ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

幻の果物「ポポー」とは?

あまり見ることのない「ポポー」。バンレイシ科アシミナ属に属し、原産地は北アメリカ東部です。日本には、明治30年頃に入ってきて観賞用として普及し、昭和初期には栽培の簡単さからブームとなりました。

ただ、熟してから傷むのが早く、完熟すると皮が黒ずみ見栄えが悪くなるため、流通がむずかしい点が難点。徐々に栽培が減り、今では「幻の果物」と言われるほど市場では見なくなりました。

ポポーの特徴

食感や味

ポポーは熟すと、トロピカルフルーツのような、独特の甘い香りを放ちます。品種によって味わいはさまざまですが、ねっとりと甘いクリーム状で、アボカドやバナナ、マンゴー、柿をミックスしたような食感。「森のカスタードクリーム」と言われるほどの濃厚さが魅力です。

ポポーの食べ頃は、見た目では判断しにくいため、軽く押さえて弾力を確認しましょう。濃い香りが十分に出ているものを選ぶといいですよ。

主な産地

ポポーの主な産地は、愛媛県や茨城県。愛媛県大洲市長浜町櫛生では「日本一のポポーの里・櫛生」を目標とし、地域をあげてポポーの栽培に取り組んでいます。

また、茨城県日立市では、特産品としてワインやソフトクリームなどが作られていますよ。そのほか、静岡県や山梨県、長野県、三重県、島根県、長崎県などさまざまな地域で生産されているようです。

地域によって多少前後するものの、旬は8月下旬〜10月頃。収穫期間が1ヶ月ほどと非常に短いうえ、完熟すると日持ちしにくいため、市場にはあまり多く出回りません。

品種や種類

日本では「シェナンドー」「サンフラワー」「オーバーリース」などの品種が比較的多く栽培されています。「シェナンドー」は種が少なく果肉が多いため食べやすく、濃厚な甘みが特徴。「サンフラワー」は果実が大きめで香りがよく、クリーミーな味わいが楽しめます。

「オーバーリース」は甘みが強く、果肉がやわらかいため人気の高い品種です。このほかにも「マンゴー」「ウェールズ」などさまざまな品種があり、それぞれ香りや甘み、果実の大きさが異なります。

ポポーのおいしい食べ方・切り方

生で食べる場合

完熟のポポーは、カットしてスプーンですくって食べるのが一番おすすめです。まず軽く水洗いし、包丁で縦半分に切ります。アボカドを切るようなイメージで、果実をぐるりと一周切り込み、左右に開くと果肉が見えます。

中央に、黒くて硬い種が縦に等間隔に一列に並んでいます。種は食べられないため、スプーンや手で取り除いてください。皮のすぐ内側までやわらかい果肉があるので、スプーンで果肉だけをすくって食べましょう。

加工して食べる場合

ポポーは日持ちしないので、加工して食べてもいいでしょう。ポポーを冷凍し、パイナップルやバナナなどの果物やヨーグルトと一緒にミキサーにかけ、スムージーを作ると絶品。

また、ポポーをピューレにしてからプリンやババロア、アイスクリームを作ると、ポポー特有の甘い香りが広がるまろやかなひと品に仕上がりますよ。そのほかにも、ポポーに砂糖、多めのレモン汁を合わせてジャムを作るのもGOOD。ヨーグルトやアイスクリームにのせて楽しめます。
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