ライター : macaroni 編集部

教えてくれた人

日本あんこ協会 認定あんバサダー / あんくみさん
福岡県出身。幼い頃からあんこを愛し、誰よりもあんこを食している自負を持つ。「ダサいと思われるかも」という不安からあんこ好きであることは胸に秘めていたが、2018年に上京してSHISEIDO×とらやがコラボしたポップアップショップ&カフェを訪れたことにより、「あんこは古臭い」という概念は一瞬で消滅。以来、日本あんこ協会の認定あんバサダーとして、あんこの魅力やあんこへの情熱をSNSで日々発信し続けている。

おはぎも“オシャレ&映える”時代に

インスタにたくさんのあんこスイーツの写真をアップされていますが、おはぎもお好きなんですか?

Photo by shutterstock

「私があんこ好きになったのは、おはぎがきっかけ。春と秋のお彼岸になると母がいつもおはぎを作ってくれていたのですが、それが本当に大好きだったんです。

学校から帰ると、でき立てホカホカのおはぎが重箱にキラキラ並んでいて。それを口いっぱいに頬張るのが何よりの楽しみでした。母がていねいに炊いたあんこは粒立っていて少しだけ緩めで、ほどよい塩気と控えめな甘さがあとを引くおいしさ!そして、それをまとう餅米は、炊き立ての半ごろしでもっちもち……!

そのおかげで、5、6歳の頃にはあんこの甘美が脳にしっかりと刻まれていましたね(笑)。おはぎはほかの和菓子よりあんこをダイレクトに感じられて、食べていると幸福感で満たされるので今でも大好物です」

最近はいろいろなおはぎがあると聞きますが、おはぎのトレンドについて教えてください。

Photo by あんくみ

福岡の和菓子屋「御菓子TUGI」のおはぎ
「SNSの広まりにより、和菓子界も“オシャレで映える”傾向になってきているように思います。例えば、オシャレカフェのインスタ映えするあんバターサンドとか、“食べたい!”以上に、“見たい!”という気持ちがくすぐられる和菓子がたくさん出ています。

世の中のあんこに対するイメージが変わってきていると思いますし、おはぎも古典的な形にとらわれなくなっているのかなぁと感じます。変わった素材を取り入れていたり、見た目が美しいものがあったりと、ワクワクするようなおはぎが次々に誕生していますよ!」

どうやら、最近のおはぎは見た目にもかなり変化があるようです。では、あんこを愛してやまないあんくみさんに厳選してもらった、おすすめのおはぎをご紹介します。

1. まるでお花みたいな進化系おはぎ「タケノとおはぎ」/桜新町

Photo by あんくみ

手前から時計回りにつぶあん180円、麻の実ときなこ250円、ムーランルージュ330円、ココナッツレモンピール280円、洋梨の赤ワインコンポートとシナモン310円(すべて税込)
「ほかにはない芸術的な見た目がとにかく素晴らしいんです。花と見間違うほどに美しい……!これを創り出す店主さんのセンスや感性にいつも感動します。

見た目だけでなく、もちろんあんこも絶品!おいしさと美しさの秘密は、季節の果物や野菜を使う斬新さにあります。添加物は一切使用せず、素材の味を最大限に活かしているそうです。今まで食べたなかでの一番のお気に入りは、『洋梨の赤ワインコンポートとシナモン』。あんこの中に洋梨の果肉が入っていて、コク深いあんこなのに後味はさっぱりしているんです。あんこがあまり得意でない方にもおすすめしたい商品ですね。

休日は行列ができるほどの人気店ですが、季節のおはぎがどんどん登場するので行く度に新しい出会いがあるのもうれしいポイント。おはぎと同様にお店も非常に洗練された空間で、何度訪れても胸が高まります!」
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2. 昔ながらの伝統的なおはぎ「甘味おかめ」/渋谷

Photo by あんくみ

飲み物付きのおはぎセット850円(税込)。左奥からきなことごまのおはぎ
「“これぞ昔ながらのおはぎ!”という堂々とした見た目とボリューム感のおはぎです。握りこぶしくらいの大きさなので、あんこマニアとしてはあんこ欲が満たされます。

小豆と砂糖だけを使って作られるあんこは、くどさのないすっきりとした味わい。甘さも粘りもしっかりとしたあんこと粒感が残る餅米との相性が抜群です。種類はつぶあん、玄米、ごま、きなこの4種。オーダーを受けてからひとつひとつ手作りしているそうで、ほんのり温かい状態で出てくるのも特徴です。若い方はもちろんお年を召した方まで、幅広い世代に愛されるおはぎだと思いますね。

有楽町店や麹町店のような本漆喰であしらわれた店内も趣があって素敵ですが、新しくオープンした渋谷パルコ店は若い方でも入りやすい雰囲気で実にスタイリッシュ。巨大なウォールアートが目を引く空間でのお茶時間は、満足度が高くなると思います。老舗の和菓子屋さんだけあって衣装箱は古典的なのにどこかオシャレ。手土産としても喜ばれるのではないでしょうか」
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3. 小物のように愛くるしいおはぎ「OHAGI 3」/浅草

Photo by あんくみ

手前から時計回りに苺花、毬花各280円、暁月、満月、夕月、半月各220円(すべて税込)
「名古屋で話題のおはぎ店が浅草にオープンしたのですが、こちらのおはぎはコロンとしたひと口サイズでとってもかわいいんです!

おはぎはどれも無添加。定番品に加え、みたらしやココナッツなどの変わり種が食べられます。月替りで登場する新作はどれも季節を感じられる見た目と味わいで、さすがのクオリティです。ちなみに私の一押しは『夕月』。あんことみたらしが一度に楽しめる夢のようなおはぎで、甘じょっぱくてクセになるおいしさですよ。

OHAGI 3さんではおはぎを使ったパフェやドリンクのテイクアウト販売もおこなっているので、散策のお供にぴったり。“おはぎのおいしさを世界の人々に届けたい”というお店のコンセプトどおり、浅草観光に来られた海外の方にもぜひ食べてもらいたいです」
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