ライター : aicolas_monyo

WEBライター

日本に通ずるポイントも。デンマークのクリスマス食文化

Photo by aicolas_monyo

2025年11月5日(水)、駐日デンマーク大使館にてデンマークのクリスマスの食事をテーマにしたガストロノミーイベントが開催。世界から注目される「ニュー・ノルディック・キュイジーヌ(新北欧料理)」には日本にも通ずる食文化がありました。

デンマークの「ヒュッゲ(Hygge)」(=心地よい空間、楽しい時間)を味わうクリスマス料理とともに、家庭でも取り入れたいポイントを紹介します。

「ニュー・ノルディック・キュイジーヌ(新北欧料理)」とは

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デンマーク料理は、2004年に「ニュー・ノルディック・キュイジーヌ(新北欧料理)」という新たな潮流として生まれました。

これは、失われかけていた伝統的な食文化と、地元の食材を改めて見直す動きです。この考え方は、現代の「地産地消」や「自然との共生」といった価値観とマッチし、新北欧料理を求めるデンマーク国内外からの観光客が増加しています。

本イベントでは講師として、デンマークにあるレストラン「Sortebro Kro」のオーナーシェフ ジョン・コフォ氏が来日し、伝統的な調理と新たな風が融合した全16品のコースが提供されました。

クリスマスコース料理と取り入れたいポイント

本ガストロノミーイベントで提供された16品からなるクリスマスコース料理を紹介。新しいものから家庭的なものまで、魅力的なメニューがずらり。

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デンマークではクリスマスは一年間のうちでもっとも家族が集まる大事な日。

日本のお正月のおせちのように、各家庭で時間をかけてしっかりと食事の準備するのだそう。

日本家庭のクリスマスパーティーで取り入れたいポイントにも注目です。

1皿目(ニシンの前菜)

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1皿目(ニシンの前菜)

  1. クリスマス風ニシン、ケッパー、卵のカナッペ
  2. ニシンのライ麦粉フライに、ディジョンマスタードとディルを添えたカナッペ
  3. クリスマス風カレー味のニシンのハーブマヨネーズ和え
ひと皿目はデンマークの食文化を語るのに欠かせない「ニシン」を使った3品が登場。現地では、スーパーでニシンの酢漬けやカレーソース漬けの瓶が出回っているそう。

爽やかなディルや酸味のあるライ麦パンとの定番の組み合わせも、クリスマスらしくアレンジされてより華やかに進化していました。

2皿目(魚のお料理)

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2皿目(魚のお料理)

  1. 魚のパン粉揚げ、赤いレムラードとレモン添え
  2. スモークしたカラスガレイ、スモークチーズクリーム、マスタードシードのピクルス、イクラ(鱒)添え
  3. 塩漬けのカラスガレイのディル・マスタードソース添え
  4. スモークしたウナギのカナッペ、スクランブルエッグとチャイブ添え
  5. シーフードサラダのタルトレット、フレッシュハーブ添え
2皿目は、バルサミコとブラウンシュガーでマリネしたり、白樺でコールドスモークしたりとそれぞれの魚の個性を生かした料理が並びます。

手軽なディルやチャイブのハーブをのせると香りもよくなるので取り入れてみたいところです。

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ここで注目すべきは、サワー種ライブレッド。デンマークでは、1,000年にわたって愛される国民食で、コロナ禍にお店に客が入らない間もサワー種酵母は絶えることないよう大事にされていたとのこと。

まさに2025年、日本でも「ロブロ」という名でデンマークのライ麦100%パンが注目されました。

3皿目(肉のお料理)

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3皿目(肉のお料理)

  1. 鶏肉とマッシュルームのサラダ・タルトレットに、コルニッションとチャイブを添えて
  2. 塩ゆでの豚料理
  3. 温製パテにマッシュルームとベーコン添え
  4. ミートボール、ピクルスとケールソース添え
テリーヌは豚のほほ肉とすね肉を使用。ほほ肉はやわらかく上等なため、デンマークのクリスマスの食卓ではセンターに置く大切なひと品だそう。

ミートボールはデンマークの伝統料理で、豚のもも肉をミンチにしてひと晩寝かせるのがポイント。付け合わせのソースに使われているケールは寒いデンマークでは冬のシーズン中もつので、よく食卓に登場するといいます。

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ミートボールは家庭ごとに異なるレシピで、「我が家のミートボールが一番おいしい!」と代々シークレットに引き継がれているそう。

今回のコース料理の中でもっとも材料がそろえやすいので、日本の家庭ならではのミートボールを研究するのもおすすめです。
※本記事は個人の感想に基づいたもので、感じ方には個人差があります。

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