ライター : FOODIE

三越伊勢丹グループが運営する食のメディア

この記事は、三越伊勢丹が運営する、「FOODIE」の提供でお送りします。
納豆、ついつい値段だけ見て選んでいませんか? 一見地味な納豆ですが、実は産地や製法によって味わいが異なり、とても奥深い食品なのです。今回は、納豆の情報サイト「納豆wiki」を運営する石井泰二さんが、伊勢丹で人気のプレミアムな納豆4種類を食べ比べ。
これまで3,500種類以上の納豆を食べてきたという独自の目線で、その魅力を徹底解説します。さらに、おいしい納豆を見分けるポイントも伝授。これを読めば、きっと今日から納豆の選び方が変わるはず!

個性豊かな味と香り。「地納豆」がアツい!

自身を生粋の「納豆マニア」と語る石井さん。運営する納豆の総合情報サイト「納豆wiki」に掲載する納豆は2,000種類を超え、それぞれの味や特徴などの情報を発信しています。
「どこでも気軽に買えるナショナルブランドの商品もいいですが、ぜひ多くの人に知ってもらいたいのが、『地納豆』と呼ばれる、その土地に根付き、昔から食べられている納豆。それぞれ見た目や香り、味の個性が違って奥深いんです。その多くが生産量の少ないものなので、全国各地を巡るなかで、それまで見たことのなかった納豆や、噂でしか聞いたことのなかった納豆と出合うのが何よりの喜びですね」

見た目、香り、混ぜた感触……マニアの注目点とは?

そんな石井さんのライフワークにもなっている納豆のチェックは、大きく分けて以下の5段階で行われます。
①全体の見た目 ②香り ③混ぜた感触 ④粒の特徴 ⑤味、食感

①全体の見た目をチェック

まずは混ぜる前に全体の見た目を確認します。
「注目するのは、粒ぞろい、豆の色み、そして『被り』と呼ばれる豆についた白い膜の状態。特に『被り』は、納豆菌が大豆のたんぱく質を分解して生まれるもので、これが全体的に均一でしっかり出ていると、納豆菌がよく働き、旨み成分が作られているという指標になります。
機械ではなく、手盛りでふんわりとパッキングされているものは豆と豆の間に空洞ができるので、豆の上面だけでなく全体に『被り』ができているものが多いです。『まじめに作られた納豆だな』と感じますね」

②香りをチェック

次に納豆の香りをチェックします。
「納豆特有の発酵した香りの中に、大豆そのもののよい香りを感じられるかがポイント。大豆の香りがしっかりしていると、味も濃厚なものが多いからです。また、それ以外の香りがすると雑味があったり、発酵が進みすぎてしまっていたりすることがあります」

③混ぜた感触をチェック

続いて、混ぜたときの感触や糸の状態を確認します。
「丁寧に手盛りされた納豆には、箸がスッとスムーズに入る感触があります。混ぜてみると、糸の量が多いものや少ないもの、糸がスーッと伸びるもの、粘りの引きが力強いもの、さらっとしているものなど、さまざまな個性が見えてきます」

④粒の特徴をチェック

続いて、豆ひと粒単位の特徴をチェックしていきます。ここで石井さんが手にしたのは、なんと定規! 本来、納豆の粒の大きさはJASで規定されていますが、それは乾燥した大豆のサイズが対象となっています。一方石井さんは独自の判定として、納豆になった状態で粒のサイズを測っているそうです。
「新しい納豆に出合ったら、必ず定規で粒の大きさを測ります。サイズの目安は、それぞれ直径が9mmより小さいと極小粒、10mm前後が小粒、15mm前後が大粒、17mm以上が極大粒、小粒と大粒の中間を中粒とし、5種類程度に分類しています。なお、それぞれのサイズの境目あたりの大きさだった場合、ふっくらとした豆と長粒のやせた豆とでは、同じ寸法でも判定が別れることがあります。
個人的にはどのサイズでも好きですが、大粒は豆の味が感じやすいので『アタリ』が多いという実感がありますね。サイズを測るのと同時に、表面の状態もチェックします。粒の表面がなめらかだと舌触りがよく、よりおいしく感じますから」
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