ライター : 松 宏彰(カレー細胞)

カレーキュレーター

北参道〜千駄ヶ谷「ダガヤサンドウ」のおすすめカレー

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

近ごろ巷では「Y2Kファッション」がリバイバルしているようです。「Y2K」とはつまり「2000年」。その前後に東京で沸き起こったファッションムーブメントの起爆点は「裏原宿」でした。その中心的存在だった「UNDERCOVER」や「A BATHING APE」は今や世界的なファッションブランドに。

ファッションや音楽がストリートで融合し、大きなうねりを見せたY2Kの頃、クリエイターたちが集ったのはクラブ、そしてカレー屋でした。

今もファッションブランドのプレスルームや音楽プロダクションが密集する神宮前から北参道・千駄ヶ谷に至るエリアは「ダガヤサンドウ」と呼ばれ、クリエイターたちが通い詰めるカレー店がたくさん。今回はそんななかからとっておきの9軒をご紹介しましょう。

1. 神宮前の伝説と言われたカレー店「ブレイクス(ギー)」

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

かつて神宮前で22年続いた伝説のカレー店「GHEE(ギー)」。シェフの赤出川氏はアパレル出身。村上春樹氏をはじめとする作家・クリエイターたちが通っていたり、「A BATHING APE」創業者のNIGO氏が若き日にアルバイトをしていたりと、神宮前カルチャーに多大な影響を与えてきたお店でした。

しかし「GHEE」は2005年3月に惜しまれながら閉店、そのカレーは文字通り伝説となってしまったのですが……、2013年神宮前「BROWN HORSE(ブラウンホース)」のランチ間借りを経て2016年ついに復活!

新店名「ブレイクス」の由来は、イギリスの詩人・画家のウイリアム・ブレイク。今や全国に広がる「GHEE系」と呼ばれるカレー名店たち、その元祖の味をじっくり味わってみてください。

コンビネーションM(ビーフカレー+ミルクカレー)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,300円(税込)
「GHEE」のカレーといえば、一番人気の激辛「ビーフカレー」、肉の旨味と焦がしコーン&グリンピースが魅力のドライな「キーマカレー」、まろやかな「バターチキンカレー」、角切り野菜たっぷりやさしい「野菜カレー」という4種が定番。自在な組み合わせで好みのひと皿にするのが楽しいんです。

全国に広がる「GHEE系」と呼ばれる派生名店たちの多くはこのスタイルを踏襲しているのですが、本家が復活にあたって新たに生み出したのが「ミルクカレー」です。ベースとなったのはなんとペルー料理。サラリとミルキーな味わいは名物「ビーフカレー」と好コントラスト・ベストマッチというわけなんです。

一方の「ビーフカレー」はクローブがバンバン効いて「カッコいい」辛さ。明らかにY2K時代の「GHEE」より辛さは増しています。赤出川氏いわく「時代もお客さんも変わるから、変えていかないと」とのこと。そのスピリットもさすがのレジェンドなのです。
店舗情報

2. あの NIGO®氏が手がける名店「カリーアップ®」

ファッションブランド「A BATHING APE」創業者であり現「HUMAN MADE」デザイナーのNIGO®氏。かつて「GHEE」でアルバイトをしていたこともある彼が「GHEE」閉店から5年経った2010年にオープンしたカレー専門店です。

伝説の味が復活!ということで当時もかなり話題になりましたが、年月を重ねるにつれ洗練度を増し、ぐんぐんとおいしく進化してきました。

本家「GHEE」が復活した今でも、「CURRY UP®(カリーアップ®)」は独立したカレー名店としてその輝きを放っています。多彩なカレー店がひしめく東京でも、トップクラスに東京らしく洗練されたカレー店と言えるでしょう。

また、オリジナルのTシャツやキャップなどのアパレルも(当然ながら)超おしゃれ。「HUMAN MADE」のショップでも扱っているマストバイアイテムなのです。

ビーフカレー×キーマカレー

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

Mサイズ 1,300円(税込)
「GHEE系」定番組み合わせのなかでもっともホット&スパイシーなのがこちらの組み合わせ。

牛の旨味がしっかり溶け出したオイルにクローブがビシッと効いた激辛「ビーフカレー」はまさに「GHEE系」のマスターピース。対する「キーマカレー」はSuper Dryな食感に肉の旨味とスパイスのダイレクトな香り。さらに焦がしコーンとグリンピースが香ばしさと食感の変化を加えてくれます。

この、攻めに攻めたひと皿に負けそうになったら、添えてある刻み漬物をカレーに混ぜ合わせてみましょう。なんともやさしく辛さを中和してくれるんです。
店舗情報

3. インスタ映えキーマの元祖「モクバザ」

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

神宮前から北参道・千駄ヶ谷へとつながる「ダガヤサンドウ」エリアは、東京随一のキーマカレー激戦区。その代表的存在が「MOKUBAZA(モクバザ)」です。

元々はグラフィックデザイナーの宮本氏がオーナーとなり2004年に始めたBAR、ところがカレーの「グラフィカルなキャッチーさ」が瞬く間にSNSで話題に。味だけでなくビジュアルも楽しめるキーマカレーとして、多くのインスパイア店を生み出しました。

元々BARなだけにお酒のバリエーションにも注目。メニューにない珍しいお酒も用意してあるので、カウンター奥のボトル棚をチェックしてみてくださいね。
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