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今日の料理上手さん
だから、やっぱり器が好き
器を好きな理由や、器を使うことで起きる心の変化について教えてください。
お気に入りの器があることで、お料理に対するモチベーションがあがります。今日は何をどんなふうに盛りつけようかな?新しいお料理に挑戦してみようかな?そうやって考えるだけでとても楽しいです。
お料理は、視覚で美味しいと感じる部分が意外に大きいようです。お洋服をコーディネートしたり、一枚の絵を描くように器あわせにも気を遣ってみると、おうちごはんが楽しく、もっとおいしくなると思います。
「器えらび」のこだわり、あれこれ
「器えらび」のポイントを教えてください。
よく作るお料理のジャンルや家族構成により、自分が使いやすいサイズ感というものがあると思うので、そのサイズをまず知る事です。例えば、自分のお気に入りが七寸のプレートだったとします。その器と共に並べるイメージをし、しっくりくるサイズ、材質、色、形であれば◎。
なんだかちょっと違うかも?と少しでも思ったら、どれだけ素敵な器であっても、やめておいた方が無難です。そのような器の出番は、ほとんどやってこないと思います。
器えらびは、お気に入りの器をベースに相性の良いものを少しずつ増やす。そうすれば器あわせがしやすく、統一感のある食卓になるのではないでしょうか。
そして器の楽しみ方として、家族分の枚数をそろえるのは取り皿ぐらいで、豆皿や大皿はランダムにお気に入りのものを集めていくと器あわせがとても面白いですよ。
わたしのお料理は、あなたに夢中
お気に入りの器ブランド・器作家さんを教えてください。
心和庵(三川内焼)
実家が長崎で焼き物の産地(有田・波佐見・三川内など)が近いこともあり、子供の頃から磁器に慣れ親しんできましたが、結婚後は土物の温かみに惹かれるようになり、いつからか磁器をほとんど使わなくなっていました。
そんな暮らしの中で、ふと出会ったのが心和庵さんの器でした。これぞ和食器!と言った磁器の器に、正直はじめはピンとこなかったのですが、手に取ってみて指先に伝わる感触に驚きました。
透けるような白い生地に、つるりと滑らかな手触り。まず惹かれたのが、デザインや使い勝手ではなく、三川内焼の生地の質感でした。器に触れて感動するなんてはじめてのことだったので衝撃的でした。
日本人は器に手を触れ持ち上げて食べますし、汁物などは直接口元へ運びます。だからこそ見た目だけではなく 三度の食事の中で心地よいと感じられる器を使いたいと思うようになり、心和庵さんの器を集めるようになりました。
心和庵さんは双子のご兄弟が阿吽の呼吸で魂を込め、1点ずつ制作しておられます。器には四季の草花や、意味を持った伝統文様が描かれてあり、日本人の持つ美意識を感じられ、使うたびに心が和みます。また染付の器は清涼感があり、夏は特にその美しさが際立ちます。
お手入れは とても簡単で洗ってふけばすぐに収納できるのも家事効率が良いです。(陶器は洗った後、しっかり乾燥させないとカビがはえてしまいます)
また、とても薄く端正に作られているので、スタッキングもしやすくスマートに収納できる点も気に入っています。
溺愛!器コレクション3選
愛用する器の中から、とっておきの器を3つ選ぶとしたら?
心和庵 │ 捻り地紋リム皿
とにかくこの器が大好きで惚れこんでいます!あらゆる料理を受け止めてくれる包容力、魅せるかっこよさは、手持ちの器の中でナンバーワンとも言えるほど。
和食を盛り付ければ季節の食材がいきいきと映え、中華を盛り付ければ思わずお腹がグゥ~っとなりそうなごちそう感が!
洋食だって、はたまたスイーツだって盛り付けるだけできまる器です。伝統文様をアレンジしたデザインは、懐かしさと新しさが競演。洗練された美しさがあります。
心和庵×丸山敬太コラボ │ 桜パスタ皿
満開の桜が散る間際の、美しくもはかなげな様子が余白に表れているようです。お料理を盛り付ける時も、食器棚にあるときも、その姿を楽しませてくれる器。
作家さんの手から今生まれたばかり。そんな事を感じさせるような器の柔らかなたわみは、クールな染付の世界をとても優しい印象にしていて、胸をキュンとさせます。
大きさは七寸ほど。浅すぎず深すぎない程よさが使いやすく アイデア次第で用途も広がります。パスタや麺類はもちろん、和ンプレート(※)やフレンチトーストなど 盛り付けが楽しくなる器です。
※和ンプレート…和風のワンプレート
岡晋吾
岡さんの器は独特な世界観を持っていて、一枚あるだけでもテーブルが華やぎます。古い時代のものを意識して作陶してらっしゃるので、味わいやぬくもりが感じられます。八寸ほどあるので、ワンプレートご飯を盛り付けてもバランスが良く綺麗です。
また大勢で食卓を囲むときには、一品をどんと盛り付けてテーブルの中央へ置くと、全体を引き締めるような効果があるように思います。岡さんの器は、上品さと使いやすさが魅力の盛り映えする器です。
運命の器と出逢う場所
いつも器を購入するお店を教えてください。
芦屋 貴兆陶家(兵庫)
有田や唐津、三川内など九州の器を多く扱うお店です。貴兆陶家さんの器のラインナップは、とても豊富で見応えがあります。時々セミナーやワークショップなども開催されています。
Second Spice (京都)
京料理をふとイメージするような、上品な器をセレクトしているお店です。主に料理店の器を手掛けておられる、谷村崇さんや岡晋吾さんの器との出会いはこちらのセカンドスパイスさんでした。ご主人がとても親切な方で、器や作家さんの事、また京都のおすすめのお店なども気さくに教えてくださいます。
てっさい堂 (京都)
古伊万里を専門に扱うお店です。圧巻の品揃えで、所狭しと並べられた器の中から、ビビッとくる一枚をじっくり探しだすのがとても楽しいお店です。状態も良いものばかりで、安心して購入出来ます。
savi no niwa (滋賀)
作家さんの個展の時にお伺いすることが多いお店ですが、常設時もオーナーのセンスと人柄が光る器が沢山あり、とても居心地の良いお店です。
暮らす うつわ とうもん (香川)
人気の作家さんの器を扱うお店で、オンラインショップを時々利用させていただいてます。浅漬け鉢が人気の田井さんの器も、とうもんさんでは比較的早く入荷があるようですよ!
「器えらび」をもっと楽しく
これから器を買われる方、器をどうえらんで良いかわからない方にアドバイスをお願いします。
毎日の食事で使う器ですから、暮らしに合った器えらびが出来るといいですよね。お料理を盛り付けて綺麗なだけではなく、気兼ねなく使えるか?収納はしやすいか?そこまでイメージすると、上手な器えらびが出来るんじゃないかなって思います。
『暮らしに寄り添ってくれる器 』こそ、自分にとっての良い器なのではないでしょうか。
器を用途だけで選ばず、好きかどうかでえらぶことも大切なポイントです。愛着が持てる器が出来ると、そこから自然と自分らしさのある器が増えてきて、手持ちの器同士が協調性を持ち、互いを引き立てあうようになります。
また遊び心を持って器を使い、盛り付けを楽しむことも大切ですね。蕎麦猪口にちらし寿司、レンゲに小さな一品、お猪口にデザートなど。型にはまらず、自分らしく器を活用しましょう。
今、気になる「料理上手さん」
日頃参考にしている「器えらび」が得意な料理上手さんを教えてください。
「セーラさんの日々の食卓の切り取りは、自然体でありながら、愛情とご馳走感に溢れていて、見る人を惹きつける力があります。セーラさんの個性とセンスが現れていると感じるのが、お料理はもちろんのこと、器えらびと器合わせ。誰にもまね出来ない世界観を持つセーラさんは憧れの存在です♡」
次回はセーラさんに「器」のこだわりを教えていただきます。どうぞお楽しみに♪
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
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