ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

落雁(らくがん)って何?

口の中でとろけるような品のよい甘さがたまらない「落雁(らくがん)」。落雁とは、穀類の粉に砂糖や水あめなどを入れて練り、木型に押して乾燥させたお菓子です。 お盆のお供え物としてしばしば見かけますが、お釈迦様の弟子が、お盆に僧侶達に振る舞ったことが起源とされています。 砂糖がない時代には、果物が供えられていました。落雁が日持ちするため、果物や蓮の花の代替品として用いられるようになります。 江戸時代に落雁が茶菓子として定着し始めると、寺社への供え物にも四季の草花や祝い事の為の鶴、亀、鯛、松竹梅など様々な形が作られるようになりました。地域によっては、あんこが入っているものもあります。全国各地で、その土地の風情を活かした様々な落雁が生まれているんですね。

名前の由来

・中国の「軟落甘(なんらくかん)」というお菓子が、日本に伝来してから「落甘」と略して呼ばれるようになった。 ・近江八景の一つ堅田に降りてくる雁の情景にちなんで名付けられた。 落雁の名前の由来は諸説ありますが、この2点が有力と言われています。

白雪糕(はくせつこう/はくせんこう)と落雁の違い

白雪糕とは、うるち米ともち米の粉に、白砂糖や蓮の実の粉末を加えて型に入れ、乾燥させた落雁の一種です。口の中に入れると、しっとりして、ほろほろ雪のように溶けるところから、そう呼ばれるようになりました。 地域によっては、砕いてお湯で溶き、母乳の代用になったほど、滋養にもいいそうです。また白雪糕と落雁を区別せず、すべて落雁と呼ぶ地域もあります。

干菓子・和三盆との違いは?

干菓子と落雁の違い

干菓子とは、水分の少ない乾燥した和菓子のこと。主に水分20%以下の和菓子を指し、落雁や金平糖、煎餅、八つ橋などが干菓子の種類に含まれます。 分類わけをすると、和菓子の中に生菓子、半生菓子、干菓子があり、干菓子の中に落雁や和三盆や八つ橋などが入ります。

和三盆と落雁の違い

和三盆とは、徳島県や香川県だけで摂れるサトウキビから作られている砂糖の名称。黒砂糖をまろやかにしたような独特の風味を持ちます。見た目は淡い黄色で、決めが細かい結晶と、口溶けの良さが特徴。 三盆という名称は、「盆の上で砂糖を三度研ぐ」という、古来から伝わる精糖工程に由来します。 落雁は、米や麦・豆などの粉と砂糖や水あめを混ぜて、型を押して乾燥させます。対して和三盆は、砂糖の和三盆を型に押して固めたものになります。和三盆そのものを固めただけのお菓子があり、それを「和三盆」と呼ぶこともあります。

おいしい落雁が購入できる名店

石川「落雁諸江屋」

1849年(嘉永2年)創業の石川県金沢市にある老舗和菓子店。お茶屋の風情のある雰囲気の建物は、地元に愛されてきた歴史と伝統を感じさせます。 加賀名菓の伝統と製法で老舗の味を守りながらも、現代に合わない物(お菓子)に固執していないユニークなエッセンスが特徴。原料は、国産品を使用し、だったんそば茶や加賀野菜などを金沢の名産物を取り入れています。 La・Kuganは、ココアを使用した「ほろ苦い」落雁。チョコとは違い、甘さが苦手な大人でも楽しめるひと品です。 【店舗情報】
■店舗名:諸江屋(本店) ■住所:石川県金沢市野町1-3-59 ■電話番号:076-245-2854 ■FAX:076-245-2854 ■店休日:元旦  ■営業時間:9:00~19:00 ■公式HP:http://moroeya.co.jp/ ■ネットショップ:http://moroeya.net/
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