食べてうつぬけ！梅雨のうつ状態を解消するための食事術 (2ページ目)

食べ過ぎてしまいがちな人：野菜から食べる

「食べ過ぎてしまうことが多い人は、野菜から食べるようにしましょう。野菜を食べて、それからメインディッシュ。ごはんを食べたいなら、やはり最後にしてください」最初に野菜をたっぷり食べれば、主食のドカ食いで糖質を摂りすぎることがなくなり、食物繊維が血糖値の急上昇を抑えてくれます。我慢できるなら主食は少なめにしておきましょう。

よく噛む。目安はひと口30回！

必要な栄養を補給するには、しっかり吸収できるよう消化しなければいけません。そこで意識したいのが、噛む回数。

「栄養を効率よく吸収するため、食べた物が消化しやすくなるようよく噛んでください。『そういわれてもなかなか実践できない』という人は、最初のひと口だけでいいので30回噛むようにしましょう。ひと口目でよく噛むという意識付けをすることで、自然に噛む回数が増えていきます。大事なのは、リラックスして楽しく食べること。その上で、噛むことを意識してください」

加えて、レモン水、パセリ、酢の物など胃酸分泌を促すものを最初に摂ったり、大根おろしなどの消化酵素を豊富に含む食べ物を摂ったりするのも有用です。また、お肉をすりおろした玉ねぎや塩麹に漬け込んでやわらかくしておくと、消化しやすくなるのでぜひお試しを。

「具だくさん味噌汁」でココロとカラダに栄養補給

Photo by macaroni

いろいろ考えながら食事をするのは面倒くさい……。そういう人におすすめの料理がひとつあるんです。それは、具だくさん味噌汁！

「とにかく簡単で、短時間で調理できて、なにを入れてもおいしい。栄養型うつの改善には具だくさん味噌汁がイチオシです。まずは大きめのお椀を用意して、たっぷりのお味噌汁をおかずとして食べる習慣を」（奥平先生）

ポイントは、具材を3種以上入れること。そのうち2つをたんぱく質にするのが理想的です。さらに、きのこ、海藻、薬味を入れて、マグネシウム豊富なにがりを数滴たらしたら申し分なし！

料理が苦手という人も、これくらいなら手軽に試せるのでは？

最後に、食事術以外の梅雨うつ対策

食事術以外で簡単にできる梅雨うつ対策はないか、奥平先生に訊ねてみました。「漢方を試してみてはいかがでしょうか。たとえば五苓散（ごれいさん）は、気圧によって体の水のバランスが崩れた状態を整えるための漢方薬。気圧の低い時期、頭痛がひどいときなどに試してみてください」

このほか、奥平先生が教えてくれた、ココロが不調なときに元気を取り戻してくれそうな漢方薬は以下のとおり。・イライラに「抑肝散」（よくかんさん）・憂うつに「香蘇散」（こうそさん）・不安に「半夏厚朴湯」（はんげこうぼくとう）・食欲がなく疲れやすい人に「人参養栄湯」（にんじんようえいとう）

また、食事で十分に補えないならサプリメントでの栄養補給も積極的に行うといいと奥平先生。特にビタミンB群やアミノ酸は意識して飲むようにした方がよさそうです。

「加えて、日頃のストレスを減らす努力もしてみましょう。たとえば携帯やパソコンを使う時間を減らし、運動する。そして、十分に睡眠をとること」（奥平先生）

メンタルヘルスは食事から。食事で摂った栄養はココロとつながっています。健康診断の血液検査結果がオールAだったとしても、隠れ栄養欠乏でココロやカラダに不調をきたしている人は多い。ですから、ココロの不調が堪えるときはまず栄養不足を疑ってみましょう。そして、食事を改善しても症状が変わらないと感じたら、自分で治せると高を括らず専門の医師に相談する。いろいろなものを活用して、いつも笑顔でいられるよう、ココロの健康維持に努めてくださいね！