ライター : ☆ゴン

お雑煮の具材一覧

お雑煮といえば、おせちと並んで日本の正月に欠かせない料理です。平安時代が発祥とされ、室町時代には公家や武家社会で慶事料理として定着。江戸時代には、庶民にも広く食べられるようになりました。

「ハレの日」のごちそうが、しだいに正月料理に取り入れられていくのです。だしや味付け、具、餅の形まで、各地で異なるのがお雑煮のおもしろいところ。この記事では、北海道から九州まで、地方ごとの代表的なお雑煮を紹介します。
地域主な具材味付け
北海道鶏肉、根菜、しいたけ、つとなど
地域により鮭やいくら、海苔など
ほとんどが焼いた切り餅
山形出身の家では丸餅も
鶏ガラだしとしょうゆのすまし汁
東北根菜、しいたけ、こんにゃくなど
地域によってあわび、比内地鶏、
皮くじら(脂肪)、焼きはぜなど
ほとんどが焼いた切り餅
山形では丸餅を使う地域も
だしとしょうゆ味のすまし汁
焼きあじでだしをとる地域も
関東鶏肉、青菜、しいたけ
地域によりはば海苔、すり豆腐も
ほとんどが焼いた切り餅だしとしょうゆ味のすまし汁
中部青菜、里芋、大根、かつおぶし
愛知県では餅菜が必須の野菜
ほとんどが焼いた切り餅
切り餅を煮る場合もある
だしとしょうゆ味のすまし汁
地域によってみそ仕立てもある
近畿里芋、金時にんじん、大根など
地域によってはあなごを入れる
ほとんどが丸餅を煮る白みそ仕立て
大阪ではすまし汁にすることも
中国・四国にんじん、大根、あんこ餅など
地域によってかき、小豆など
ほとんどが丸餅を煮る
切り餅を使う地域もある
白みそ仕立て
だしとしょうゆ味のすまし汁も
九州鶏肉、根菜、かつお菜など
地域によりぶり、焼きえびなど
ほとんどが丸餅を煮るあごだしとしょうゆのすまし汁
えびのだしを使う地域も

地域別。お雑煮の特徴と具材

北海道

Photo by akiyon

長らくアイヌの人々が住む大地であった北海道は、徳川幕府から明治政府に変わると、本州から旧藩の士族が開拓団として移住。とくに東北の士族が多く、各旧藩ごとに結束して集まり、根付いた歴史があります。そのため地域ごとに郷里の味が、いまでも色濃く残っているのです。

そのなかでも、青森・岩手・秋田出身の先祖を持つ家系のお雑煮が、道内ではもっともポピュラー。鶏ガラや鶏肉でだしをとり、甘めのしょうゆで味付けしすまし汁にします。具には焼いた切り餅と根菜のほか、「つと」と呼ばれる、なると巻き風かまぼこを入れるのが特徴です。

東北

東北地方は、いろんなお雑煮があることで知られています。県が変わるだけで具や食べ方も違う、個性的なお雑煮ばかり。

岩手県では、あわびを具にする豪華な三陸あわび雑煮や、餅をくるみだれにつけて食べる宮古くるみ雑煮が有名です。秋田県には比内地鶏を具にするお雑煮や、焼きあじでだしをとる男鹿半島のお雑煮も。

とくに異色なのが、かつて捕鯨基地があった青森県八戸市のくじら雑煮で、同じものが北陸の新潟県にもあるそうです。東北最大の都市、宮城県仙台市のお雑煮には、焼きはぜが丸ごと一匹ドンとのっています。

関東

Photo by macaroni

昔から東京を中心に食べられてきたお雑煮を、一般的に関東風雑煮と呼びます。鶏肉と青菜、しいたけ、焼いた切り餅を具材にする、しょうゆ仕立てのすまし汁で、日本のお雑煮のスタンダード。しかし、関東のほかの県も同じかというと、そうではありません。

隣県の千葉には、房州産の海藻を干したはば海苔をすまし汁の具にする、香り高いお雑煮があることで有名です。また茨城県には、すり鉢ですりつぶした豆腐をだしに加え、砂糖で甘く仕上げる、スイーツ感覚の白和え雑煮があります。地元では豆腐餅と呼ばれているそうですよ。

中部

中部地方は、広義では北陸や中央高地を含みますが、ここでは東海地方を中心に紹介します。

静岡県のお雑煮は、かつおの水揚げ日本一の焼津港を擁するだけあって、かつおだしとしょうゆのすまし汁が一般的です。具に青菜は欠かせず、里芋や大根を入れる家庭も。切り餅は煮ても焼いてもどちらでもよく、仕上げにかつおぶしをたっぷりかけるのが特徴です。

名古屋市がある愛知県では、餅菜という青菜と切り餅を入れます。八丁みそ発祥の土地柄ながら、汁はしょうゆ味のシンプルなすまし仕立て。北に隣接する岐阜県も、ほぼ愛知と変わりません。

近畿

Photo by macaroni

近畿地方のお雑煮は、丸餅入りの白みそ仕立てが多いです。とくに有名なのが京都のお雑煮。甘めの白みそ汁に、里芋や金時にんじん、大根などの具を入れます。

隣りの奈良や滋賀県でもほぼ同じ内容ながら、奈良ではお雑煮の丸餅を、きな粉につけて食べるユニークな風習が。兵庫県の姫路では、特産のあなごを具に入れるのが特徴です。

大阪も白みそ仕立てに金時にんじん、大根には雑煮大根と呼ぶ小さな品種を使用。ただし2日目は、しょうゆ仕立てのすまし汁にします。飽きないための工夫と「商い」にかけた、縁起かつぎの意味があるそうです。
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