ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

実はトマトの旬は夏じゃない!?

夏になると食べたくなる野菜の一つに「トマト」がありますね。色や形、大きさなど、トマトの種類は何千種類もあると言われています。最近では、いろいろな品種のトマトが出回り、なかにはトマトのみを取り扱う専門店もあります。手軽に作れるため、家庭菜園でトマトを作る方も増えてきました。春先に種をまき、夏に収穫するご家庭が多いのではないでしょうか。そのため「トマトの旬は夏!」と思い込んでいる方も多いはず。 最近では、輸送や保管の技術の発達が進み、一年中食べられる野菜が増えてきました。そのため、いつが旬なのか知らない人もいるようです。しかし、旬の食材はやはりみずみずしく、うまみや甘みがぎゅっと凝縮されています。今回は、意外と知られていないトマトの旬についてご紹介します。

夏野菜のイメージが強いトマトだけど…違うの??

夏野菜は夏の日差しをたっぷり浴びて育ち、栄養がたっぷり詰まっています。「旬のものは旬の時期に……」と言うだけあって、夏野菜は夏バテ予防になる効果がたくさん含まれています。ですので暑い時期には積極的に摂りたいものです。それでは夏が旬の野菜とは、どんなものがあるのでしょうか。 パッと思いつくのは、なす、きゅうり、オクラ、ピーマン、パプリカ、ズッキーニ、ゴーヤ、枝豆等ですね。これらの野菜に共通することは、「枝にぶら下がっていて、種まで食べられるもの」です。しかし、枝にぶら下がり、種まで食べられるのはトマトも同様。トマトは夏でも食べられる野菜ではありますが、一番おいしい時期ではないようです。 では、トマトはいつ頃食べるのが最もおいしいのでしょうか。これから詳しく見ていきましょう。

知らなかった?! トマトが本当においしいのは春と秋冬!

トマトは、実は高温多湿に弱く、冷涼で強い日差しを好む野菜です。この点から言うと夏の野菜とは言えません。トマトの性質からすると、春から初夏、秋から初冬が一番おいしい時期と言えるでしょう。 トマトの旬が夏とされたのは、日本でトマトの栽培が始まったころからとされています。当時は農具の発達や温室などの設備が不十分でした。「春に種まきしたものは、夏に実がなる」という構図から「トマトの旬=夏」となったようです。 全国各地で作られているトマトですが、最もたくさん作っているのは北海道、熊本、愛知、茨城県あたりです。現在では、農業の効率化が計られ、農機具や温室栽培などの設備が普及しました。その結果、各地でたくさんの品種のトマトを栽培することができ、成長に適した季節に収穫することが可能になっています。

トマトを楽しむレシピ4選

1. トマトクリームパスタ

手間がかかりそうなトマトクリームパスタを簡単に作ってみましょう。生クリームを使うことでコクが出て、プリプリした食感のエビともしっかり絡みます。コンソメでトマトの酸味が抑えられるので、お子様も食べやすくさっぱり味のパスタです。最後にパルメザンチーズを振りかけると、さらにまろやかになりますよ。

2. ナスとトマトのチーズ焼き

もうひと品ほしい時に、切って並べてオーブンで焼くだけのお助けレシピです。ナスとトマトとチーズは間違いなしの組み合わせ。焼いたトマトはフルーティで、ナスはトロトロ、チーズはとろ~りとろけます。ギュッと旨味が凝縮され、食べごたえのあるひと品の完成です。熱いうちに召し上がれ。

3. トマトと卵のサラダ

フレッシュなトマトを卵のフィリングと一緒にいただきましょう。ザクザクした食感のきゅうりと玉ねぎはトマトにたっぷりのせてもあっさりいただけます。朝食のパンのお供にも良いですし、ワインのおつまみにも最適ですね。リコピンたっぷりの生のトマトをたくさんいただきましょう。
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