ライター : macaroni 編集部 倉持(もちこ)

トレンド担当ディレクター

シアトルの食は「パイク・プレイス・マーケット」からはじまる

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シアトルを訪れるなら、「Pike Place Market(パイク・プレイス・マーケット)」は外せない場所。

観光名所としてあまりに有名ですが、実際に足を運んでみると、そこは単なる市場ではなく、100年以上、街の暮らしを支えてきた「生きている台所」だと気づきます。

これから初めて訪れる方にも、すでに行ったことがある方にも、「知ってから歩く」ためのガイドとして、この市場の魅力をお伝えします。

市場の誕生は、1907年の切実な願いから

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「パイク・プレイス・マーケット」は1907年、当時高騰していた食料品価格への不満を背景に、生産者から直接買い物ができる場として始まったのだそうです。

歩道の一角に並んだ農家は初日こそ10軒ほどだったものの、2,000人もの市民が押し寄せ、昼には完売。

この出来事が、市場の原点になったと伝えられています。今も掲げられる「Meet the Producer(生産者に会おう)」という言葉は、その精神を今に残すものなのだとか。

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1940年頃、この市場を支えていた農家の多くは日系人だったといわれています。しかし真珠湾攻撃後、彼らは強制収容の対象となり、商いの場を失いました。戦後に戻ることができた人は、ごくわずかだったそうです。

マーケットの壁に描かれた日系農家の壁画は、そうした歴史を静かに伝える存在。ここが彼らの手で育まれてきた場所であることを、今も訪れる人に語りかけています。

マーケットの人気者「レイチェル」

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市場の中心に鎮座する、巨大なブロンズ像の豚「レイチェル」。 観光客がこぞって写真を撮る人気者ですが、実は現役の貯金箱です。投げ入れられた寄付金は、マーケット内の保育所や診療所、フードバンクなどを支える基金として役立てられているのだそう。

年間約2万ドルもの善意が集まると聞き、この市場が今も地域に根ざしていることを実感。過去には暴走したタクシーを身を挺して食い止め、建物を守ったという逸話も。

スターバックスの1号店や “魚投げパフォーマンス” が人気

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100年以上の歴史を持つ「パイク・プレイス・マーケット」は、いまもシアトル随一の観光名所です。

スターバックスの1号店を目当てに訪れる人、威勢のいい掛け声とともに魚が宙を舞うパフォーマンスに足を止める人。マーケットはいつも、人の熱気と音に満ちています。

ツアーで巡る。現地ガイドのおすすめ8軒

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ツアーガイドのニックさん
「パイク・プレイス・マーケット」には、地元の人に長く愛されてきた小さな店や、食の背景に物語を持つ名店が、当たり前のように並んでいます。

今回は「Savor Seattle Tours(セイバー・シアトル)」のツアーに参加し、食べ歩きをしながら、マーケットの歴史や背景、店主たちの物語に耳を傾けました。

ここからは、ツアーガイドのニックさんが案内してくれたおすすめの店を紹介していきます。

名物のミニドーナツ「デイリー・ダズン・ドーナツ」

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長年にわたり人々を惹きつけてきた、マーケットの定番中の定番「Daily Dozen Doughnut(デイリー・ダズン・ドーナツ)」。

ドーナツマシンが次々とミニドーナツを仕上げていく様子は、思わず見入ってしまうリズムがあります。 最大の魅力は、揚げたてをその場で受け取れること。

ミニドーナツは外がサクッと、中は驚くほど軽く、不思議と次々に手が伸びるおいしさ。

「いま、ここで作られたものを、その場で食べる」マーケットの精神を、もっともシンプルに体現している一軒だと感じました。
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