ライター : 上田 裕美

管理栄養士

真っ黒な古代米「黒米」とは

黒米は古代米の一種で、日本のお米のルーツといわれています。

黒い色が特徴ですが、これは、ぬかの部分にアントシアニンという青紫の色素を含んでいるため。白米と混ぜて炊くと鮮やかな紫色になり、その色合いから「紫米」や「黒紫米」とも呼ばれていますよ。

また、黒米は昔からお祝い用のお米としても重宝され、中国では薬膳料理にも利用されています。(※1)

茶碗一杯(140g)あたりの黒米のカロリーと栄養

エネルギー量(カロリー)……210kcal
たんぱく質……5.0g
脂質……2.0g
糖質量……40.5g
食物繊維……4.6g
鉄分……0.6mg(※2,3)

ほかの米と比べると

黒米100gあたりのカロリーと栄養を、ほかの食品と比べてみましょう。

・黒米
エネルギー量(カロリー)……150kcal
たんぱく質……3.6g
脂質……1.4g
糖質量……28.9g
食物繊維……3.3g
鉄分……0.4mg

・白米
エネルギー量(カロリー)……156kcal
たんぱく質……2.5g
脂質……0.3g
糖質量……35.6g
食物繊維……1.5g
鉄分……0.1mg

・玄米
エネルギー量(カロリー)……152kcal
たんぱく質……2.8g
脂質……1.0g
糖質量……34.2g
食物繊維……1.4g
鉄分……0.6mg

黒米には、たんぱく質や脂質が多く含まれています。一方で、カロリーや糖質量はもっとも低いです。これは、食物繊維を白米や玄米の2倍以上も含んでいるため。ほかの食品と比べると、黒米は栄養価が高く、ヘルシーな食材であることが分かります。(※2,4,5)

黒米の歴史

黒米の原産地は中国で、現在から2000年以上も前に発見されました。歴代の皇帝は、黒米を縁起のよい「出世米」として、宮廷料理で食べていたそうです。

日本にも古くから伝わってきましたが、収穫量が少なく、栽培しにくい性質のため、明治時代以降はほとんど栽培されなくなりました。

現在では、白米と比べてビタミンやミネラルなどが豊富なことから、黒米の栄養価が注目されていますよ。(※1,6)

黒米の効果効能とは?

老化対策に役立つ成分

黒米に含まれるアントシアニンには、活性酸素から体を守る、抗酸化作用があります。

活性酸素は年齢とともに増加するほか、紫外線やストレスなどのダメージによっても発生します。活性酸素によって細胞が傷つけられると、細胞膜を形成するLDLコレステロールが酸化し、血管の老化を促進する原因に。

アントシアニンは活性酸素のはたらきを抑えたり、取り除いたりする作用があるので、老化の対策に役立ちますよ。(※1,7,8,9,10)
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