ライター : BBC

京都のお正月の縁起物「福玉」

お正月といえば、皆さん何を思い浮かべますか?お餅つきや甘酒など、様々なものを思い浮かべるかと思いますが、京都ではお正月の縁起物として「福玉」というものが親しまれています。この「福玉」は祇園町周辺の年末年始の風物詩で、この時期になると街中でも見かけることが多くなります。
年の瀬が迫った祇園の街中には、半分が白、半分がピンク色の大きな球が所々に吊るされています。これが福玉と呼ばれるもので、京都の祇園では、もともとは年末のあいさつに訪れる芸舞妓さんにお茶屋さんなどが配る縁起物として知られています。 半分が白、半分がピンク色のかわいらしい福玉を手にして祇園を歩く舞妓さんの姿は、特に昔は京都の暮れの名物だったようで、数が多いほど売れっ妓の証拠だったのだそうです。

年が明けてから開封するのが決まり

京都のお正月の縁起物である「福玉」は、除夜の鐘を聞いてから開けるのが決まりになっています。そう、これはただの丸い飾りではなく、中には招き猫や年神様の飾りなど、縁起物のミニチュアや人形が入っているのだとか。年末にもらったときに何が入っているのか、すぐに開けて見たくなってしまいますが、年が明けてから開封するという決まりがあるのでぐっと我慢しましょう。
年が明けた時にやっと開けられる福玉には正月一番に開封するという特別感と、何が出てくるか分からないワクワク感が詰まっています。中に入っている縁起物は、あるお店によると、三味線なら「芸事が上達する」、ミニチュアの蔵なら「蔵が建つほどお金が儲かる」、タンスなら「衣装が増える」などといって新年を占ったものになっているそうです。
半分が白、半分がピンク色の福玉は、なんと食べることができるんです!紅白の餅皮を合わせた球になっているので、皮を細かく割って火鉢であぶり、お汁粉に入れて食べることもできます。この福玉が生まれたきっかけになっいるのが、祇園の駄菓子屋さんがもなかの皮の中に駄菓子を入れて売ったこと。それが縁起物を入れたおめでたい紅白の玉になったのが今の福玉です。

福玉の中身は?

TwitterやInstagramなどにも「お母さんが京都へ行ってきてました。福玉を買ってきてました!中身はお猿さんでした」「福玉の中身は縁起の良いお菓子がはいってます。これを開けるとお正月って感じ!」「実は今、福袋よりまだ買ってもいない福玉の中身が楽しみで仕方ない」など、様々な感想があがっていました。
福玉は食べられるのでお好みでアレンジをして食べてみてください。お汁粉に入れて食べるのが定番のようですが、軽く炙ってからアイスなどと一緒に合わせてデザートにしてもいいかもしれませんね!もちろんあんこをつけても、おいしくいただけます。
京都のお正月の縁起物「福玉」の存在を知らなかった人の方が多かったのではないでしょうか?お正月に開ける特別感とワクワク感を楽しみたい人はぜひ京都の祇園へ行ってみてください。きっといつもとは違った雰囲気を楽しめます。
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