ライター : kyoko.nishiyama

料理家 / 料理ブロガー

さつまいもの魅力

古来から貴重な食材

この季節、芋栗かぼちゃをやたらと食べてしまっているのは私だけではないはず!そこで今回は、旬のさつまいもに注目してみました。

古来から貴重な食料として栽培されてきたさつまいも。コロンブスがヨーロッパに伝え、日本では江戸時代から栽培さがはじまったといわれています。やせた土地でもよく育つ、作物としての優秀さが重宝されたのでしょうね。

食物繊維豊富で小腹満たしにも

Photo by ちょりママ

主成分はデンプン。加熱すると一部が糖質に変わって甘みが増します。離乳食でも初期から使えるので小さいお子さんから幅広く食べられているのを感じます。

カロリーは米や小麦の三分の一程度と低く、ビタミンCが豊富。さつまいものといえば食物繊維が頭に浮かぶ方も多いでしょうか。食物繊維は皮に多いのでもれなく栄養を摂るなら皮ごといただきましょう。カリウムやカルシウム、マグネシウム、銅などのミネラルも比較的含まれています(※1)。

保存は冷暗所で

ふっくらとして重量感があり、皮のつやがよいものが新鮮な証拠。皮にしわなどがよってない、乾燥しすぎてないというのも選び方のポイントです。

低温に弱いので、冷蔵保存よりも新聞紙などに包んで冷暗所で保存するのがおすすめ。使いかけもラップに包んで冷蔵庫へ。早めに食べ切るようにしましょう。

作り置きやお弁当にもお役立ち

Photo by ちょりママ

鮮やかな黄色で色味が良く、水分を多く含まないので、作り置きやお弁当にも向く食材です。

サンドウィッチの具にすると食べ応え満点!シンプルにバターと塩だけでも甘くおいしいので、素材を生かすかアレンジするか、迷ってしまいますね。

どれが好み?さつまいもの人気品種

Photo by ちょりママ

さて、そんなさつまいもを実際に食べる前に、人気の高い品種の特徴を頭に入れておきましょう。

「紅あずま」は、千葉や茨城県を中心に東日本で多く栽培されている品種。煮崩れしにくく、皮は赤く中身は濃い黄色で甘みが強いのが特徴です。その甘みを活かして製菓用にもよく使われています(※2)。

「鳴門金時」は徳島県のブランド品種。中身は淡い黄色で上品な甘さと炒めの美しさで人気が高いさつまいもです。ほどよい甘みで味がよく、加熱すると鮮やかな黄色になるので栗きんとんなどに適しています(※2)。

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そのほか、加熱すると鮮やかな紫色になる「パープルスイートロード」も人気が高い品種です。

忘れてはいけない品種がもうひとつありましたね!種子島の特産品「安納芋」。オレンジ色の果肉は甘みが強く、ねっとりした食感が特徴です。ただ焼くだけで極上スイーツのような味わいを楽しめます(※1)。

ベストな焼き方は?3パターンで仕上がりを検証

さつまいもの食べ方といえば、まず思いつくのが焼いもです。おうちで焼きいもを作るとき、どう調理していますか?

自宅でよりおいしい焼きいもを作る方法を探るべく、オーブンの温度設定と焼き時間で仕上がりがどう変わるのか、検証してみました。

焼いたさつまいもが甘くなるのは、β-アミラーゼという消化酵素が、加熱で糊化したデンプンに作用して麦芽糖(甘味成分)を生成するから(※3)。この変化が起こる温度がおおよそ70度前後といわれています。つまり、この温度を長時間キープすることが、甘くておいしい焼きいも作りのポイントとなるわけですね。

Photo by ちょりママ

さつまいもを皮ごと洗い、予熱なしのオーブンで焼いてみました。温度と時間を変えた3パターン、上画像の左から、

250℃/50分
220℃/60分
180℃/80分

です。

さつまいもの個体差もあるでしょうし、あくまで私感ですが、それぞれの印象は以下のとおり。

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