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食器の「つけ置き洗い」で細菌大よろこび!? 冬こそ気をつけたい食中毒予防のコツ

食器を洗うとき、ついついやってしまいがちな「つけ置き洗い」。実はあるルールを守らないと、食中毒につながりかねない危険をはらんでいるんです。衛生微生物研究センターの李さんに、上手な洗い物のコツを教えてもらいました!

2017年11月22日 更新

冬こそ注意!食器の「つけ置き洗い」に潜む危険

ご飯がこびりついた炊飯釜や、カレーを作ったあとのお鍋。落ちにくい汚れをふやかそうと水をはって、うっかり洗い忘れたまま次の朝に……。「あるある!」とうなずいてしまう人も多いのでは?便利なつけ置き洗いですが、間違ったやり方では食中毒の原因となる菌を増殖させてしまうことも。
食と衛生にまつわる身近な疑問にスポットを当てる連載の第1回。今回は、細菌やカビなど、微生物と衛生について研究を行う「衛生微生物研究センター」主席研究員の李 新一さんに、つけ置き洗いのリスクと洗い物のコツをうかがいました!

「つけ置き洗い」で細菌が好む環境を作っていた!

「つけ置き洗い」で細菌が好む環境を作っていた!

Photo by macaroni

「食器などをつけ置きしている間、その水の中は細菌が増殖するのに最適な状態になっているんです。細菌も生きものなので種類によって変わりますが、

・30〜35℃の温度帯
・水がある、または湿度が90%以上である
・細菌にとっての栄養(=食べカスなど)がある


これらの条件がそろうと増殖しやすくなります。細菌のエサとなる食べカスがついた食器などに水をはったままにすると、元々食器などについていた細菌が増殖してしまうんです」

ーーつけ置き洗いで細菌を増やしていたとはショックです……!細菌の増殖を防ぐ食器洗いのコツをうかがっていきたいと思います。

きれいに見えても細菌は増えている…!

ーーつけ置き洗いをすると、細菌はどのくらいの時間で何倍まで増えるんですか?

「季節によって室温も変わりますし、元々食器についていた細菌の量などの条件でも変わってくるので「◯時間つけ置きすると細菌が◯倍に増える!」と断言するのは難しいですね。

菌にとっていい条件がそろうと、30分ごとに分裂していきます。1個だったものが2個、次の30分で4個……と増えていきます。つけ置いた水が濁ったり、ぬめったり、異臭をはなち始めたりと、私たち人間も気づく変化が出始めた時には、1mlあたり数千万や数億個以上に増えているんです。

変化が出始めてやっと「雑菌が増えたな」気づけますが、つけ置きはじめたばかりで変化の見えない間も、菌は増えているんです」

「つけ置き洗い」をやめて食中毒リスクをカット!

ーー細菌が増えることで、健康にはどんな影響がありますか?

「洗剤を使ってよく洗い、しっかり乾燥させる過程で、食器などに付着した細菌は死んでいきます。この時、食中毒菌が残ったままの食器を使ったり、生のまま食べる野菜に増殖した菌が付着したりすると、食中毒の危険も。また、お弁当箱のパッキンなど、洗いにくいものは菌が残りやすいんですね。

ただ、私たちの手のひらにも食中毒菌である「黄色ブドウ球菌」はいますが、舐めたからといって食中毒になるとは限りませんよね。つけ置き洗いすることで100%食中毒につながるわけではありませんが、細菌を増殖させるつけ置き洗いはできるだけ避けて、リスクを減らすことが大切です」
ーー冬でも日中、気温が上がる日もありますもんね。

「そうですね、冬の食中毒の主な原因はウイルスですが、細菌の増殖も油断できません。指先の小さな傷口から細菌が入り化膿する可能性もありますし。危険があるとわかっていながら、わざわざ実践する必要はありませんよね」
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macaroni編集部

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