ライター : dressing

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飲食店激戦区の三軒茶屋で、6年間愛されるグリルバル『マルノワ』

飲食店の激戦区・三軒茶屋で6年間、地元で暮らす人たちや働く人たちに愛されてきた店、グリルバル『マルノワ』。オーナーシェフである田中雄基さんは、「常連の人たちからは、大人の部室と呼ばれてるんですよ」とニコニコ語る。

居心地抜群で、仲間同士でリラックスできる空間と、フレンチ出身料理人が作るウマい料理。一度訪れると通いたくなってしまう一軒、『マルノワ』の魅力を紹介しよう。
東急田園都市線・三軒茶屋駅から徒歩3分。庶民的な雰囲気で、朝から晩まで人通りの絶えない栄通り商店街沿いのビル2階に、同店は位置する。奥まった入口が、隠れ家のような雰囲気を醸し出している。 スタイリッシュなロゴマークが付いたドアを開くと、通りに面した大きなガラス窓が印象的な空間が広がる。
おしゃれな椅子は、モダンデザインの巨匠と呼ばれるフィリップ・スタルクによるもの。ナチュラルな木のカウンターやテーブルとの取り合わせが不思議とよく馴染んでいる。

フレンチ出身シェフによる、楽しい時間を過ごすための料理

頼まれれば、おにぎりや唐揚げから本格フレンチまで作ってしまうという田中さんは、フレンチシェフとしてキャリアを積んできた。 働いていたダイニングバーで西洋料理の面白さに気付き、その後、都内ホテルや赤坂のフレンチ『ビストロ ボンファム』で修業。 『ラ・トゥール・ダルジャン』のシェフだったドミニク・コルビ氏がエグゼクティブシェフを務めた銀座『ル・シズィエム・サンス・ドゥ・オエノン レストラン』(現在は閉店)や、フランス・プロヴァンス地方にあるミシュラン星付きレストランでも研鑽を積んだ後、満を持して独立した。
当初は、培った技を生かした本格的なフランス料理を作っていこうと考えていたが、訪れる人たちにとって楽しいことを大切にしたいと考えるうちに、肩肘はらず仲間と過ごせる、三軒茶屋にふさわしい今のスタイルとなった。 「食べたいように食べて、飲みたいように飲む。楽しい空間でリラックスして過ごしてもらうことが一番大事ですね」(田中さん)

彩りや種類も豊富な「ビタミンサラダ」で、野菜の滋味を堪能

「野菜とお肉をモリモリ食べて、お酒も楽しんで!」がテーマの『マルノワ』の料理。さっそく、それを象徴する料理を3品ご紹介しよう。
イチオシメニューの「無農薬・有機野菜の28種類健康ビタミンサラダ」(写真上)。花畑のようなビジュアル抜群のサラダだが、食べるとそのおいしさが人気の秘訣だとわかる。

同メニューは、キャロットラペや紫キャベツのマリネといった、ビストロ定番の野菜や総菜をそのまま出すのではなく、何か工夫をしようというところからスタートした。最初は野菜も10種類ほどだったが、もっと楽しくと考えているうちに28種類にもなってしまったという。

野菜の種類や総菜は季節によって変わり、この日は、キャロットラぺとキノコのマリネ、ルートパセリ(パセリの根っこ)のわさびマヨネーズ和え、大根のゴマ和えなどの総菜に、赤カブや葉野菜、レンズ豆、イタリア産大麦といったサラダの定番食材をどっさりとプラス。

食べ進めるなかで、いろいろな味や食感がひょっこり現れてくるのが、なんとも楽しい。
サイズはS・M・Lがあり、写真はMサイズ。人数や食べたい量に合わせて選ぶことができる。

オリジナルドレッシングは、野菜の苦みや甘みを引き立ててくれる、良きパートナー。タマネギ・サラダ油・オリーブオイル・リンゴ酢・米酢・マスタード・ハチミツなどの多彩な組み合わせが、深みのあるコクを生み出している。オイルは控えめで、後口もサッパリだ。

こだわりのタレが効いた「ポークジンジャー」は、クセになるおいしさ

「作りたいのは、凝ったものではないけれど、誰もが大好きな料理。名前を見たら、味が想像できるような身近なものをおいしく作っていきたいですね」と語る田中シェフ。
そんな料理の代表格が、写真上の「とんかつ太志のポークジンジャー」。 『とんかつ太志』とは、厳選した国産豚を使ったとんかつが人気を博し、『ミシュランガイド東京 2020』で初めてビブグルマンとして掲載された池ノ上にあるお店。シェフが近所に住んでいるというご縁から、『とんかつ太志』で使用する豚肉を分けてもらうことになったという。 低温調理でやわらかく火入れした豚肉を厚切りにし、フライパンで表面をカリッと焼きつけていく。そして、ショウガ・ニンニク・タマネギ・ニンジン・リンゴ・醤油・みりん・酒・赤ワインを合わせた特製のタレを回しかけて、肉に絡めていく。 タレをまとった肉は、山盛りのキャベツが敷かれたアツアツの鉄皿に盛り付けられる。ジュウジュウと音を立てる皿から立ち昇る香りに、食欲がそそられる。
上質な豚肉は脂身まで甘く、厚みのある肉を噛みしめると、ジワリとうまみが湧いてくる。そして、この肉にかかったタレがなんとも絶品。しっかりした醤油の味にタマネギやリンゴの自然な甘みが活き、ご飯にもお酒にも合うポークジンジャーに仕上がっている。 上にトッピングされているのは、デュカというクミン・コリアンダー・砕いたナッツ類・ゴマを合わせたスパイス。エスニックな香りとナッツの香ばしさが、ガーリックの利いたタレと相性抜群だ。

うまみがジュワっと溢れる肉料理は、マストオーダー!

『マルノワ』で一番人気なのは肉料理。ハンターから仕入れた新鮮なジビエ、日本全国から仕入れたA5ランク和牛の様々な部位など、バリエーションも豊富だ。いずれもシェフが厳選した良質な肉ばかりなので、シンプルにローストしただけでも肉のうまみが溢れてくる。
写真上は、アイルランド産の牛肉を使った「赤身牛のハラミステーキ」。グリルパンで焼き目をじっくり付けた後、休ませて中まで火を入れている。ロゼ色の肉はしっとりやわらかく、ジューシーな食感がたまらない。

付け合わせは「じゃがいものクリームグラタン」。この付け合わせは、お客の注文メニューに応じて変わる臨機応変に変えているという。

例えば、サラダをオーダーしていなければ、たっぷりのサラダが付け合わせ。肉だけでなく野菜もたっぷり食べて欲しいというシェフの心配りだ。

仲間と楽しく飲めるワインやドリンクも充実!

ワインは、正統派のクラシックワインから自然派まで充実の品揃え。店に通ってくれるお客の好みを考えてラインナップしているという。 また、ワイン好きには嬉しい「スリーグラスセット」は、赤、白、スパークリング3種類のワインが一度に楽しめるメニュー。頼んだ料理に合わせて選んでもらうことができる。
ワインだけでなく、亀甲宮焼酎「キンミヤ焼酎」もリクエストがあれば、ボトルキープで対応。楽しく飲んでもらうことが何より一番という考えが伺い知れる。
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