浸水で仕上がりは変わる?

ーーあとは水を入れて炊くだけですね!研いだお米を一定時間水に浸たし、水を吸収させる「浸水」もおいしいお米を炊く方法として知られていますが、浸水で仕上がりは変わりますか?

三嶋 まず答えからお伝えすると……、炊飯器でごはんを炊くなら浸水は必要ないんです!最近の炊飯器は、浸水の工程が組み込まれています。逆に浸水をしてしまうと、水分量が多くなりベチャベチャになることも。

また、浸水と同様、炊飯後の「蒸らし」も炊飯器が自動でおこなうため、炊けたらすぐに混ぜてお米に空気を含ませてあげましょう。

3. 水の種類によって仕上がりは変わる?

ーー使う水の種類によっておいしさは変わりますか?

三嶋 やはりお米は吸水する食材なので、水にこだわるとおいしさがアップします。おすすめは弱アルカリ性の水ですね。弱アルカリ性の水は、お米表面のタンパク質を細かく分解するため、お米の中心まで水が浸透しやすくなります。炊飯時に熱がよく伝わり、ごはんのα化が促進されることで、甘みのあるごはんに仕上がりますよ。

弱アルカリ性の水がない場合は、浄水器があるようでしたら、水道水より浄水器を使ったほうが絶対に良いです。もちろん水道水でも問題はありません。

氷を入れるとおいしく炊けるって本当?

ーー「炊くときに氷を入れるともちもちになる!」って聞いたことあるんですけど、本当ですか?

三嶋 現在の炊飯器ですと、氷を入れても炊き上がりに違いは出ません。ごはんをおいしく炊く秘訣として「はじめちょろちょろ中ぱっぱ…」というわらべ歌がありますが、炊飯器がなかった時代はこの歌のように最初は温度を低く、そこから徐々に沸騰工程へ移行させることがむずかしかったので、氷を入れていたようです。

ただ、現代の炊飯器ならその辺りの温度調整は自動でやってくれるため、氷を入れてもあまり意味がありません。大体30年以上前からです。

4. お米の種類によって水分量調整は必要?

Photo by 象印マホービン株式会社

ーー新米は水分量が少し多い、一方で古米は水分量が少し少ないと聞いたことがあります。水の量は調整したほうが良いのでしょうか?

三嶋 仰るとおり、新米と古米によって水分量は少し違います。ただ基本的にはメモリ通りでOK。最近の炊飯器は硬め、やわらかめなどが選べるので、そのあたりの調整は炊飯器に任せてしまいましょう。

象印の炊飯器を例にあげると、 “ややしゃっきり” 、“もちもち” といった細かい炊き分けや、好みの硬さや粘り気を学習する“わが家炊き” という機能を搭載した商品もあります。

おいしく炊く方法は炊飯器が知っているので、一度炊いてみて「新米をもう少しやわらかく食べたい」なら、メモリよりほんの少し多めに水の量を増やすなど、ちょっとだけ手を加える程度が良いと思います。

5. ほかにおいしく炊くポイントはある?

三嶋 これは令和版というより、今までと変わらない方法ですが「計り方」「保存方法」「ほぐし方」にもポイントがあります。念のためおさらいしてみてくださいね。

浸水→炊く→蒸らしの工程が炊飯器任せな分、ちょっとしたひと手間がおいしさにつながります。

意外とシビアな「計り方」

Photo by 象印マホービン株式会社

三嶋 米と水分の関係はとてもシビア。少し分量がズレるだけで仕上がりに影響がでます。手ですり切りをするとどうしても力が入ってしまい、1カップにつきお米の量が5~10g変わってしまうことも。カップ山盛りにお米を入れ、棒や箸などの道具を使ってすり切りをしましょう。
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