ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

野菜ソムリエが解説。キャベツが腐っている3つのサイン

Photo by pomipomi

キャベツは外側の葉は厚くしっかりしていて、やわらかい内側の葉を保護する役割があります。そのため、外側の葉は硬くなったり変色や乾燥したりして劣化しやすいです。結果、キャベツは「見た目の変化(劣化)」と「腐敗」が混同されがち

しかし実際には「食べても問題ない単なる変化」と「腐敗しているため廃棄すべきサイン」とがあり、それを見極めることが大切です。

本記事では、「見た目」「臭い」「感触」のサインについて、セーフとアウトの境界線はどこにあるか専門知識を交えて解説します。腐りかけキャベツの安全な対処法や調理のコツも見ていきましょう。

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稲吉永恵

野菜や果物の持ち味を生かす食べ方を提案する野菜ソムリエ。鮮度の見極め方や無駄にしない保存術、トライしやすい簡単レシピの紹介をしています!

1. キャベツが腐っている「見た目」のサイン

見た目状態
乾いた茶色酸化
ベタつき+黒褐色腐敗の可能性
白いフワッとしたものカビ確定サイン

茶色の変色:酸化の場合が多い(セーフなことも)

キャベツの切り口や葉の端が薄茶色に変色するのは、キャベツに含まれるポリフェノールが空気中の酸素に触れたことで起きる「酸化」という化学反応であることが多いです。

黒く湿ったような茶色でなければ食べられます。気になる場合は、変色した部分だけ取り除いてもよいです。

黒い斑点:ポリフェノールの変化、またはカビ

見た目状態
乾いた黒点長過程でできる“ゴマ症”で食べられる
湿った黒点+周囲がカビ状カビの可能性が高くアウト
キャベツの表面に乾いた黒点ができているのは、ゴマ症と呼ばれる生理障害によって生じたポリフェノールです。天候不順や気温の変化、栽培環境のストレスが原因とされています。カビではなく品質に問題ないため、食べられます。

ただし、湿った黒点があったり広範囲にあったりしている場合や周囲がカビ状になっている場合はNG。カビの可能性があります。ぬめりがあったり異臭がしたりしても食べずに処分しましょう。(※1)

白いフワッとしたもの(カビの確定サイン)

白いフワッとしたもの、綿状や粉状のものが付着しているのは、白カビの可能性があります。白カビは、湿り気があり異臭がすることもありますよ。白カビが付着している場合は食べられません。廃棄しましょう。

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稲吉永恵

キャベツが変色しているだけでなく、変色部分が溶けていたり、ぬめりや汁が出たりした場合も傷んでいるおそれがあります。食べずに廃棄するようにしてください。

2. キャベツが腐っている「臭い」のサイン

臭い状態
酸っぱい臭い乳酸菌や雑菌が繁殖している可能性
ツンと刺す臭い腐敗菌が増えている状態
カビ臭完全にアウト
青臭い・土っぽい臭い元々の特徴で問題ない
キャベツの腐敗は、臭いで判断しやすいです。キャベツは元々青臭さや土っぽい臭いがします。酸っぱい臭いがする場合は、乳酸菌や雑菌が繁殖している可能性がありますよ。

ザワークラウトのように発酵が進む過程で臭う発酵臭であれば問題ありません。しかし不快な酸っぱい臭いやツンと刺すような刺激臭がすると、雑菌が繁殖したり腐敗菌が増えたりしているため、処分しましょう。

カビ臭がする場合もNGです。迷わず廃棄してください。

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

稲吉永恵

新鮮なキャベツはほぼ無臭ですが、カットして空気に触れたりゆでたり鮮度が落ちたりすると、青臭さや消毒臭がすることがあります。腐敗が進むと酸っぱい臭いやツンとした刺激臭が発生します。
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