした悪影響を与えないうえ、はまぐりよりも安価で、一年を通して手に入りやすいこともあって、人気が高まっています。

貝の形がはまぐりは左右対称、ホンビノスは非対称

まずは貝殻を並べて比べてみましょう。 「はまぐりは左右対称に近いきれいな形をしています。ホンビノスははまぐりと比べるとやや丸みがあって、蝶番に近い部分が曲がっているのがわかります。こうやって並べると一目瞭然ですね」 ちなみにホンビノスは最大で約10cmまで大きくなるそうです。アメリカでは出世魚ならぬ「出世貝」として、成長段階によって名前が変わるそうですよ。
貝殻の厚みもこんなに違います。平安貴族が貝殻の内側に絵を描いて「貝合わせ」に興じていたというだけあって、はまぐりの貝殻は厚みがあるのがわかりますね。

はまぐりは上品な味わい、ホンビノスは食べ応えあり

こちらは同じ条件で酒蒸しにしたはまぐりとホンビノス。剝き身を見比べてみると、はまぐりがほんのりピンクで色白なのに対して、ホンビノスは黄色がかっているのがわかりますね。早速、試食してみましょう! まずははまぐりから。色白の身はぷっくりとしていてやわらかく、はまぐりならではの上品なうまみが口いっぱいに広がります。う~ん、まさにごちそう!といった感じ。 そして、ホンビノスはというと、しっかりとした食感で、味はどちらかというとアサリに似ているかも。存在感が強いので、なるほど、クラムチャウダーのようなしっかり味付けをする料理にぴったりですね。パクチーやセロリなど香りの強い食材と合わせても美味しそう。

はまぐりとホンビノス、好みや用途で使い分けよう

「どちらもそれぞれ特徴的な味わいが楽しめるので、たとえばお祝い事の料理や、上品な出汁のうまみを楽しみたいときははまぐり、クラムチャウダーやパスタなど、たっぷり使って楽しみたいときはホンビノスなど、好みや用途に合わせて使い分けると楽しいと思いますよ」 皆さんもぜひ、食べ比べてみてくださいね!
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